今や芸能界はトリオ芸人時代。ネプチューン、東京03、ロバートといったベテランから、ジャングルポケット、ハナコ、四千頭身、森三中、ジェラードン(海野裕二が休養中)、ネルソンズと、雨後の筍のように続く。そしてもちろん、ダチョウ倶楽部のトリオ芸は忘れてはなるまい。
その中で今、「これからの活動が、良い意味で読めない」とテレビマンが話すのがパンサー。向井慧、菅良太郎、そして尾形貴弘という、絶妙なアンバランスさで成り立っている2008年結成のトリオだ。
このところ、めきめきと影響力を増しているというのが向井。15年、よしもと男前ランキング第1位に輝いたイケメン芸人で、最近は「新・ラジオの帝王」と呼ぶにふさわしいほどラジオ番組を多数担当している。
今年3月末から、6年間続いてきた『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)の後継番組として、平日月曜から木曜までの朝、『パンサー向井の#ふらっと』のパーソナリティ―を担当。そのほかにも、『#むかいの喋り方』(CBCラジオ)『パンサー向井のチャリで30分』(ニッポン放送)『向井と裏方』(AuDee)『又吉・児玉・向井のあとは寝るだけの時間(NHKラジオ第1放送)という4本を抱えている。
「向井は『王様のブランチ』(TBS系)にも生出演していて、その物腰の柔らかさとしゃべりの達者さは、かつて番組司会を務めていたアンジャッシュ・渡部建に近いものがある。渡部の場合はグルメという武器をもってテレビ番組のMCとして活路を開いてきましたが、向井ももう“ひと押し”、何かストロングポイントがあると、ピンでのMCが続々と決まりそうなところにいます」(業界関係者)
そして菅良太郎。パンサーのネタ作り担当だが、キャラクターが読めないミステリアスさがある。
「ワイルドな見た目の菅は、無類のマンガ好き。『ブランチ』の人気コーナーで、芸能人がオススメの漫画を語る『語りたいほどマンガ好き』を担当して、毎回ゲストとそれぞれの愛読書を紹介し、視聴者の興味を引きつけています。かつてギャル男だったことや、実父が家族を捨ててバリ島に突如移住したことなど、ふいに明らかになる過去のエピソードがなかなか衝撃的。『有吉の壁』(日本テレビ系)での活躍がネット上で話題になることも。向井と尾形(貴弘)の活躍によって、おのずと菅にも注目が集まっています」(同)
そんな2人に加えて、各局バラエティで活躍する尾形貴弘。現在45歳だが、若手芸人のようなギラギラ感、焦燥感はあばれる君、ハナコ・岡部大、ティモンディ・高岸宏行といった「熱血芸人」の“熱血”とはまた一段違う“とてつもなさ”があるという。
「彼の熱さにほだされて、TOKYO MXでは、竹馬に乗って商店街を街ブラする『パンサー尾形の竹馬散歩』が始まったり(10月10日に第4弾)、NHKでは教養バラエティ『笑わない数学』で難解な数学に挑み、9月28日で全12回の放送を完走。同番組プロデューサーは、スタート時の会見で、『ドッキリも嫌がらずに一生懸命やられている姿を見て、気の毒なほどの情熱が数学に注がれたら、視聴者にも届くんじゃないか』と起用理由を説明していました」(放送作家)
ラジオで活躍を広げる向井、単独レギュラーが次々舞い込む尾形、まだまだ得体の知れない菅ーー粒ぞろいの3人それぞれが冠番組を持ち、同時ブレークを果たす可能性もあるだけに、「良い意味で今後が読めない」と期待が寄せられているようだ。
果たして、数年後のテレビでパンサーはどんなポジションを築いているのだろうか?