• 日. 12月 22nd, 2024

犯罪データベース

明日あなたが被害にあうかもしれない

令和版『うる星やつら』声優・神谷浩史&上坂すみれに絶賛の声も、業界関係者が「いやらしい」と評価するワケ

 10月13日深夜より、フジテレビ系の「ノイタミナ」枠でテレビアニメ『うる星やつら』(フジテレビ系等)の放送がスタートした。1980年代に大ヒットした人気作が完全新作となって36年ぶりに帰ってくるということで、放送前からアニメファンを中心に注目を集めていたが、第1話の放送を終え、ネット上では早くも「神アニメ」と絶賛の声が上がっているようだ。

 漫画家・高橋留美子氏の代表作の一つである同名SFラブコメディ(小学館)が原作の『うる星やつら』。高校生の主人公・諸星あたると、彼の前に突如現れた宇宙人・ラムの日常を描いた作品で、81年10月~86年3月までテレビアニメ(フジテレビ系)が放送。原作やアニメファンのみならず一般層からも熱烈な支持を集め、オリジナル・ビデオ・アニメ(OVA)が制作されたほか、劇場版も6作公開。当時の若者カルチャーに大きな影響を与えた。

 小学館創業100周年記念企画の一つである今回のリメーク版は、原作から選び抜かれた人気エピソードを全4クールで放送。出演キャストは一新され、あたる役に神谷浩史、ラム役には上坂すみれ、あたるの幼なじみ・三宅しのぶ役を内田真礼、あたるのクラスメイト・面堂終太郎役は宮野真守が演じることに。

 さらに、旧アニメ版であたるを演じた古川登志夫があたるの父親役、ラムを演じた平野文がラムの母親役を務めるということで、発表時、ネット上では「新キャストが豪華すぎる」「初代が父親と母親を演じるなんてエモい」と喜ぶ声が上がった一方、往年のファンからは「声優が変わるの嫌だな」「年齢的な理由もあるのかもしれないけど、旧作のままがよかった」とネガティブな意見も挙がっていた。

 しかし、あたるとラムの出会いが描かれた第1話の放送終了後、視聴者からは神谷と上坂の声について「そこまで違和感なかった」「旧作に寄せてる感じがしたし、演技にも初代へのリスペクトを感じる」と好意的な感想が続出。全体を通しても、「ほぼ昔のままだった」「時代設定が昭和から変わってないから、ブラウン管テレビや黒電話が懐かしい」「間違いなく今期の神アニメ」と、概ね好評のようだ。

 実際に放送を見たという声優業界関係者は、リメーク版について次のように評価する。

「メインキャストの神谷、上坂ともに、声がすごく役に合っていると思いました。旧作のイメージも踏襲しつつ、キャラクターを自分のものにしてしっかり演じている。素晴らしいと思いますよ。キャスティングにあたっては、オーディションが行われたそうです。とはいえ、主要キャストの名前を見たところ、『数字を持っている』声優たちを徹底的に選んでいる印象。視聴率とSNSの反響狙いなのが透けて見えて、いやらしさも感じます。正直、顔ぶれに真新しさや新鮮味はありませんが、盤石な布陣であることに違いなく、それだけ気合の入った作品ということなのでしょう。なお、原作者の高橋氏は、今回のリメークにとても喜んでいたとか」(同)

 『うる星やつら』と同時期に放送がスタートした作品でアニメファンから最も話題を集めている作品が、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の人気同名マンガのアニメ版『チェンソーマン』(テレビ東京系)だ。こちらは対照的に、新人や知名度の低い声優をメインキャストに起用している。

「オーディション開催の知らせを受けた各事務所から、有名だったり、数字を持っている人気声優たちが多数参加したそうですが、誰一人起用されず仕切り直しに。それから半年ほど時間をかけてじっくりキャスティングが行われました。影響力よりも、“本当にキャラクターに合う声優であること”が優先され、出演者が決定したといいます。同作には津田健次郎や内田真礼など、有名声優も起用されていますが、彼らが演じているのはメインキャラではないため、純粋に声と芝居が評価された結果であることがわかります」(同)

 『うる星やつら』と対照的なキャスティングだったといえそうだが、同作は昭和のアニメを代表する人気作でもあるため、「新人や無名声優を起用できなかった、という裏事情もあるのでは。そういった意味では、出演者を含め、製作陣は“絶対にコケられない”というプレッシャーを少なからず感じているはず」(同)だという。

 では、万が一作品が“コケてしまった”場合、局からお咎めを受けるのはどの立場の人間なのだろうか。

「作品のクレジットに『製作委員会』とある場合は、アニメ制作会社や配信会社、放送局、広告代理店など、さまざまな企業が製作に関わっています。これはコケたときのリスクを分散させるためで、『うる星やつら』の場合、小学館やフジテレビ、アニプレックス、david productionなどで結成されている様子。ただ、視聴率が振るわなかった場合、一番責められるのは、そうした製作委員会ではなく、キャスティングに携わった監督やプロデューサーらでしょう」(同)

 すでに「神アニメ」とファンから絶賛されている令和版『うる星やつら』。話題作が多い秋アニメの中で、このまま高い評価を維持できるだろうか。

By Admin