歌手・椎名林檎のオフィシャル・リミックスアルバム『百薬の長』の購入特典グッズが、周囲に援助や配慮を必要とすることを知らせる「ヘルプマーク」に酷似しているとして、ネットを中心に大きな批判を呼んだ問題。CD発売元のユニバーサルミュージックは11月1日、問題のグッズは椎名本人が「参画・監修した制作物ではない」と述べたが、これがネット上で、新たな炎上の“火種”となっている。
当初、11月30日に発売予定だった『百薬の長』。10月7日に「UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤」の特典グッズ3種が発表されると、カードケースのデザインが「ヘルプマーク」にそっくりだとして炎上。これを受け、18日にはユニバーサルミュージックがデザインの変更とアルバム発売延期を発表した。
「遅すぎる対応に厳しい声が上がったほか、椎名側からコメントがないことを疑問視する人も多い。また、発売延期を発表するプレスリリースには『今回の【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】の付属グッズは、内容及びデザインを弊社で企画検討したものです』と椎名の関与を否定する一文もありましたが、あれほど自身の世界観を大事にしてきた椎名が、公式グッズを“丸投げ”していたのかと疑問を感じます」(芸能記者)
そんな中、ユニバーサルミュージックは11月1日、公式サイトにあらためて謝罪文を掲載。その中でも、「当該商品は、ユニバーサル ミュージックが独自に企画立案し、制作、そして発売を弊社の責任・管理下のもと、進めていた作品となります。今回問題となった【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】の付属グッズは、椎名林檎本人が参画・監修した制作物ではありません。内容およびデザインについては、あくまで弊社が企画検討したものとなります」と、またもや椎名がグッズに関わっていないことを強調した。
さらに、「アーティスト自身の発案によるデザインであるという根拠のない噂を生んでしまったことで、椎名林檎のクリエイティビティや信念を傷つける事態を引き起こしてしまいました」「椎名林檎氏、本作品に参加頂いたアーティスト、スタッフの方々、そして、ファンの皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と、椎名本人に対する謝罪文もつづられている。
あらためて“椎名はノータッチ”であることを説明した同社だが、案の定、ネット上では「グッズのチェックすら怠るような人に『クリエイティビティや信念』があると思えない」「林檎さんにはがっかりしました」「こんなコメントを出したら、余計に椎名林檎のイメージが悪くなるとスタッフは思わないのだろうか?」と疑問の声が続出。
加えて、公式サイト上で椎名に謝罪した同社に対し、「いや、知らんがな。椎名林檎への謝罪は内輪で勝手にやりなよ」「擁護したいのはわかるけど、ここで謝罪する意味がわからない」とあきれた声も目立つ。
「真偽のほどは不明ですが、どちらにせよ椎名がグッズ制作に関わっていないことを強調するのは、椎名にとってマイナスでしかありません。もし仮に本人が自身のイメージを考えたうえでコメントを出していないとしても、『“クリエイティビティや信念”を持つアーティストなのにグッズを“丸投げ”している』という矛盾が生じている以上、納得する人は少ないのでは?」(同)
騒動を客観視できていないようにも見えるレコード会社の対応。椎名本人からのアクションがないまま、アルバム発売日を迎えてしまうのだろうか。