• 日. 12月 22nd, 2024

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滝沢秀明氏、平野紫耀……ジャニーズ退社組をバッシング! 肝心なことは書かない女性週刊誌

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 先週に引き続き女性週刊誌はジャニーズ祭り! タッキー退社にキンプリ分裂、そしてキムタクの信長まつりに中居正広の重大体調異変! でも肝心なことは、これまた先週に引き続き全然書かれていないようで……。

第626回(11/10〜11/15発売号より)
1位「滝沢秀明 8月の激昂!『贔屓と裏切り』重大事件」(「女性セブン」11月24日号)
2位「平野紫耀 キンプリ脱退!『抵抗したメンバー』『ビジネスへの野心』引き裂かれた心」(「女性セブン」11月24日号)
同「永瀬廉 キンプリ分裂で相談した『3人脱退』関ジャニ大倉忠義」(「女性自身」11月29日・12月6日合併号)
3位「加藤浩次 “ステルス排除”で『スッキリ』終了 目の前に迫る『最悪』の事態」(「週刊女性」11月29日号)

 芸能界に激震が走った一連のジャニーズ騒動。そして、これを取り上げる女性週刊誌は早速、忖度体質をあらわにした。先週の「女性自身」では、退社を発表した滝沢秀明氏のスパルタ体質などを非難する記事を掲載していたが、「女性セブン」もまた同様にすごい。

 まず滝沢氏の退社を“事務所は慰留”したにもかかわらず、“急転直下”の辞任劇と断じ(一部では1年前には退社の意思を伝えていたとの報道も)、滝沢氏からジャニーズJr.などへ“何の説明もない”と批判、その上で退社の理由をある2つの“挫折”に集約させている。そのひとつが滝沢氏の一部のJr.に対する“贔屓”であり、また贔屓されないJr.からのやっかみ、反発だ。

 記事では8月中旬の音楽イベントで、あるJr.が発した滝沢氏への発言が紹介される。

「滝沢さんは、滝沢さんが作ったグループを推したいのはわかります。それに負けてたら、おれらは一生、上に上がれない」

 この発言を滝沢氏は“自分への批判”“裏切りの告白”とも捉え、手塩にかけて育ててきたJr.との信頼関係が崩壊しかねない出来事だったと「セブン」は指摘するのだ。もうひとつの“重大事件”として滝沢氏の退社と関連づける“重大事件”も紹介される。それが8月下旬、滝沢氏が名付け親となったあるグループの単独コンサートの中止だという。着々と準備を進めたが諸事情が重なり中止となったが、この際、滝沢氏は苛立ちを隠さず、激昂。そしてこの2つの“事件”が重なり滝沢氏は“心身ともに疲弊”、そして退社という流れになったと記事は指摘する。

 つまり記事では故・ジャニー喜多川氏の後継者としてジュニアの育成に力を注いできた滝沢氏だが、心血を注ぐJr.からも反発や裏切りがあったから退社を決意したと言いたいようだが、あまに稚拙な論拠じゃない? 芸能マスコミならそんなことで退社するなんて有り得ないと百も承知のはずだ。しかもこの2つの“事件”、最初の不満発言は2022年8月4日、テレビ朝日主催の「SUMMER STATION」での内村颯太の発言で、中止になったコンサートはIMPACTorsのそれだが、記事ではそれも明記されていない不自然さだ。

 先週も指摘したが、今回のタッキー退社はジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子氏の存在と無縁ではない。そもそもは故・ジャニー喜多川社長VSその姉、故・メリー喜多川氏&メリー氏の娘で現在のジャニーズ社長・藤島ジュリー景子氏との確執にあった。

 そもそもジャニー氏は姪のジュリー氏の手腕を認めず、逆にSMAPの育ての親・飯島三智氏を評価重用し、結果、SMAP独立騒動が起こった。その後、ジャニー氏は後継者としてタッキーを事務所副社長に据え、Jr.の育成などを任せようとした。その後、ジャニー氏、メリー氏が逝去するとその確執の構図はジュリーVSタッキーに引き継がれ、結果、ジュリー氏がジャニー派(タッキー派)を冷遇する傾向に。そして創業ルーツのジュリー氏が勝利した。

 こうした構図を芸能マスコミは百も承知だ。でも書かない。書けない。思い切り忖度する。そして忖度せずにジュリー氏のことを書いた「週刊文春」(文藝春秋)はジャニーズ事務所から法的処置を示唆された。そんな芸能マスコミと芸能事務所の力関係、構図を改めて浮かび上がらせたタッキー退社だった。

 もちろんキンプリ分裂記事も同様だ。先週も薄かったが今週の内容もうっすい! ジュリー氏の名前がないばかりか、退所組3人を悪者にしようとする意図も紛紛だ。

 まずは「女性セブン」。脱退する3人が「海外進出」というワードを繰り返したことには“多くのファンが首をかしげた”。実際、周囲も後押ししていたが、問題はメンバーたちの“英語能力”だと指摘したのだ。

「海外で活躍するには日常会話程度の英語力は必須。メンバーも努力していました。でも多忙なこともあり、現状は厳しかった」(レコード会社関係者のコメント)

 英語もできないのに――そんな現実無視で“無理筋”な海外進出の急先鋒が平野紫耀だと匂わす一方、唯一現実路線でありファンファーストだと永瀬廉を持ち上げる。

「永瀬くんは国内に目を向けていたというのではなく、まずは目の前のファンに認めてもらい、日本でナンバーワンになったうえで、海外へ行きたいと考えていた。語学力など基礎もないまま夢を語るメンバーに“いまは目の前のことに集中しよう”と話すこともあった」

 さらにひどいのがそのあと。平野が家族思いだと紹介した上で、平野の弟が絡んだ“ブランド宣伝騒動”を持ち出し、独立やビジネスへの野心などが退社の原因だと指摘するのだ。そして残留組の高橋海人については、“脱退組を引き止めた”心優しい人物だと描かれる。まるでSMAP独立騒動の時のような退社組バッシングの構図だ。

 そして「女性自身」は、永瀬のラジオ番組での発言を紹介しつつ、「突然のメンバーの脱退に、ファンはもちろん永瀬さん自身も非常にショックを受けています」と、まるで永瀬が仲間はずれ、被害者、部外者のように描かれている。そして「ファンのそばにいさせてほしい」と涙ながらに語っていた永瀬は、その “苦悩”を関ジャニ∞の大倉忠義にしているという“人情”話を。あまりにうすーーい!!

 ほかにも大手芸能事務所の権力、支配、排除の力学を垣間見られる記事が。『スッキリ』(日本テレビ系)が来年3月終了でMCも“卒業”となる加藤浩次。その背景について古巣・吉本興業との関連を「週刊女性」が分析している。19年の闇営業問題で吉本の会社体制を痛烈に批判した加藤だが、その後、吉本との関係は解消され――。

「“加藤の乱”以降、じわじわと時間をかけて排除されたという見方をされてしまうのも無理はありません」(芸能プロ関係者のコメント)

 巨大芸能事務所とテレビ局の結託の前には、芸人、芸能人個人はあまりに非力――恐れたことが3年もの時を経て現実化してしまった。

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