アメリカが誇る“キング・オブ・ロックンロール”ことエルヴィス・プレスリーの愛娘で、エルヴィスの大邸宅・グレイスランドの相続者としても知られる歌手のリサ・マリー・プレスリーが12日、急逝した。享年54。突然の訃報に全米が悲しみに包まれているが、そんな中、ヘンリー王子の自叙伝『スペア』にグレイスランドのことをばかにする記述があり、ネット上で「何様のつもり?」と大炎上している。
リサ・マリーは12日、自宅で心肺停止に陥り、蘇生処置が行われたものの搬送された病院で死亡が確認された。エルヴィスも42歳のときに不整脈で急死、エルヴィスの母や母方の叔父たちも中年期に心臓疾患や肺疾患で亡くなっており、母方の祖父母がいとこ同士で結婚しているため、遺伝子的に心臓が弱い早死家系になってしまったのではと推測されている。リサ・マリーは亡くなる2日前に「第80回ゴールデン・グローブ賞」の授賞式に出席していたため、多くのアメリカ人が「あまりにも急すぎる」「こんなに早く死んでしまうなんて。呪いでもかかっているかのようだ」と大ショックを受けた。
リサ・マリーの遺体は亡くなったカリフォルニア州カラバサスからテネシー州メンフィスに移送され、22日、エルヴィスのご自慢だった大邸宅グレイスランドで追悼式が執り行われた。遺族、集まったファンのほかに、アラニス・モリセットやアクセル・ローズ、エルヴィスの自伝映画に主演し、リサが演技力を大絶賛したオースティン・バトラーらセレブも出席。交友関係の広いリサ・マリーと仲が良かったアンドリュー王子の元妻、サラ・ファーガソンも駆けつけ、弔辞を読んで話題になった。
ファンから“キングの聖地”とも呼ばれているグレイスランドには、エルヴィス本人のほか、両親や家族の埋葬されている墓地がある。2年前に27歳の若さで拳銃自殺したリサ・マリーの長男ベンジャミンの墓もここにあり、彼女は息子の横に埋葬されたという。
そんな中、ヘンリー王子が今月10日にリリースした自叙伝『スペア』にて、グレイスランドを盛大にからかう記述があったとネット上で話題に。王子に対する非難の声が続出し、大炎上しているのだ。
ヘンリー王子は2014年、テネシー州で開かれたクラブオーナーの友人であるガイ・ペリーの結婚式に出席するため、ウィリアム皇太子、ベアトリス王女、ユージェニー王女らと渡米。御一行は観光も楽しみ、グレイスランドを見学。当時、「アメリカのキングの家を見に来た」などとメディアに報じられた。
王子はグレイスランドを見学した感想を『スペア』で語っているのだが、「人はここを城とか、豪邸、宮殿とか呼んでいるが、私にはアナグマの巣を連想させるような場所だった。暗くて、閉じ込められるようで。歩き回りながら思わず『キングはここに住んでいたのか? 本当に?』と言ってしまった」と、実際にエルヴィスが暮らしていた空間を盛大に侮辱。
威風堂々とした造りの豪邸といわれるグレイスランドだが、バッキンガム宮殿をはじめ歴史ある城をいくつも知り、高級な調度品に囲まれて育った英王室の王子にとっては、グレイスランドは趣味の悪いものであふれている古臭い場所だったのかもしれない。
『スペア』には、「派手な家具と毛足の長いカーペットが敷いてある小さな部屋に立ち、こう思った。キングの装飾を担当したインテリアデザイナーは、Acid(幻覚剤のLSD)をキメていたに違いないって」ともつづられている。
50年代にロックンロール旋風を巻き起こしたエルヴィスが暮らしたグレイスランドは、アメリカの歴史建造物として認定され、見学ツアーなどが開催されるなど、一般公開も行われている。そんなグレイスランドをばかにされ、ネット上では「何様なわけ? もはや王子かどうかもあやしい人なのに」「家族とのプライベートな出来事を了承もなしに本にするお前のほうが下品だ」などとヘンリー王子への批判が続出。
王子の発言から、「本物のキングはレベルが違うんだよ」「アメリカの成り金は本当に趣味が悪い」とでも言っているように感じる人も多いようで、「メーガン以外の人をリスペクトすることを知らないんだね」「人間性を疑う」と非難の声が相次いだ。
『スペア』の売れ行きは順調だが、ヘンリー王子自身は「いつまでも被害者ぶって、事あるごとに王室に謝罪を求める」「家族間のことを暴露し、もっとネタはあると脅している」「自分に都合のよいように嘘をつく」など散々な言われようで、アメリカでの好感度もガクンと下がってしまった。目立ちたがり屋のメーガン夫人がここのところ表に出てこないのも、王子と一緒に叩かれるのを避けたいからだろうとささやかれている。
ヘンリー王子はグレイスランドについて叩かれている件についてコメントをするのか、またどのようにイメージ回復を図るのか、今後の動向に注目だ。