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【薬剤師監修】歯を磨いてるのに臭うのはなぜ? 口臭の根本原因と対策を解説

 歯を磨いているのに、口の臭いが気になることはありませんか? 口臭は、デリケートな悩みなので、なかなか人には相談できないかもしれません。歯を磨いたり、マウスウォッシュをしたりしても口臭が気になる場合は、ほかに原因があることも。自分では関係ないと思っていたことが、意外と口臭とつながっていることもあるのです。今回は、口臭の原因や対策について、薬剤師の相田彩氏に紹介してもらいました。

1. 口臭の意外な原因

 口臭の原因は、歯はもちろんですが、ほかにもいろいろあります。ホルモンのバランスや、唾液の減少、ストレス、歯や口以外の疾患、胃腸の不調が関係していることもあるのです。

1‐1. 歯周病や虫歯、古い詰め物など

 口臭の原因として、まず挙げられるのが歯周病や虫歯。また、治療で入れた古い詰め物などが傷ついたり腐ったりしていると、そこに食べ物のカスがたまって口臭につながることも。さらに、口内炎や扁桃炎、咽頭炎といった口腔の炎症によって起こる場合もあります。

1‐2. ホルモンバランス

 口の中の清潔を保つ唾液の分泌量が減ると、細菌が増殖して口臭が発生しやすくなります。唾液の分泌量は、ホルモンの影響を受けやすく、特に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量に左右されやすいともいわれているのです。また、自律神経の乱れや加齢も口臭の原因に。

1‐3. ストレス

 ストレスによっても唾液の分泌量が減るといわれており、口臭が発生しやすくなります。リラックスしているときと比べ、ストレス状態では唾液の分泌は3割程度も減少するそうです。なるべく、リラックス時間や休憩時間を作るように心がけましょう。

1‐4. 鼻や喉などの呼吸器の病気

 鼻炎や喉の炎症、副鼻腔炎などの呼吸器の疾患によっても口臭は起こります。鼻水が喉に溜まると、ドロドロと粘度が増し、臭いを発することがあるのです。また、鼻が詰まると口呼吸をするようになり、結果として、口臭の原因となる歯垢や舌苔を増殖させてしまいます。

1‐5. 消化管の炎症

 胃や食道などの消化管上部にがんや潰瘍などがある場合にも口臭が発生する場合があります。これは、タンパクの壊死による臭いが口臭につながるからです。しかし、がんなどの病気が原因の場合は、症状がかなり進行してからです。

 口臭を予防するには、歯磨き以外にもさまざまな方法があります。予防・対策として、以下を生活習慣に取り入れてみてください。

2‐1. 唾液の分泌量を増やす

 起床時や空腹時、緊張が続いたときなどは、唾液の分泌量が少なくなり、口腔内に細菌が増殖して口臭が発生しやすくなります。唾液の分泌を増やすために、水分をこまめに摂る、うがいをする、ガムを噛むなどを行ってみましょう。

2‐2. 鼻呼吸を意識する

 口呼吸をしていると、口の中が乾燥して唾液が少なくなってしまいます。また、口呼吸は浅い呼吸になりやすく、自律神経を乱すことにもつながりかねません。

 自律神経が乱れて交感神経が優位になりすぎると、免疫機能も低下して、さらに雑菌が増殖しやすくなります。できるだけ、鼻呼吸を意識しましょう。

2‐3. 定期的な歯科検診・治療を行う

 自覚症状がないときや、軽い虫歯くらいでは、なかなか歯科医院にはかかれないかもしれません。しかし、歯垢が付着してしまうと、自分では落とせなくなるだけでなく、虫歯を進行させてしまうことにもつながります。口腔内を清潔に保つためにも、定期的に歯科検診に行きましょう。

3. 口臭は漢方で根本から改善

 自分でできる対策をしても口臭が気になるときは、漢方薬の活用もおすすめです。

 口臭の改善には、「水分の循環を改善して唾液分泌を増やす」「自律神経を整えて、唾液を出やすくする」「血流を改善して胃腸の働きをよくし、消化不良を改善する」などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びます。

 漢方薬は口臭の根本改善を目的としているので、いつも口臭に悩まされている方には特におすすめです。

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
 胃に炎症がある場合は、胃の熱を冷ます漢方薬がおすすめです。ストレスやイライラなどの神経症状や、胃炎にも使われます。

・排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
 歯茎の中に溜まった膿を出し、炎症を抑える効果が期待できます。歯茎の赤みや炎症、腫れを改善し、歯槽膿漏や歯肉炎にも使用されます。

・六君子湯(りっくんしとう)
 「気」を補い消化機能を高めることで、胃に溜まった水を取り除く作用があります。悪心、嘔吐、胃炎、胃もたれ、食欲不振など消化器系疾患に用いられます。

 漢方薬は、配合されている生薬によって、どこに、どのように作用するかが違います。また、体質や症状によっても使用される漢方が異なります。

 漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。しかし、たくさんの漢方薬から、ご自分にあった漢方薬を見つけるのは大変ですよね。

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4. 口臭は原因に合わせて対応しよう

 口臭の原因は、虫歯や歯周病だけでなく、心理的なもの、生理的なものなどさまざま。そのため、鼻呼吸を意識する、定期的に歯科医院へ行く、唾液の分泌を増やす工夫をするなどの習慣を生活に取り入れることも大切です。また、漢方薬という選択肢も考えてみましょう。

薬剤師・相田彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。

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