現在放送されているマクドナルドの新CM「アジアのジューシー」篇で、女優の飯豊まりえと元乃木坂46・西野七瀬がボーカルデュオ・PUFFYの「アジアの純真」(1996年)の替え歌を披露。衣装もどこか“PUFFYっぽい”雰囲気だが、ネット上では賛否両論の声が飛び交っており、マスコミ関係者の間でも「90年代のオマージュは批判の的になりやすい」(スポーツ紙記者)と指摘されているようだ。
飯豊と西野が出演しているのは、マクドナルドで2月1日からスタートした「アジアンフェア」の期間限定ハンバーガー「担々ダブルビーフ」「油淋鶏チキン」「スイートチリシュリンプ」をPRするCM。「アジアの純真」とかけて「アジアのジューシー」がキャッチコピーとなっている。
「『アジアの純真』は、作詞を井上陽水、作曲を奥田民生が手掛けたPUFFYのデビュー曲。大貫亜美と吉村由美がミュージックビデオ(MV)で披露した“インパクトのあるヘアメイクにラフなファッション”という出で立ちも人気を呼び、PUFFYは一躍ファッションアイコンとなったのです。彼女たちが身につけていたブランド物のデニムやスニーカーなどに、当時のファンは強い憧れを抱いていました」(芸能ライター)
一方、マクドナルドの新CMでは、飯豊と西野がお揃いのTシャツにデニム、スニーカーを着用し、「アジアの純真」の替え歌を歌っている。
「PUFFYのビジュアルを意識して、カジュアルな服装をしているのでしょうが、正直“こなれ感”がないですし、何よりもヘアメイクが普段の彼女たちと変わらないので、そこまで寄せているとは思えない仕上がりに。同CMの放送開始直後から、ネット上には『PUFFYのオマージュかわいい』という好意的な声も出ていましたが、『PUFFYといえばこんなイメージだろう、っていうくらいの表面的な知識で作られたCM』『もっとPUFFYのこと調べてこい』『PUFFYへのリスペクトが感じられない』などと批判的な意見も続出したんです」(同)
もちろん、衣装やヘアメイク、演出などに関して、2人に裁量権はないだろう。そのため「出演者の2人が悪いわけじゃない」「制作・プロデュースの問題」といった指摘も出ているが……。
「飯豊や西野サイドにとっては、“出演CMが不評”となるのは、やはり気にしてしまう部分もあるでしょう。そもそも、90年代リバイバルに関しては、当時のカルチャーに思い入れの強い層が“昔のほうが断然よかった”などと主張し、批判するケースは少なくありません」(前出・スポーツ紙記者)
例えば、歌手・倖田來未は、2013年に発売したアルバム『Color the Cover』で90年代を中心とした名曲の数々をカバーしたが、その中の1曲である“オザケン”こと小沢健二の「ラブリー」(94年)に批判が噴出した。
「同曲のMVは、オリジナルの『ラブリー』の雰囲気とはかけ離れた、いわゆる“原宿KAWAIIカルチャー”のようにカラフルでポップな世界観となっていたんです。オザケンはそもそも“渋谷系”ですし、また、倖田自身の“エロカッコいい”路線ともマッチしておらず、MV全編通して、チグハグな印象は強かった。結果的に、オザケンファンや『ラブリー』に思い入れのある人たちからは、クレームが噴出し、ネット上で大炎上。映画監督の大根仁は『たまむすび』(TBSラジオ)で『久々の大惨事を見た』とまで語っていました」(同)
最近は、90年代を中心とした“平成カルチャー”が若者の間でブームになっているとあって、今後もマクドナルド新CMのPUFFYオマージュのような企画が随所で見られそうだが、「そのたびにネット上で『出来が悪い』などと批判を巻き起こしそう」(同)という。
逆に、90年代リバイバルを成功させ、初めて称賛を浴びるのは誰になるのか、注目していきたい。