下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
ついに来月13日からマスク着用の“個人判断”がスタートする。丸投げだから、けっこうな混乱が必至かと思う。どんな事態が起こるのか――。
第637回(2/9〜2/14発売号より)
1位「独占スクープ 神田うの 中国人経営者と『週一ビジネスホテル密会』トラブル」(「女性セブン」2月23日号)
2位「三浦瑠麗 論客ベストマザーが連夜の乱行! 腕組み しなだれ 魔性の現場撮」(「女性自身」2月28日号)
3位「美輪明宏さん 『岸田首相は無知! 同性愛の何が悪いのか?』」(「女性自身」2月28日号)
一見してどんな内容か、いまいちわからない。そんなタイトルが踊る「女性セブン」の“スクープ記事”だが、内容はかなりスキャンダラスなものだ。タイトルにはその文字はないが、神田うのの“不倫”を疑う記事なのだから。
その不倫疑惑とはこうだ。昨年夏の平日昼下がり、うのは都心のビジネスホテルからキョロキョロ周りを見回しながら姿をあらわし、タクシーに乗り、数分の距離にある実家に駆け込むように入っていったという。当時、うのはこのビジネスホテルに週1のペースで通い、1〜2時間ほど滞在することを繰り返した。
記事によると部屋にいたのは中国人実業家の半沢龍之介氏という人物だという。芸能界にも顔が広いという半沢氏と、うのはデヴィ夫人を介して知り合ったらしい。そして、このビジネスホテルに半沢氏とほんの少しの時間差で入り、出るときは日傘で顔を隠し、足早に立ち去るという念の入れようだった。
これが「セブン」が報じた、うのの“不可思議な密会”の一部始終だ。周知の通り、そもそもお嬢様育ちのうのは実業家の西村拓郎と超セレブ婚を果たし、長女をもうけている。そして半沢氏も当時は既婚者。もし、この密会が男女関係のそれなら、“不倫疑惑”ということになる。しかも、うのの夫は2020年11月に脳梗塞をわずらい闘病中、うのも夫の介護に当たっていた。そんな生活が落ち着いた矢先の出来事だったらしい。
確かに怪しい。さらに記事では、セレブ志向のうのが普通なら見向きもしないビジネスホテルに通ったこと、さらにビジネスホテルが半沢氏の会社のすぐ近くだという状況証拠を挙げるのだが、しかし「セブン」記事も少々不可思議な展開を見せる。
「セブン」記事は、これまでのうのと夫・西村氏の微妙な関係や半沢氏の素性、特に半沢氏についてかなり詳細に記している、つまり綿密に周辺取材も行っていたはずだが、密会をキャッチした昨年夏にはこれを掲載せず、半年以上もたった今、なぜこれを記事にしたのか。
しかも記事では、こうした記事で週刊誌が好む“不倫”という言葉がかなり少なく(前述したようにタイトルにもない)、極力排除されているようにも見える。そして記事後半では半沢氏に直撃し、半沢氏は男女関係ではなく仕事の打ち合わせだと否定するのだが、半沢氏直撃の次に登場するうの側の人物の存在がちょっと妙なのだ。
というのも、記事ではうの立場に立つ“うのの事務所関係者”という人物が登場、うのと半沢氏の男女関係を否定しただけでなく、半沢氏からギャラの未払いがあったと告発をしている。しかしこのコメント、なぜ“事務所関係者”という匿名扱いなのか? 事務所に正式に取材したのなら“事務所担当者”と記載されるのが普通だが、なぜか今回は“関係者”とあやふやな匿名扱い。しかも、うのは20年にそれまで所属していた事務所から独立し、個人事務所を設立している。そうなると、この“関係者”って――。
不倫を取材していたはずなのに、当事者たちに仕事に絡む金銭トラブルが発生、うのサイドの言い分に配慮した末の時間差記事なのか――。
今週はもうひとつ目を引く不倫(?)報道が。夫の詐欺容疑が浮上した国際政治学者でテレビコメンテーターの三浦瑠麗。その後はテレビ出演などを休止し、表舞台から姿を消しているが、そんな騒動の渦中にあって、連夜、男性と飲み歩いているというのだ。すわっ! 複数との不倫? しかも1位の「女性セブン」記事とは対照的に、今回の「女性自身」タイトルは「腕組み」「しなだれ」「魔性」「イケメン」など、かなりセンセーショナルだ。あの三浦にどんな乱れたスキャンダルが!
ということで、記事には2日にわたる三浦の“夜の行動”が描かれていた。1日目、カジュアル飲食店で男性と内密な会話を2時間続け、場所を移して2軒ハシゴ。2人は移動の際、腕を組み、三浦は男性に甘えるような話し方。が、その後、数人の男性が合流し、三浦は午前1時ころ帰路に。そして翌日、別のイケメン男性と5つ星ホテルのバーへ。数時間後、店を出た2人は腕を組み密着、移動のタクシーでも三浦はイケメンにしなだれかかり、あわやキス!? という距離だったという。しかしタクシーは三浦の自宅に到着し、一人タクシーを降りたという。
以上、ちょっと拍子抜けだ。単に知り合いの男性と飲んでいただけ。飲んでベタベタはしていたようだが、男女関係を疑う要素はない。個人的に三浦の言動、スタンスは大嫌いだが、しかし、逆境にあって豪胆に飲む三浦の様子は嫌いではなかった。そして今回もがっかりしたのは「自身」の表現だ。三浦が連日飲み歩いていたことをこう批判しているから。
「しかし三浦といえば、小学生の娘の母でもある」
「そんな三浦の様子や行動を夫は気にかけないのだろうか」
「(21年に選出の)ベストマザーと呼ばれたからには、家族の危機の最中には子供によりそう姿を見せてもらいたい」
夫が不祥事を起こしたら妻は飲んではいけない? 子どもがいては、母親は飲んではいけない? 古い価値観、いや女性蔑視か。いずれにしても、大きなお世話だと思う。
同性婚をめぐる差別発言で更迭された荒井勝喜・元首相秘書官。だが、この発言の発端には岸田文雄首相の「同性婚を認めれば社会が変わってしまうかもしれない」との差別発言があったことを忘れてはならない。
そんな中、美輪明宏が「女性自身」誌上で岸田首相を叱り飛ばした。
「男が男を、女が女を愛し合っても、人間同士が愛し合うことに変わりはない。同性愛者だからといって人が人を愛したことの何が悪いのか。何1つ盗んだわけでもなく、殺したわけでもない」
「“隣に住んでいるのも嫌だ”という発言にしても、あなたの隣にいる人だって、じつはあなたのことを嫌だと思っているかもしれない。“時代遅れで、知識のない人間”そう思われていることに」
さすが! 痛快!