もうすぐ4月とはいえ、まだまだ寒い日もあるので、温かいお風呂にゆっくり入ると、心身ともにリラックスできますよね。しかし、入浴方法にはポイントがあり、間違った入り方をすると体調不良や乾燥肌の悪化を招くこともあるのです。そこで、今回は寒い時期のお風呂の入り方のポイントと、乾燥肌を防ぐ方法についてご紹介します。
1. 寒い日に入浴するときの注意点
冷えた体を早く温めたいときや、すぐにお風呂に浸かりたいときってありますよね。しかし、寒い日の入浴にはいくつかの注意が必要です。寒いからといって急に熱いお湯に入ると血圧が乱高下してヒートショックなどが起こることもあります。入浴方法について、基本の注意点を確認しましょう。
1‐1. 脱衣所や浴室を温めておく
急激な温度差のある場所へ行くと、心臓などに大きな負担がかかります。特に、体が冷えた状態で熱いお湯に触れると、血圧の変動も大きくなるのです。
なるべく温度差をなくすために、脱衣所や浴室を前もって温めておくことをおすすめします。入浴前に湯を張った浴槽のふたを開けておいたり、あらかじめ高いところからシャワーで温水を短時間流したりして、蒸気を出すように工夫するといいでしょう。
1‐2. お湯の温度と入浴時間
お風呂の温度は40℃以下が目安です。42℃以上の熱いお湯だと、交感神経が優位になります。すると、体が興奮状態になったり、皮膚を保護している成分が流れ出たりしてしまうのです。
そのため、お風呂に浸かるときは38〜40℃のぬるめのお湯がおすすめ。副交感神経を働かせることでリラックスできます。入浴時間は10〜15分くらいがちょうどいいでしょう。
1‐3. 半身浴から全身浴へ
入浴時の水圧や温度の変化による負担を軽減するために、まずは足にぬるま湯をかけて温めた後、半身浴→全身浴という順番でゆっくり入浴しましょう。首までしっかり浸かり、血行をよくすると体が温まります。
お風呂から上がるときも、ゆっくりと浴槽から出ることが大切です。
乾燥肌が気になる方は、お風呂に入らずにシャワーだけのほうがいいと思うかもしれません。しかし、お湯に浸かることはリラックス作用や温熱作用、水圧によってリンパの巡りがよくなる水圧作用、浮力によって筋肉がほぐれる作用など、メリットがたくさんあります。
そのため、入浴の際の乾燥予防ポイントを押さえつつ、できるだけ浴槽に浸かる習慣をつけるのがおすすめです。
2‐1. 乾燥肌向けボディソープを使う
ボディソープにもたくさんの種類があり、乾燥肌向けにセラミドやコラーゲンなどの保湿成分が配合されているものも販売されています。肌の乾燥が気になる方は、刺激が少ないものや保湿成分が含まれているものを使いましょう。
2‐2. 擦らず泡で優しく洗う
顔や体を洗うときは、擦らずに優しく泡で洗うように心がけてください。ナイロンタオルでゴシゴシ擦ると、皮脂が取れすぎたり、肌への刺激によって乾燥したりすることがあります。
顔や体は、基本的に手で丁寧に洗うのがおすすめ。背中など、手が届かないところは絹や木綿などの柔らかいタオルで擦らず洗いましょう。
2‐3. 入浴後すぐにボディクリームを塗る
入浴後の肌は皮脂が少なく、肌の水分が蒸発しやすい状態です。入浴後はなるべく早めにボディクリームなどの保湿剤を塗りましょう。顔だけでなく、全身に素早く塗るのがポイントです。
3. 乾燥・冷えが気になるときは漢方もおすすめ
肌の乾燥や体の冷えは女性にとっては大きな悩み。寒いと血管が収縮し、結果として血液の流れが滞って、すみずみまで栄養が行き渡らなくなります。その結果、冷えや乾燥などが起こりやすくなるのです。
肌の乾燥や冷えの改善には、
・血流をよくして、熱を巡らせたり、肌に栄養を届けて肌の代謝をよくしたりする
・胃腸の働きをよくして、熱や肌に必要な栄養を作りだす
・代謝を上げて、熱を作る機能を回復する
などの働きをもつ生薬を含む漢方薬を選びます。
何種類もの生薬を組み合わせて作られている漢方薬は、心と体全体を体質から改善することを得意としています。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
痩せていて、血色の悪い方に向いています。滋養強壮や血行促進の働きがある生薬を配合。「気(エネルギー)」と「血(栄養)」を補うことで消化器機能を高めて、冷えを改善し皮膚に潤いを与えてくれます。
・四物湯(しもつとう)
体力が低下していて、冷え性、肌がカサカサしている方に向いています。「血(栄養)」を補うことで血流を改善し、乾燥肌のトラブルや冷え性に効果的。
・当帰飲子(とうきいんし)
体力があまりなく、冷え性の方に向いています。「血(栄養)」を補う四物湯に、肌のかゆみや「気」を補う生薬も配合。乾燥肌のほか、湿疹、皮膚炎、かゆみなどにも使われます。
美しい肌や髪を維持するためには、気・血・水がバランスよく巡ることが大切です。寒さや北風で体が冷えると、皮膚呼吸や代謝も低下して、肌トラブルが起こりやすくなります。
漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることも。しかし、たくさんの漢方薬から、ご自分にあった漢方薬を見つけるのは大変ですよね。
そんなときは、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAIが、あなたに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。
4. 入浴上手で肌も気持ちも改善
適度な入浴で体が芯から温まると、血液の巡りがよくなったり、睡眠が改善されたりします。十分な睡眠を取ることは肌ダメージの回復など、美肌にもよい効果があります。入浴は疲労回復やリラックスにもつながるため、毎日の入浴タイムを上手に活用して心も体もきれいになりましょう。
薬剤師・相田 彩(あいだ あや)
昭和薬科大学薬学科卒業。総合リハビリテーション病院・精神科専門病院・調剤薬局の現場で漢方薬が使用される症例を多く経験。医薬品での治療だけではなく、体質や症状に適した漢方薬を活用し根本改善を目指すことの重要性を実感する。現在は、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でサポートを行っている。