4月14日にアニメ映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が公開され、全国週末興行成績を集計した映画ランキング(興行通信社調べ)で初登場1位を獲得。さらに、初日から3日間で観客動員217万人、興行収入31億円を突破したことも伝えられ「この初動は歴代シリーズトップの勢いで、業界内外に衝撃が広がっている」(映画誌ライター)ようだ。
漫画家・青山剛昌氏が「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中の人気作『名探偵コナン』。高校生探偵・工藤新一が、“黒の組織”の人物に毒薬(APTX4869)を飲まされて小学生の体となり、以降は「江戸川コナン」と名乗ってさまざまな事件を解決しながら、“黒の組織”を追う――という内容だ。1997年に初の劇場版アニメ『時計じかけの摩天楼』が公開され、最新の『黒鉄の魚影』が26作目となる。
「過去作の最終興収を振り返ると、歴代最高は昨年4月に公開された前作『ハロウィンの花嫁』の97億円。ただ、驚異的なロケットスタートを切った『黒鉄の魚影』は、あっという間にシリーズ初の100億円を突破しそうですし、150億円も射程範囲内でしょう。ちなみに今作の初動は、『ハロウィンの花嫁』初日3日間の対比で164%。この勢いで『とんでもない大記録が生まれそうだ』と業界内でも期待されています」(同)
なお、『黒鉄の魚影』のキーパーソンは人気キャラクターの灰原哀で、公開前からファンの間で大きな話題になっていたが、「それでも、これほどまでのロケットスタートを切るとは驚き」(同)だという。
「近年、『名探偵コナン』の劇場版シリーズが“爆発的ヒット”となることは珍しくないですが、この盛り上がりは当初からではありませんでした」(同)
例えば、1作目の『時計じかけの摩天楼』は11億円、2作目の『14番目の標的』(98年)は18.5億円で、その後、15年までは20~40億円台を推移。16年の『純黒の悪夢』でシリーズ初の60億円を突破した。
「そして、18年4月公開『ゼロの執行人』から、現在の“爆当たり”状態が安定してきたように感じます。同作のキーパーソンは公安警察の頂点・警察庁警備局警備企画課(ゼロ)に所属する安室透(本名は降谷零)。彼は女性を中心に絶大な支持を得ているキャラクターで、最終興収91.8億円を叩き出しました。前年の『から紅の恋歌』が68.9億円でしたから、安室人気の凄まじさを感じます。ちなみに安室は、『純黒の悪夢』にもメインで登場していました」(同)
『ゼロの執行人』で、劇場版シリーズに対する世間の期待値も一気に上がったのか、19年4月公開の『紺青の拳』はさらに数字を伸ばし、93.7億円。その翌年に公開予定だった『緋色の弾丸』は新型コロナウイルス感染拡大の影響により21年4月まで公開が延期され、まだコロナ禍だったこともあってか最終興収76.5億円に留まったが、それでも「十分な盛り上がりを見せた」(同)そうだ。
「現在、封切られたばかりの『黒鉄の魚影』は、鑑賞済みのネットユーザーの間で『めちゃくちゃ面白かった』『見てよかった!』などとかなり評判がよいので、さらに客足が伸びそうです。ゴールデンウィークも近づいてきていますし、100億円突破は確実でしょう」(同)
同時期に公開される映画にとっては“強敵”となる『黒鉄の魚影』だが、その勢いには期待せざるを得ない。