――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。
前回、エルメスの「トゥアレグバングル」が売れて、千葉N子のジュエリー特売会は終わったと思っていたんだけど……ついこの間、「モアサイト」がメルカリで売れたので、その備忘録を書こうと思います。
ところで、皆さん、モアサナイトって知っていますか? モアサナイトとは、宇宙から降ってきた隕石から発見された鉱物。1893年、アメリカのアリゾナ州でフランスの化学者アンリ・モアッサン氏によって発見されました。
そう、この子は、地球上で天然に産出されることはごくまれで、隕石の中から出てくる珍しい子なのです。非常に硬度が高く、ダイヤのような美しさから、宝石としての価値を見出され、チャールズ&コルバード社によって人工的に生産されるようになったのだとか。今では、ダイヤモンドを上回る輝きといわれており、アメリカをはじめ、世界中でジワジワと人気が出ている石です。
私もその昔、「ダイヤよりもきれいですって!? パッと見ではダイヤと変わらないですって~~~~~!? それなのにお値段は10分の1以下! これは買うっきゃない!!」そう思い立ち、モアサナイトのルース10カラット(でかければでかいほうがいいと思ったのよね)を10万円で購入したのです。ところが……。
この石を愛してやまないジュエリーブランド・アベリに持って行って加工してもらおうとしたら、「アベリでは取り扱いがない石なので、承れません」なーんて言われちゃって、仕方なく懇意にしている宝石店に連絡したら、加工賃27万円と言われてしまったのよ!
アベリさんで作ってもらえないならなんの意味もない……。私はべこべこに凹み、その後、モアサナイトのルースを宝石箱の奥深くにしまい込んだってわけ。
それから数年。メルカリに初めは5万円で出品したものの、全然売れなかったので3万5,980円まで徐々に値下げしていったのよ。それでも売れなかったので、「しょうがない、リングにでもするか」と思っていました。
そんなある日のことです。不意に「この石はまだありますか」とのコメントが届きました。「ありますよ」と返信すると、その人はすぐに決済してくれたんです。「値下げして」と言ってこない取引なんて久しぶり……。まあ、売れたのはいいことだと思って梱包し、さっさと発送してから数時間後、ほかの商品にこんな問い合わせのコメントが入りました。
「あの10カラットのモアサナイトが欲しいです」
「販売価格よりも高くなってもかまいません!! どうしても欲しいんです!!」
そ、そんなこと言われたって、もう売っちゃいましたよ……。対応に困りつつ、すでに商品を購入者の元へ発送した旨を伝えると、以下のように返事が届きました。
「発送前ならなんとかしてもらえるかなと思っていたのですが……すみません。またモアサナイトを出すことになったらよろしくお願いします」
くうう~~~、もう少し早くこの人がモアサナイトにコメントしていれば、もしかしたら購入してくれた人と競り合いになり、値段を吊り上げても高く売れていたかもしれない……! その昔、あたしゃアメリカの人気テレビドラマシリーズ『ミステリーゾーン』のDVD全巻をめぐり、競りをして通常よりも4万円も高く買ったことがあるのよ……。
それにしても、数年間見向きもされなかったモアサナイトが、なぜこんな大人気になったのかしら……? 売れたのはうれしい一方、不思議でならないわ?
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