• 日. 12月 22nd, 2024

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明日あなたが被害にあうかもしれない

キンプリ、ジャニー氏への「デビュー直談判」を美談にする女性週刊誌――性加害問題無視の恐怖

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 ついに故・ジャニー喜多川氏の性加害問題で、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪動画を公開した。が、誠実な対応とはかけ離れたものだった。ジュリー景子社長は性加害を知らなかったって? ありえない。そして女性週刊誌は今週も――。

第650回(5/11〜5/16発売号より)
1位「『最後の5人旅』 キンプリ平野紫耀 夜空に舞った5色の涙全詳報」
「神宮寺勇太が語り平野紫耀が頷いた『キンプリ10周年』構想」(「女性セブン」5月25日号)
同「平野紫耀 愛憎11年! 永瀬廉に託した『絆の十字架』」(「女性自身」5月30日号)
同「平野紫耀 全員退所計画頓挫で幼なじみとの決裂」(「週刊女性」5月30日号)
2位「中村玉緒 長女の裏切り『蘇る勝プロの悪夢』」(「女性自身」5月30日号)
3位「上路雪江さん 同業夫の胸中直撃『離婚はしません』」(「週刊女性」5月30日号)

 5月14日夜、ジャニーズ事務所の性加害問題で藤島ジュリー景子社長が謝罪動画を公開し、マスコミも対応に走り回った。これまで一緒に性加害問題を隠蔽してきたが、もう無理だから。新聞に続き、テレビもこれを報じる事態となったが、やはり“いまさら感”と“しぶしぶ感”が丸見えの報道だった。各社、単に報じただけで深掘りをする気配はいまだない。

 またジャニーズタレントをCMなどで起用する企業も「遺憾」とか「世間の反応をみながら対応を決める」などとコメントしているが、クライアントだって知ってたでしょ。こちらも共犯だ。

 そんな中、恐怖を感じるのは女性週刊誌だ。これまでもジャニー喜多川氏の性加害、性暴力、レイプ問題を一向に報じず、「女性セブン」では告発者の元ジャニーズJr.カウアン・オカモト氏のバッシングまでする始末。そして「セブン」「女性自身」「週刊女性」3誌がそろって先週に続き、5月22日に分裂するKing & Princeを大特集している。もちろんそろって退所する平野紫耀をチクチクいじめ、最後は5人の絆とやらを強調し、美談に持っていくという先週と同じ展開だ。

 まずは「セブン」。キンプリの冠番組『King & Princeる。』(日本テレビ系)最終回のロケで新潟に行き、メンバーのイメージカラーの花火を上げたらしい。そのロケ旅を“最後の5人旅”と命名し、永瀬廉が高橋海人と神宮寺勇太を連れラーメン屋に行ったことなど、“絆”エピソードが紹介される。一方、脱退組へもこうチクリ。

「特に今年はデビュー5周年の大きな節目で、全員が揃っていればドームツアーを行っていた可能性もあったといわれています」(芸能関係者のコメント)

 こんなタイミングで退所しやがって、ということだろう。

 「自身」も『King & Princeる。』の最終回を話のとっかかりに、平野と永瀬のライバル関係に焦点を当て、今ではお互いをリスペクトしていると締めくくる。そして「週女」も同じく平野と永瀬の“幼なじみ”と“一時決裂”のエピソードを紹介している。

 というわけで内容は特筆すべきものはないが、しかし怖い。3誌とも共通して今回も“あのエピソード”が“素敵な物語”として取り上げられているから。そう、キンプリを語る上で必ず出てくる “ジャニー喜多川氏へのデビュー直談判エピソード”だ。そして“ジャニーさん”という言葉も当然のように、記事中にいくつも出てくる。

「平野さんがジャニーさんに『6人でデビューしたい』と直談判したというのは有名な話です」
「“世界に通用するアイドルを育てたい”というジャニーさんの夢を、平野さんはよく理解していました」(「セブン」)
「平野さん主導のもと、『デビューしたい』とジャニー喜多川さん(享年87)に直談判したことが決め手となりました」(「自身」)
「(平野が)神宮寺さんに“ジャニー喜多川社長へのデビュー直談判”の計画を打ち明けたのです」
「17年9月にジャニーさんのもとへ“6人でのデビュー”を頼みに行きました」
「ジャニーさんがデビュー曲をメンバーに選ばせるなど“自分の頭で考えて決める”という教育を特に強くしてきたグループではないでしょうか」
「ただ、デビュー後1年ほどでジャニーさんが亡くなってしまいました」(週女)

 このタイミングで“ジャニーさん”とフツーに書かれていること自体怖い。ジャニー氏の性加害問題が社会的問題として大きく取り上げられつつある中、この書き方はなんだろう。恩人か? 美談か? 恐怖としか言いようがない。

中村玉緒の記事と広告のギャップ

 中村玉緒の動向がしばしば報じられている。深夜の徘徊、83歳の高齢一人暮らしなど心配な状況に置かれているらしい。さらに玉緒との確執が伝えられる長女のAさんは、玉緒に無断で勝手に父・勝新太郎の名前を冠した「株式会社勝プロダクション」を設立していた(2021年春)という。ということで「女性自身」がAさんを直撃! 

「――玉緒さんはお元気なのでしょうか?
『生きてます!』」

 だって。そして「自身」の裏表紙を見て驚いた。そこには、玉緒のにこやかな笑顔写真があるではないか! 玉緒が出演する頭皮美容液「ふわ姫」の広告だった。びっくりした。これってありなの? 「自身」さん、光文社さん。

W不倫疑惑のレポーター上路雪江に関する不思議な記事

 写真週刊誌「FLASH」(光文社)がスクープした『ゴゴスマ』(TBS系)などでレポーターをつとめる上路雪江のW不倫疑惑。その後追い記事が「週刊女性」に掲載されているのだが、なんとも変なのだ。

 「週女」はどうも上路の夫(元「IBC岩手放送」社員で現在は番組制作などを手がける会社社長)が気になって仕方がないらしい。不倫で傷つくのはパートナーだとばかりに、自宅前で張り込んだ。が、出て来たのは上路。普通なら当事者を取材できる絶好のチャンス。方針をかえて夫ではなく上路を直撃する、はず――と思いきや、しかし「週女」記者は上路をスルー。さらに1時間も待って家から出て来た夫を直撃している。なぜ? 不思議。

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