今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
銀座のロレックス強盗事件で逮捕された4人は全員20歳未満
連休明けの5月8日に起こった銀座の強盗事件、後追い記事がけっこう出てますね。夕方の銀座で仮面をつけた犯人たちが高級腕時計店のショーケースを割ってロレックスを強奪、クルマで逃走するところまで通りすがりの人たちに撮影されて、ネットで出回ってるんですから、驚きましたね。しかも逮捕された4人はみんなハタチ未満。高校生もいましたから、「闇バイト」の可能性を含めて「指示役」の存在が指摘されていました。
でも、逮捕された4人はお互いを「知らない」と言っているのに住所は同じ横浜市内なので、おかしいなと思ってましたら、やっぱり知り合い説が出てきました。「週刊新潮」(新潮社)によると、「元・暴走族」の先輩的な人がいるようです。
稚拙さばかりが目立つ事件
今までのいわゆる闇バイト系の事件も、高齢の女性に執拗に暴力を振るうとか、いかにもプロっぽくない感じでしたが、銀座の事件も稚拙さばかりが目立ちましたね。
ハッカー集団「アノニマス」のトレードマーク「ガイ・フォークス・マスク」や、YouTuberのラファエルさんがつけてるような白いマスク姿はシュールとしかいえませんでしたが、アメリカならソッコー射殺案件でしょう。
すでに報道でいろんな方が指摘されてることですが、クルマで逃走中に赤信号で止まるのもあり得ないですし、盗品は独自のルートがないと売れないし、そもそもソッチ系の業者からは買い叩かれますし、謎が多すぎ。しかし、「若い子の思いつき」と言われれば納得です。
今回は死傷者が出なくてよかったですが、逮捕された子たちはこれから大変ですよ。少年法の改正により、18歳・19歳が厳罰化されていますし、執行猶予はつかないで刑務所行きの可能性もあります。もちろん奪ったモノやお金が回収されても、窃盗罪や強盗罪はそのままです。
18歳から19歳の犯罪は、少年法改正で「20歳以上」と同じ扱いになる可能性が高くなってますから、普通の刑法の強盗(第236条)が適用されます。「5年以上の有期刑」、有期刑の最高刑は20年までなので「5年から20年」ということです。
まあ初犯ですし、さすがに20年てことはないでしょうけど、問題はその後です。出所後の仕事はまずないし、今回犯罪を指示したらしい「コワイ先輩」との縁が切れなければ、また犯罪に手を染めるかもしれません。
4人のうち16歳の容疑者は少年院か保護観察処分で、親御さんが損害賠償責任を問われる可能性もありますが、盗まれたものはほとんど戻ってきてるみたいなので、これは大丈夫かも。
「強盗」は超・割に合わない
任俠(=弱きを助ける)を自称するヤクザも強盗(タタキ)をやらないわけではないのですが、罪が重くて「間尺に合わん(=割に合わない)仕事」といわれています。
例えば、「組織のために」「親分のために」とか、「本当はイヤだけどやらなくちゃ的な殺人」とかは、昔なら褒賞的な組織内の昇進とかがありましたが、今はそういうのもないですしね。
毎度同じ結論で申し訳ないですが、今回の事件や闇バイトなど「ヤクザ以外の勢力の事件」が起こっているのは、ヤクザの存在感が弱まっているからです。「暴力団」を排除すれば、「ヤクザ以外の悪い人」が出てくるのは当たり前で、現場の警察官はちゃんとわかってます。わかってないのは「暴力団員」と話したことすらないエリートの警察官僚ですね。
排除したところで、今みたいに半グレはどんどん出てくるし、事務所を取り上げたら捜査がしにくくなるしで、いいことはないんじゃないかなと思います。相次ぐヤクザ事務所の閉鎖で捜査が難しくなっている問題も気になっているので、また書かせてくださいね。