6月16日に公開が予定されていた、市川猿之助の出演映画『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』の公開延期が決定した。同作はもともと、2014年~22年までに4シーズンの連続ドラマと、スペシャルドラマ2本が放送された天海祐希主演の刑事モノで、劇場版はシリーズの集大成となるが、作品は公開延期では済まずに「お蔵入りの危機もある」(スポーツ紙記者)と、業界内で心配されているようだ。
同シリーズは、警視庁の緊急事案対応取調班(通称・キントリ)に所属する真壁有希子(天海)を主人公とした物語。劇場版では史上最強の敵・内閣総理大臣の長内洋次郎役(猿之助)を相手に、前代未聞の緊迫した取り調べを繰り広げるという。ドラマ版にも出演していた田中哲司、小日向文世、でんでん、比嘉愛未、野間口徹らもキャスティングされている。
「猿之助は先月18日、『女性セブン』(小学館)に役者や弟子、スタッフに対する“ハラスメント疑惑”が報じられました。その同日、都内の自宅で両親とともに倒れているところをマネジャーに発見され、緊急搬送。両親は死亡が確認され、一方の猿之助は比較的すぐに回復し、数日後には捜査関係者に『(家族で)死んで生まれ変わろうと話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ』などと話していることなども伝えられたんです」(芸能ライター)
その後、一部報道で、猿之助には両親への自殺ほう助の疑いがあるとして逮捕される見込み……といった報道が出るように。6月1日には、『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』の配給元である東宝が、公開の延期を発表した。
「しかし、実際に逮捕となると、公開延期では済まず、中止を余儀なくされそうです。本来なら公開まであと2週間ほどということで、撮影はもちろん編集も終わっている状況だけに、東宝内は現在、大混乱に陥っていることでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
なお、同映画は300館の大規模上映が予定されており、公開中止となれば負債は億単位に及ぶという。
「当然、猿之助への損害賠償請求もあり得ますが、個人で支払える額を超えていることから、所属事務所が負担するのではとも言われています」(同)
さまざまな意味で猿之助の今後に注目が集まっているが、業界内では天海に対する同情の声も寄せられているそう。
「実は、天海は以前にも主演作のお蔵入りを経験しています。06年に主演した連ドラ『トップキャスター』(フジテレビ系)第3話が“占い師の詐欺行為をスクープする”という内容だったのですが、実在の占い師・細木数子さん(21年に死去)に酷似していたため、本人がフジに抗議。そのため、ドラマがDVD化されても第3話は“永久欠番”として収録されず、再放送時も第3話はカットされています」(同)
『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』も公開中止が決まれば、天海にとっては人生2度目のお蔵入り作品となる。『トップキャスター』第3話に関しては一度テレビ放送されているが、『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』は猿之助の役どころ的に出演シーンをカット、もしくは代役を立てて撮り直すといった対応も難しそう。どちらの作品も天海が何かやらかしたわけではないだけに、気の毒というほかないだろう。