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【薬剤師監修】「かかと」のひび割れはどうやって治す? 正しいかかとケア3ステップと注意点

 「かかとのひび割れがひどい」「対処法がわからない」そんな悩みを抱えていませんか? 暑くなるにつれ、サンダルなどを履く機会も増えますが、かかとがひび割れていると恥ずかしさを感じるときもありますよね。放っておくと、悪化して皮がむけてしまい、痛みが出ることも。

 かかとのケアは意外と難しいものですが、今回は、かかとのひび割れが起こる原因と、その対処法を薬剤師の中山歩実さんに紹介してもらいました。

1. かかとのひび割れがひどくなる原因

 まずは、かかとのひび割れが生じる原因や、悪化につながる習慣について解説します。

1‐1. 乾燥・ターンオーバーの衰え

 足の裏は、皮脂の分泌がなく、水分の蒸発を防ぐ「皮脂膜」をつくれないため、ほかの部位の皮膚と比べて乾燥しやすいといえます。角質層が乾燥すると硬くなりやすく、そこに体重が加わることでひび割れが起きてしまうのです。

 また、かかとの皮膚はほかの部位と比べてターンオーバーが遅いのです。顔の皮膚などは約1カ月といわれていますが、かかとは数カ月かかります。ターンオーバーが衰えてさらに長くかかるようになると、かかとの乾燥や肥厚化(皮膚が厚くなること)が進み、ひび割れにつながってしまいます。

1‐2. 摩擦や刺激

 かかとに摩擦や刺激が慢性的に加わることも、かかとの肥厚化・ひび割れが進む原因の一つ。例えば、ヒールの高い靴や健康サンダルなどは刺激になりますし、サイズの合っていない靴も、摩擦や圧迫がかかとのひび割れにつながります。足に負担の少ない、サイズや幅がフィットした靴を選ぶことが大切です。

2. かかとのひび割れケアの基本3ステップ

 かかとのひび割れケアの3ステップをご紹介します。

2‐1. 入浴で角質を柔らかくする

 まずは、入浴で角質を柔らかくします。入浴しながら足の裏を軽くマッサージをすると血行が促されるので、より効果的。ある程度、かかとの角質が柔らかくなるまで、ゆっくりと入浴してください。

2‐2. 念入りに保湿をする

 かかとは乾燥しやすい部位なので、日々の保湿が大切です。入浴後にしっかりと保湿をしましょう。

 おすすめの成分は「尿素」です。尿素は、角質の水分量を直接的に増やす「モイスチャライザー」と呼ばれる種類の保湿剤であるだけでなく、角質を柔らかくして除去する作用もあります。かかとのケアに適した保湿剤といえるでしょう。

2‐3. 靴下を履く

 かかとの保湿をした後は、靴下を履くとより効果的です。塗った保湿剤が剥がれないようにするほか、靴下を履くこと自体が乾燥予防にもなります。また、冷えによる血行不良が起こると、ターンオーバーの乱れにつながることもあるため、足元を温めるのは大切です。入浴後は、保湿をして靴下を履きましょう。

 よかれと思って行っているかかとケアが、実は逆効果ということも。かかとケアの注意点をご紹介します。

3‐1. 角質を削りすぎない

 かかとのひび割れが気になるからといって、毎日角質を削るのはやりすぎです。皮膚を傷つけてしまい、かえって角質が厚くなるという悪循環に陥るかもしれません。角質を削るのは、週に1〜2回程度にしましょう。

3‐2. ピーリングケアの刺激に注意

 ピーリングケアも、頻度やケア用品の使用方法に注意が必要です。ピーリングというのは、「酸」の力を使ったケア方法。ケア用品を使えば簡単に角質を除去することができますが、使い方を間違えると肌を傷めてしまうことも。日本には、ピーリングケアに使われるα-ヒドロキシ酸(AHA)という成分の濃度に規制がないため、濃度が濃く、刺激が強い製品もあります。

 もともと敏感肌の方や、指定された時間よりも長くピーリング液につけた場合は、刺激で皮膚を傷つけてしまう可能性も。まずは短い時間から、ご自身の肌に合うかどうかを確かめてみてください。やすりを用いた角質除去と併用する場合には、使用頻度を減らすことも検討しましょう。

4. 乾燥からくるひび割れには漢方もおすすめ

 かかとのひび割れの改善には、漢方薬を取り入れることもおすすめ。潤い不足による乾燥や血行不良といった原因でかかとのひび割れが生じている場合には、血流や水分の巡りをよくすることを得意としている漢方薬が適する場合もあります。

かかとのひび割れの対策には、
・かかとの角質層の水分不足を補い、乾燥を改善する
・血行をよくして肌に栄養を届け、肌の代謝をよくする
・肌の乾燥で生じる炎症を改善する
といった働きを持つ漢方薬を選びます。

 漢方薬はかかとのひび割れの根本改善を目指すため、潤いのあるすべすべなかかとを手に入れることに期待ができるでしょう。

<乾燥・ひび割れなどにおすすめの漢方>

・温清飲(うんせいいん)
 血行を促進して、乾燥した皮膚に栄養と潤いを与える漢方薬。皮膚の色つやが悪く、のぼせる方に用いられます。

・紫雲膏(しうんこう)
 紫雲膏は、漢方薬では珍しい軟膏タイプの薬。保湿作用のほか、血管を広げて血行を促進していく作用、鎮痛作用などもあり、ひび割れ、あかぎれ、しもやけのある方に用いられます。

 漢方薬を選ぶ際には、今の自分の状態や体質に合ったものを選ぶことが大切。合わない漢方薬を選んでしまうと、十分な効果を得ることができません。

 とはいえ、漢方薬はたくさんの種類があるので、ご自身で適したものを選ぶのは難しいでしょう。適したものを見極めるために、漢方薬に精通した医師・薬剤師の力を借りてみるのもおすすめです。スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスを活用すると、AIを駆使してあなたに合った漢方薬を提案してくれます。

あんしん漢方

5. 正しいケアでツルツルかかとを手に入れよう

 今回は、かかとのひび割れが生じる原因を解説するとともに、正しい対処法をご紹介しました。かかとのひび割れを起こさないためには、保湿をしっかり行い、足裏への刺激を減らすことが大切です。ひび割れが悪化して痛みが出てしまう前に、正しいケアを行ってきれいなかかとを手に入れましょう。

薬剤師・中山歩実
長期療養型病院での在勤中、中々改善しない症状に対し、体の根本からの改善を目指し漢方を使った治療を担当。様々な病気の段階の方と接する中で、正しい医療情報を得ることの難しさを痛感し、ライター活動を開始。幅広い疾患や薬、漢方薬についての情報発信を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

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