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石田純一、占い番組での「女運はどうですか?」発言に考える「彼が人に優しい」理由

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「女運はどうですか?」石田純一
『突然ですが占ってもいいですか?』(7月3日、フジテレビ系)

 最近、千葉県船橋市に焼肉店「ジュンチャン」をオープンさせた俳優・石田純一。ニュースサイト「FRIDAYデジタル」5月20日配信記事によると、純一の息子である俳優・いしだ壱成と同誌の記者が焼肉店で落ち合う約束をしていたが、壱成は純一に取材の話をしておらず、店の予約もしていなかったそうだ。オープン当初で店内はごった返していたものの、純一は「本当に時間がないので少しだけですけど…」と言いつつも、笑顔で取材に応じていた。

 石田といえば、ワイドショーや週刊誌の取材を「断らない人」として有名で、物腰もソフトなことから、レポーターや記者からのウケが非常にいいと聞いたことがある。その優しさは、一体どこから来るのだろう。

 石田の妻・東尾理子はかつて『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)で、夫の影響から、 「叱らない子育て」を心掛けるようになったと話していた。石田はとても優しく、めったに怒らない性格だというが、それは親に叱られて育っていないからとのこと。東尾はそんな夫を見て、 子どもを怒ってばかりいると、子どもも他人に対して怒りやすくなる、だから叱らないようにしようという考えに至ったそうだ。

 確かに石田は、あまり人から怒られたことがないからか、自己肯定感が高そうで、 それが他人に優しくできる理由なのかな と見ていた。しかし、7月3日放送の『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)を見て、別の理由があるのかもしれないと思った。

 同番組に、壱成と共に出演した石田は、占い師から「話すことが大好きで、発言で損をするタイプ」「性が強い、絶倫」と指摘されていた。それは占いというより「Yahoo!ニュース」を見ていればわかることのような気もするが、まぁ、それはおいておこう。

 一方、壱成の占いは内容が重い。占い師から「寂しがり屋の甘えん坊」と指摘されており(まぁ、それはたいていの人にあてはまると思うが)、壱成はその理由に、「親の離婚」を挙げた。母親に育てられていた壱成だが、1人ぼっちで過ごす夜が多く、そのことに恐怖を感じていたという。いじめにも遭っていて、神田川に突き落とされたことが何度もあったそうだ。

 また、お父さんを求めていた壱成は、母親の同棲相手のことを「お父さん」と呼んだところ、「はっきり言っておくけど、お父さんじゃないからね」と言われ、「死にたくなりました」と大きなショックを受けたことを明かしている。

 幼少期、お父さんに甘えられず、家庭が彼の心を受け止める安全基地として機能していなかったように思える壱成。現在もなお、彼の対人関係や異性関係に不安定さが見られるのは、こうした生育環境が影響しているのではないか  。一方の石田はというと、「責任を感じています」「面と向かっては言ってはいないけど、本当にまぁ、悪かったなっていう……」と、壱成に謝罪していたのだった。

 ちなみに、石田がテレビ番組で家族に謝るのは今回が初めてではない。2015年に、『気まずい2人が久しぶりに会ってみました』(フジテレビ系)で、昨年亡くなった元妻の女優・松原千明さんと共演し、謝罪をしている。

 石田は、松原さんとの間にもうけた娘・すみれが小学校受験の最中に、モデル・長谷川理恵と不倫をしており、ワイドショーや週刊誌をにぎわせていた。その際に、石田が「不倫は文化」と発言したことも大きな話題に。小学校の面接官の耳にも、その“迷言”は届いていたようで、親の面接時に「『不倫は文化』とは何ですか?」と質問された石田は笑うしかなく、結果は不合格だったという。不倫と不合格に関係があるかどうかはわからないが、愛娘の受験の足を引っ張ることは極力排したいと思うのが、一般的な親心だけに、石田の当時の言動は、やはり理解しがたいものがあった。

 石田が謝り、息子や先妻が許す――こうした家族の和解は“いい話”なのだろう。しかし、『突然ですが占ってもいいですか?』で、占い師に「何か聞きたいことありますか?」と聞かれた石田は、恥ずかしそうに「女運はどうですか?」と尋ねていた。おい、お前、既婚者だぞ。そう思ったのは、私だけではないはずだ。

 結婚していても、異性に興味がなくなるわけではないし、配偶者ではない異性に心惹かれることもあるだろう。しかし、多くの人が踏みとどまるのは、それが家庭を壊す原因になり得ると知っているからだ。石田は元妻である松原さんや、すみれをさんざん悲しませた経験があるのに、よく「女運は?」と聞けるなと、あきれてしまう。

 結局、石田がワイドショーや週刊誌の記者に優しいのは、自分の立場を忘れ、欲望のままに生きており、 他人に興味がないからではないだろうか。夫とか父親とか社会人とか、人にはいろいろな立場があり、それによって行動はある程度制限される が、石田の場合、夫や父親という立場を忘れて好き勝手に生きているので、誰かに強く出ることもなければ、下手に出ることもない……ということのように思う。しかも彼には「自分は悪くない」という信念のようなものがあるので、不思議 な明るさも持ち合わせている。

 周囲の人は大変かもしれないけれど、こういう人がイキイキできるのが芸能界という場所なのかもしれない。焼肉屋「ジュンチャン」と並行して、ぜひ芸能活動も頑張っていただきたいものだ。

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