2023年7月期の連続ドラマが次々とスタートを切る中、マスコミ界隈でも各局ドラマの初回の反響などに注目が集まっている。これから放送を開始する連ドラもまだまだあるが、業界関係者からは「今期ドラマはどれも、大当たりもなければ、大はずれもなさそう」(スポーツ紙記者)との声も聞こえてくる。
「そんな中で、“当たり”と目されているトップドラマが『VIVANT』。TBS系『日曜劇場』枠で7月16日から始まる、堺雅人主演のオリジナルドラマです。堺といえば、同枠で過去に主演した『半沢直樹』シリーズを大ヒットさせており、『VIVANT』にも期待が寄せられています」(同)
今作には堺のほか、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司と主演級の役者がメインで出演し、それ以外にも豪華キャストの起用が続々と発表されている。一方、ストーリーや役柄は初回放送まで明かさない方針が取られていることも話題だ。
「モンゴルでロケが行われていることは伝えられていて、とにかく莫大な制作費をかけた壮大なスケールのドラマであることがわかかります。完全に当てにいっているというか、はずれる要素が皆無とあって、これでコケたら日曜劇場の枠そのものが消滅するのでは……と思われる、いわば背水の陣のような作品です。それだけ、TBSは堺に“ベット”しているということなのでしょう」(同)
中村倫也『ハヤブサ消防団』は「軽い気持ちで見始めたのにハマる」?
そんな「日曜劇場」がTBSの“看板枠”であるように、テレビ朝日系の「木曜ドラマ」枠もこれまで多くの話題作を生み出してきたが、7月13日にスタートする『ハヤブサ消防団』も注目作の一つだとか。
「中村倫也が主演を務める同ドラマは、タイトルからは想像がつきにくいものの、実はかなりハードな内容。人気小説家・池井戸潤氏の同題作品(集英社)が原作で、山間の集落・ハヤブサ地区に移住したミステリー作家・三馬太郎(中村)は、地域の消防団に誘われて参加することに。以降、連続放火騒動や住民の不審死など怪事件に巻き込まれていくといったストーリーです。『軽い気持ちで見始めたのに、謎解き要素を含む予測不能な展開にハマる』という視聴者が多くなりそうな予感があります」(週刊誌記者)
ちなみに、同作のヒロインを演じる川口春奈に関しては、テレ朝サイドの“熱烈オファー”で出演が決まったという話も。
「4月27日発売の『女性セブン』(小学館)が、『木曜ドラマ』と同時間帯に放送されている『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)のレギュラー出演者である川口をどうしても起用したく、テレ朝が異例の交渉を行った……という記事を掲載していました。同ドラマは局として、それくらい本気で当てにいっている作品なのでは」(同)
松岡茉優『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』は『3年A組』スタッフが手掛ける期待作
また、7月15日から日本テレビ系「土曜ドラマ」枠で放送を開始する、松岡茉優主演ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』も、業界内では一目置かれているそう。
「『VIVANT』や『ハヤブサ消防団』と比べると、『最高の教師』は若年層向けの作品といえる。卒業式の日、“生徒の誰か”に突き落とされた教師・九条里奈(松岡)が、1年前の始業式の日に時を遡り、自分を殺害する容疑者である生徒たちと向き合って、再教育するという内容。2019年1月期に放送され、スマッシュヒットした『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(菅田将暉主演)のプロデューサーと監督が手がけるということで、期待値は高いです」(テレビ誌ライター)
なお、関東ローカルの同局「Zドラマ」枠で同日にスタートする『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』とのクロスオーバーも予告されている。
「業界的にはチャレンジングな作品がヒットすると盛り上がるので、そういう意味でも『最高の教師』には注目です」(同)
『ばらかもん』主演・杉野遥亮は業界内で「今一番の問題児」?
このように期待値の高いドラマもある中、「どう頑張ってもヒットは難しい」(同)という作品も。その一つが、フジテレビ系『水10』枠で7月12日に初回を迎える『ばらかもん』だ。
「同作は、漫画家・ヨシノサツキ氏の同題作品(スクウェア・エニックス)の実写版。都会に生まれ育った主人公の書道家・半田清舟(杉野遥亮)が、長崎県・五島列島で生活を送ることになり、島民たちに助けられ、励まされ、少しずつ成長していくというストーリーです。杉野以外には子役の宮崎莉里沙、あとは田中みな実、中尾明慶、遠藤憲一、田中泯らが出演します。しかし、『水10』枠自体が低視聴率続きであることに加え、出演者が地味め。企画も目を引く感じではなく、今期も同枠は視聴率不振に悩まされそうです」(同)
また、業界内では主演が杉野であるという点にもネガティブな声が集まっているとか。
「テレビ業界で、杉野は『今一番の問題児』とささやかれる若手俳優。わがまま放題で、所属事務所も苦労しているといいます。その彼が座長となると、出演者やスタッフが、チームとしてうまくまとまらないのでは」(テレビプロデューサー)
坂口健太郎『CODE-願いの代償-』は突貫工事で制作されている?
一方、日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で7月2日からスタートした『CODE-願いの代償-』も、業界内でははずれ候補だとか。同ドラマの主演は坂口健太郎で、「どんな願いも叶える」とされる謎のアプリ・CODEを手に入れた刑事・二宮湊人を演じる。
「すでに2週分の放送を終えましたが、第1話は世帯平均視聴率6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2話は5.4%と苦戦しています。坂口は4月期の日本テレビ系『土曜ドラマ』枠でも、『Dr.チョコレート』の主人公・野田哲也役に起用されていて、2クール連続で同局の連ドラ主演を務めることに。これは話題性を狙ったわけではなく、編成ミスにより起こった事態といわれており、しかも先に決まっていたのは『CODE』のほうだったとか」(前出・スポーツ紙記者)
それが、まさかのミスで『Dr.チョコレート』が割り込むことになり、『CODE』に“しわ寄せ”がきてしまったそう。
「坂口が『Dr.チョコレート』と『CODE』の主演を続けて担うことになり、両方の撮影期間を短縮しなければいけなくなりました。その結果、『Dr.チョコレート』より『CODE』のほうが突貫工事で作ることになったといいます。となると、やはりクオリティに不安を抱かざるを得ませんし、これまで数々のドラマで主演を務めてきた坂口が2期連続で主人公とあって、視聴者に飽きられる可能性も。例えば、昨年10月期の大ヒットドラマ『silent』(フジテレビ系)で大ブレークした“今旬”のSnow Man・目黒蓮が連続主演するなら話題性はありますが、今の坂口ではちょっと“おなかいっぱい”な感じは否めません」(同)
日テレは今回の事態を招いてしまったことを反省し、少しでも『CODE』のクオリティが高くなるよう最善を尽くしてほしいものだ。