• 日. 12月 22nd, 2024

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岸優太は「精神安定剤」――キンプリ・高橋海人がジャニオタの情緒を揺さぶる!【POTATO8月号レビュー】

 シックで上品な浴衣姿のSnow Manが表紙を飾る「POTATO」8月号(ワン・パブリッシング)が発売中です。インタビューページを読むと、同誌の取材現場には、毎回焼き鳥グリルが用意されているらしく、宮舘涼太と渡辺翔太が、いつもみんなでいろんなものを焼いて楽しんでいると明かしています。こうした取材現場に、編集部側が飲み物や軽食を準備するのはごく普通のことですが、焼き鳥グリルはかなり珍しいのではないでしょうか。

 「POTATO」といえば、毎号、独特なテーマで各グループの企画を展開している印象が強く、例えば先月号では、Travis Japanに「ゴミ」、なにわ男子に「○」というお題を設定。まさか差し入れまでクセが強いとはな……と驚きました。では早速、誌面をチェックしていきましょう。

<トピックス>
◎HELLO! SUMMER 美 少年
◎熱っぽいかも… SixTONES
◎Floating 岸優太

美 少年・岩崎大昇、「もしもセミに転生したら…?」という質問に秀逸な回答

 最初は美 少年が登場する企画「HELLO! SUMMER」をチェックしていきましょう。白Tシャツ×デニム姿のメンバーたちがあまりにもさわやかで、ふと「令和の吉田栄作たち」というワードが頭に浮かびました。

 リードを読むと「暑さを吹き飛ばすほどのさわやかな笑顔がまぶしい6人」(原文ママ、以下同)とあり、その企画意図は十分伝わってきますよ……と深くうなずいたものの、「そんな彼らがこの夏、もしもセミになったら…!?」と続いていたのでズッコケました。そう、この突拍子もなさが「POTATO」の魅力といえるでしょう。

 各メンバーは、「もしもセミに転生したら…?」という、もはや大喜利でしかない質問に回答しており、例えば浮所飛貴は、「仮面ライダーみたいなカッコいい見た目のセミがいいな」、金指一世は「体の色は紫、目玉は緑。羽根は通常の3倍のサイズの目立つセミになりたい」と理想のセミ像を語り、一方の佐藤龍我は「ずっと森にいたい」ともう一歩踏み込んで、セミ目線での理想の過ごし方を明かしていました。

 しかし、最も秀逸なのは岩崎大昇の回答でしょう。「ちょうどこの前、セミになりたいと思ってたの」だそう。「POTATO」がまたアイドルにむちゃぶりをしているよと思いきや、岩崎にとってはドンズバなテーマだったことがわかり、編集部の慧眼に感服しました。

 なお岩崎は、7日間しかないセミの一生を思うことで、「期限があるから頑張れるし、人生も同じ」という気づきを得たよう。浮き沈みの激しい芸能界で生きる岩崎の目には、セミもそんなふうに映るのだなぁと感慨深かったのですが、那須雄登いわく、岩崎は「虫が苦手」とのこと。じゃあなぜセミになりたいと思ったのかと、その天然ぶりに困惑した次第です。

SixTONESの心底だるそうな表情は、ジャニオタの底なしの欲望を満たす!

 次に見ていくのは、SixTONESの企画「熱っぽいかも…」です。タイトル通り、「今日はなんだか熱っぽいかも…」というシチュエーションで撮影が行われ、メンバーが「風邪」をテーマにトークを展開しています。

 こちら、パジャマ&部屋着姿のメンバーが、心底だるそうな表情でテーブルに突っ伏したり、ソファに横たわる姿が拝める企画でして……アイドルはファンに元気な姿を見せるために日々努力をしているのに、「元気のないアイドルも見てみたい……」と望んでしまうのは、オタクの悲しいサガなのかもしれません。

 中でも森本慎太郎は、「風邪のひき始めはどこから?」という話題で、「オレは頭。頭が痛いと思ったときには熱があるかも」と話しているのですが、写真では“頭痛に苦しむ姿”を見事に表現。このリアリティー、さすが一部で「ジャニーズのロバート・デ・ニーロ」と呼ばれる存在です。

 またメンバーの風邪トークも、注目ポイントが盛りだくさん。特に幼少期の風邪の思い出話はグッときました。例えば、京本大我は小さい頃、錠剤が苦手で粉薬しか飲めず、「親がカップのバニラアイスにふりかけて飲ませてたんだよね」と回顧。その影響からか、「今そのバニラアイスを食べると、味にパンチがなく感じちゃう」といい、松村北斗は、親がマツタケのお吸い物の素で作ってくれるおかゆが好きだったと話します。また、田中樹は「小学生の頃に風邪をひいて学校を休むと、お昼がお寿司や海鮮丼だったの」と、田中家の“体調を崩したら生魚”という型破りな習慣も明かしているんです。

 「風邪」というテーマを設けると、こんなにも具体的な子ども時代のエピソードが次々と出てくるのかと感動。自担のことは何から何まで知りたいというジャニオタの底なしの欲望を満たす良企画でした。

 最後に見ていくのは、岸優太が登場する企画「Floating」。奇しくも、その直前のページにはKing&Princeの企画が掲載されており、「そうか……岸くんはキンプリを辞めたのか」と切なさがこみ上げます。

 しかし、「POTATO」編集部は、そんな筆者のメランコリックな気持ちをあざ笑うかのように、岸にゴキゲンな企画を用意してくれていました。ピンクな世界観の中、どでかいフラミンゴの浮き輪に乗ってカッコつける扉ページの写真に、思わず頬がゆるんだのは筆者だけではないはずです。

 インタビューでは、タイトルの「Float」にちなみ「心がウキウキしたことや、浮かんでみたいものなど」の話を聞いたそうで、この「浮かんでみたいもの」といういまいち意味のわからないお題も、さらに笑いを誘います。というか、空か海か宇宙空間くらいしかないのでは? と思いつつも、岸ならではのぶっ飛んだ回答に期待してインタビューを読み進めたところ、案の定、海と宇宙空間と答えていたので笑ってしまいました。

 ほかにも編集部は「最近の“浮いたな~”という出来事は?」「好きなふわっとしたものは?」など、つかみどころのない質問をぶん投げており、対して岸も、それぞれ「(夢で)空を飛んだこともあるよ。なぜかムササビスーツを着てた(笑)」「今使ってるパジャマは相当軽くて、ノンストレスだよ」と、ふわふわした回答を連発。ただただ岸×でかフラミンゴというゴキゲンすぎる絵面のみが記憶に残る企画でした。

 そんな不思議な読後感を引きずったままページを読み進めると、「Idol Theme Park」という企画が目に留まりました。各グループの代表者が、「ヘコんだときに隣に行きたくなる人」という質問に答えているのですが、高橋が「岸(優太)くん! シンプルに、隣にいてくれるだけで安心できる人だから。昔も今もずっと変わらず精神安定剤的な存在なんだよね」「ただ笑っててくれれば、オレも元気になれるから」と言っており……これには正直、情緒を激しく揺さぶられました。

 2カ月半後には事務所を去る岸ですが、高橋のためにも、ずっと「ただ笑っててほしい」と願わずにはいられません。

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