7月19日付の「日刊スポーツ」が、来年2~3月に上演予定だった『スーパー歌舞伎II 「鬼滅の刃」』について、中止される見込みと報道。同舞台は、母親の自殺ほう助の疑いで6月27日に逮捕された市川猿之助容疑者が企画、総合演出を務め、出演も予定していたが、今月18日に父親への同容疑で再逮捕。これを受け、歌舞伎を共興する松竹社内で協議が行われたというが、ネット上にはあらためて「歌舞伎界の問題」を指摘する声が寄せられている。
「猿之助容疑者をめぐっては、5月18日発売の『女性セブン』(小学館)が、役者や弟子、スタッフに対する“ハラスメント疑惑”を報道。その同日、本人と両親が自宅で倒れているところをマネジャーが発見し、両親については死亡が確認されました。その後の取り調べで、猿之助容疑者が一家心中のために両親の自殺を手助けしたことがわかり、逮捕、再逮捕に至ったという経緯です」(芸能ライター)
そんな猿之助容疑者が手がけるはずだった『スーパー歌舞伎II 「鬼滅の刃」』は、漫画家・吾峠呼世晴氏が「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載していた大ヒット作品『鬼滅の刃』をもとに、“現代風歌舞伎”として上演する予定だった。しかし「日刊スポーツ」によると、猿之助容疑者のように演出から出演まで担える存在がほかにいないこともあり、上演中止の方向で調整が進められそうだという。
「同報道に対し、ネット上には『猿之助は大変なことをしてしまったけど、舞台に関しては才があったもんな』『代わりがいないという存在の損失は、歌舞伎界にとって一大事』との声が寄せられていますが、一方で『ワンマンだったからこそ、ハラスメントが起こりやすかったのかも』と指摘する書き込みもみられます」(同)
猿之助容疑者が起こした事件にはさまざまな意見が飛び交っているが、その中で、歌舞伎界の問題も浮き彫りに。
「歌舞伎界から逮捕者が出たこと自体もそうですが、その穴を埋められる者がおらず、舞台の中止を余儀なくされる……ということも問題視されています。『世襲にこだわるあまり、育成が追いついてない』『才能のある人をきちんと起用、活用してこなかった歌舞伎界が悪い』といった声も少なくないのです」(同)
このたび中止となりそうな『スーパー歌舞伎II 「鬼滅の刃」』も、人気漫画が原作ということで、多くの人が関わっていたとみられる。歌舞伎界の人材育成が間に合っていれば、中止せずに済んだのだろうか。