8月9日、2024年度後期のNHK連続テレビ小説『おむすび』の制作発表が行われ、橋本環奈が主演を務めることがわかった。かつては新人の登竜門といわれた朝ドラだが、近年は売れっ子俳優の起用が目立つ。マスコミ関係者間では、「朝ドラは、作品自体の出来次第で、ヒロイン俳優の業界評や世間のイメージがガラリと変わってしまうこともある」(芸能ライター)と言われており、橋本は『おむすび』で株を上げるのか下げるのか、注目を集めているようだ。
NHKは現在、23年度前期の朝ドラ『らんまん』(主演・神木隆之介)を放送中。同後期は『ブギウギ』(主演・趣里)、24年度前期は『虎に翼』(主演・伊藤沙莉)をオンエア予定と告知されている。そんな中、今回、新たに発表された『おむすび』は、“平成時代のギャル”をイメージした栄養士が主人公になるという。
「ネット上では『最近は新人起用がなくなった』という指摘も散見されるように、すでに知名度のある役者が朝ドラ主演を務めることが近年の慣例となっています。昨年も、前期は『ちむどんどん』で黒島結菜が、後期は『舞いあがれ!』で福原遥がそれぞれヒロインを演じましたが、どちらも放送前からすでに人気俳優でした」(同)
『ちむどんどん』主演・黒島結菜には業界内で同情の声も……
国民的コンテンツといえる朝ドラだけに、そのヒロインに抜てきされた俳優は一目置かれる存在となる。しかし実際のところ、作品がコケたことにより、ヒロインの株までも下がるという事態が発生しているようだ。
例えば、近年の朝ドラの中で最も酷評された『ちむどんどん』のヒロイン・黒島がその一人だ。
同作の主人公は、料理に夢を懸ける沖縄「やんばる」地域出身の比嘉暢子(黒島)。もともと“沖縄の本土復帰50年記念作品”として制作されたはずだったが、戦後の沖縄が抱える米軍基地問題に正面から向き合うストーリーではなかったことから、視聴者の間で不満の声が噴出。また、暢子を含む登場人物たちの言動が「非常識」「あり得ない」とネット上で物議を醸すことも多かった。
「その結果、黒島にも『大コケした朝ドラのヒロイン』というイメージがついてしまい、業界内では同情の声まで出ていました。一方で、『ちむどんどん』の前に放送されていた21年度後期の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』では上白石萌音、深津絵里、川栄李奈がトリプル主演を務めましたが、こちらは作品としての評価が高く、主演陣の株も上がった。中でも上白石は俳優としての格がランクアップした印象です。朝ドラは国民的コンテンツだけに、作品の出来・不出来が、ヒロインの評価にも大きく影響するといえるでしょう」(同)
今回、『おむすび』の主演に選ばれた橋本は好感度が高い俳優だが、内容によってはマイナスイメージがついてしまうかもしれない。
「ただ、『おむすび』の脚本を手掛ける根本ノンジ氏は、フジテレビ系連続ドラマ『監察医朝顔』(主演・上野樹里)シリーズや、NHKで昨年4月期に放送され、今年の冬にスペシャルドラマも決定している『正直不動産』(主演・山下智久)が好評だったことから、ネット上のドラマファンの間で期待されています。おそらく、酷評されるということにはならないのでは」(同)
橋本と根本氏のタッグが、朝ドラ視聴者層にもハマることを祈るばかりだ。