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  • 金. 9月 20th, 2024

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中学受験、小6秋なのに志望校が決まらない! 焦った母が取った行動と待ち受けた“サプライズ”

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 「すべては志望校合格のため!」と、日々難問に取り組んでいる中学受験生たち。人間のやる気には動機が必要だけに、志望校という目標が定まっていると、頑張りが利くという面は確かにある。しかし、受験生全員が早い段階から第1志望校を決めているわけではない。中には、小学6年生の秋になっても、志望校が決まらないと焦っているご家庭もあるだろう。

 現在、私立中学2年生の愛華さんの母・友美さん(ともに仮名)は、「今だから言えることなんですが……」とおもむろに話し始めた。

「愛華は中学受験の時、いつまでたっても志望校が定まらなくて、焦りました。愛華の兄が受験生だった時は、本人が『絶対にここに入る!』と決めた学校があったので、ある意味、楽だったんです。その学校を目指して対策すればいいだけなので……。けれども、愛華の場合、『どの学校がいい?』と聞いてもピンと来ないみたいで、『どこでもいい』と言う始末。過去問対策が本格化する6年の秋になっても、そんな状態だったので、何をどう取り組めばよいのかと、途方に暮れました」

 というのも、愛華さんが受験生だった頃、世はコロナ禍真っ只中。これから本格的に受験を頑張らなければ! という小5の春に緊急事態宣言が発令され、小6の1年間は、新型コロナウイルスが最も猛威を振るっていた時期だったという。世の中全体が落ち着かず、塾も学校説明会もオンラインになる中、愛華さんの心理的な不安は増す一方。志望校を選ぶことに後ろ向きになっていたとしてもおかしくない。

「愛華の兄は男子校しか受験しなかったので、私には女子校どころか共学校の情報すらも持ち合わせがなかったんです。おまけにネットが不得手で、人数を絞った説明会の申し込みには手間取ってしまい、ようやく気になる学校を見つけても、すでに『満席』なんてことが何度もありました。『私のせいで、学校情報がまったく集められない!』と気持ちはドンドン沈んでいきました」

 中高一貫校は都内だけでも200校近く存在している。当然だが、進学する学校は一つ。現在は1人に対し平均4.98校に出願し、3.68校を受験していると言われている(栄光ゼミナール調べ)が、受験日程は限られているので、厳選して受験しなければならないことは明白だ。それゆえ、親子で「絶対に行きたい学校」を中心に併願作戦を練り上げていかねばならない。

 候補となる学校を決める際には、参考資料として、「通学距離」「偏差値」「共学か別学か」「進学校か大学付属校か」「学校の教育方針」「校風と子どもとの相性」「大学合格実績」「受験日程」といった項目を調べていくことがセオリー。

 これらを吟味しながら、実際に説明会などに参加して、徐々にターゲット校を絞っていく作業を行うのだが、コロナ禍で親たちのフットワークは鈍りがちに。友美さんのように、学校情報が集められずに嘆く親が続出していたのである。

「そうこうしているうちに、ついに小6の10月がやって来ました。志望校の過去問をそろそろ始めないと……という時期です。オンライン説明会には、どうにか潜り込めるようになったんですが、母娘共々、『ここもいい』『あそこもいい』というよりは『どこもイマイチ、ピンと来ない』という学校ばかりで、ますます落ち込みました」

 コロナ禍前までは、学校説明会に出向いたり、学園祭などの学校行事を見学したりすることで、学校生活をリアルに感じ、わが子に合う、合わないを体感できていた。しかしオンライン説明会では、なかなかその学校の空気を感じることは難しいので、愛華さん、友美さんの悩みはもっともだと思う。

「そんな時です。りんこさんのYouTubeチャンネルの学校紹介動画を見たんです。確か、『今は対面の説明会は無理だけど、登下校中の生徒の様子を見ることはできるから、行ってみるといいよ』というような内容でした。それで、評判がいいというS学園まで行ってみたんです。そこで、感動の出会いがありまして、今に至っております」

 愛華さんと友美さんはそこでこんな経験をしたという。

 友美さんは自他共に認める方向音痴。スマホも苦手。案の定、初めて行くS学園の道中で迷子になってしまった。そこに、救世主のようにS学園の生徒と思しき子どもたちが通りかかったのだそうだ。

「S学園の制服は知っていたので、すぐにわかりました。その子たちに思い切って、S学園までの道のりを聞いたんです。そしたら、ご親切にも『ちょっとここからだとわかりにくいんで、ご一緒しませんか?』って。あの子たちは下校途中だったと思うんですが、来た道をまた戻ってくれたんです」

 その生徒さんたちは、愛華さんが受験生であるとすぐに気づいたのだろう。学校に向かう道中、いろいろと話しかけてくれたという。

「小6なの? 頑張ってるんだね」
「勉強つらいよね~! わかるよ~!」
「S学園はここが超おすすめ」
「入学したら、こんな楽しいことがあるよ!」

などなど……中学受験を突破した先輩たちから、共感や励ましの言葉をかけられ、さらに実際にS学園に通っているからこそわかる“学校の良いポイント”を直接教えてもらった愛華さんは、いたく感動していたという。友美さんも、「ああ、いい子たちだなぁ! 愛華もこんな素敵な先輩のいる学校に行けるといいな!」と思ったそうだ。

 さらに、愛華さんと友美さんには、こんなうれしい“サプライズ”が待っていた。

「校門のところまで連れて行ってもらったので、少し様子を見て帰ろうとしたんです。そしたら、その子たちが『ちょっと、ここで待っててください』とどこかに走って行き、しばらくすると、先生と一緒に戻って来て……。そうしたら、先生がニコニコしながら『ようこそ、おいでいただきました』とごあいさつしてくださり、『よろしければ、校内を少し、ご覧になりませんか?』と。志望校が決まらずパニックになっていたあの頃、まさかそんなことを言ってくださるとは思わなくて、本当に感動したんです。今でもそれを思い出すと涙が……」

 この出来事で、心が一気にS学園に引き寄せられたという愛華さんと友美さん。帰りに先生から受け取ったS学園恒例「生徒からの受験生応援メッセージカード」を机の上に大切に飾り、その日から、真剣にS学園の過去問に取り組むようになったという。

 結果はもちろん合格。愛華さんは今、学園生活を満喫しているそうだ。

 中学受験は高学年になればなるほど、勉強が忙しくなってくるので、親も子も学校を回る余裕がなくなってしまう。しかし、できれば、実際に学校を訪ねてみてほしい。

 すべての学校が急な来訪を歓迎するわけではないので、公式な学校説明会に行くのが一番ではあるが、友美さん親子のようなケースも実は少なくはない。赤い糸を手繰り寄せるきっかけになる可能性も十分あり得る。中学受験は、机上で考えるだけではなく、“実際に動く”ということも意外と大事だと思う次第だ。


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