元V6・岡田准一が11月30日をもってジャニーズ事務所(10月17日付で社名をSMILE-UP.に変更)から退所すると発表。これまで映画など数々の作品に出演してきた岡田は、独立後も俳優業に力を入れていくとみられ、業界内からは「ジャニーズ時代の記録を塗り替える主演作が待ち遠しい」(映画誌ライター)との声も聞こえてくる。
創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所は今月2日に会見を行い、東山紀之社長や井ノ原快彦副社長らが社名変更や新体制について報告。また同日、一部メディアが岡田の退所を報じており、会見で記者がそのことに触れる場面もあったものの、同じく元V6の井ノ原が「本人から(発表)させてあげてください」とコメント。そしてこの会見の2時間後、岡田はファンクラブサイトなどで退所を正式発表した。
「V6は21年11月に解散していますが、それ以前も以降も、岡田は個人で数多くのドラマや映画に出演してきました。“ジャニーズトップ俳優”として、演技力を評価されていた存在とあって、独立後の活躍も楽しみ。これまで積み上げてきた実績を、さらに発展させることにも期待が寄せられています」(同)
岡田准一は、現役ジャニーズ初の「日本アカデミー賞」受賞者
なお、岡田の単独主演映画はこれまで26本公開されている。
「岡田が単独主演を務めた映画を興行収入順に並べると、ランキング第1位は13年12月21日公開の『永遠の0』で、87.6億円という大記録を刻んでいます。同作は、2位に50億円以上の差をつけており、ぶっちぎりのトップといえます。作家・百田尚樹氏の同題小説(太田出版、講談社文庫)を実写化した作品で、岡田は太平洋戦争の特攻隊員・宮部久蔵を熱演しました」(同)
同映画は、15年2月の「第38回日本アカデミー賞」で最優秀作品賞など複数の賞を受賞し、岡田も最優秀主演男優賞に選ばれた。なお、岡田はこの時に『蜩ノ記』(14年10月4日公開)でも最優秀助演男優賞に選ばれ、このダブル受賞は男優では史上初。さらに、現役ジャニーズの「日本アカデミー賞」受賞自体も初めてのことだった。
岡田准一は3つの師範免許を持つアイドル
「また、岡田が07年11月~08年1月まで主演した連続ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)の劇場版第1作目『SP THE MOTION PICTURE「野望篇」』(10年10月30日公開)が興収36.3億円、第2作目『SP THE MOTION PICTURE「革命篇」』(11年3月12日公開)が興収33.3億円で、ランキング第2、3位に入っています」(同)
この『SP「野望篇」』は、11年2月の「第34回日本アカデミー賞」で作品部門の話題賞を受賞。一方で『SP「革命篇」』は、公開前日に東日本大震災が発生した影響で全国4割ほどの劇場が休館したり、節電のために上映時間を縮小したりする厳しい状況だったものの、多くの観客を集め、収益の一部は被災地に寄付された。
「岡田は総合格闘技の『修斗』、フィリピンの武術『カリ・シラット』、ブルース・リーが開発した武術『截拳道(ジークンドー)』の師範免許を持つという異色のアイドルであり、映画で魅せるアクションは毎回大評判。ジャニーズを離れた後、最初の主演映画にどのような作品を選ぶのかにも注目が集まります」(同)
これからこそ、俳優・岡田准一から目が離せない。
岡田准一単独主演映画興行収入ランキングベスト10
1位:『永遠の0』(13年12月21日公開)87.6億円
2位:『SP THE MOTION PICTURE「野望篇」』(10年10月30日公開)36.3億円
3位:『SP THE MOTION PICTURE「革命篇」』(11年3月12日公開)33.3億円
4位:『関ヶ原』(17年8月26日公開)24.0億円
5位:『海賊とよばれた男』(16年12月10日公開)23.7億円
6位:『陰日向に咲く』(08年1月26日公開)19.5億円
7位:『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』(06年10月28日公開)18億円
7位:『図書館戦争-THE LAST MISSION-』(15年10月10日公開)18億円
9位:『ザ・ファブル』(19年6月21日公開)17.7億円
10位:『図書館戦争』(13年4月27日公開)17.2億円
※一般社団法人日本映画製作者連盟資料、「キネマ旬報」(キネマ旬報社)より