11月23日、映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が全国で上映を開始する。原作は『パタリロ!』(白泉社)で知られる漫画家・魔夜峰央氏が、「花とゆめ」(同)の別冊で3回に分けて連載した『翔んで埼玉』。2019年2月に、二階堂ふみとGACKTのダブル主演で劇場版第1弾が公開され、今作はその第2弾となる。業界内からは「いろいろなトラブルを乗り越えてきた映画とあって、新作もヒットを祈るばかり」(映画誌ライター)との声も聞こえてくるが……。
同作は前提として“埼玉県民が東京都民から迫害を受ける”という設定がある。劇場版第1弾では、東京都知事の息子で埼玉県人に横暴な態度を取っていた壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、埼玉県の大地主の子息・麻実麗(GACKT)との出会いを通じて“埼玉解放戦線”に参加。
このたび公開される劇場版第2弾では、埼玉県・越谷に海を作るという計画のため、麗らが白浜の美しい砂を求めて“未開の地・和歌山県”へと向かうも、“大阪の陰謀”を知ることになり、日本全土を巻き込む東西対決に発展する……といった内容だ。
「前作は全国週末興行成績に基づく映画ランキング(興行通信社調べ、以下同)で、初登場1位を獲得。公開から3日間の興収は3億円を超え、観客動員も24万7968人、特に県下23スクリーンで上映した埼玉県では、都道府県興収シェアで東京を抑え全国1位となり、大盛り上がりを見せました。最終興収も37.6億円とヒットしており、今作にも期待がかかります」(同)
『翔んで埼玉』もともとは東宝が配給元だったが……
一方、前作は公開直前にこんなトラブルが発生していたそう。
「最終的に東映で配給されましたが、もともとは東宝が配給元となるはずだったんです。東宝は、同作で連発される“埼玉ディスり”が“ヘイトにつながりかねない”と判断したらしく、土壇場で東映配給に変わりました。結果的にはヘイトどころかヒットをあげ、続編も制作される人気シリーズになりましたから、東宝関係者は判断ミスを嘆いていることでしょう」(同)
ただ、同シリーズのトラブルはほかにもあった。続編『~琵琶湖より愛をこめて~』は21年8月に制作決定発表され、同月下旬には撮影も始まったが、その矢先にGACKTが重度の発声障害によって無期限活動休止を発表したのだ。
「これに伴い、映画の撮影全体も一時中断。どうなることかと思われましたが、22年10月にフジテレビ系で前作が地上波放送された際、本編開始前のVTRに出演したGACKTが芸能活動や映画撮影の再開を発表。こうして無事に完成し、公開に至った続編ですから、前作超えの大ヒットを記録してほしいところです」(同)
二階堂とGACKTのほか、杏や堀田真由、ハイヒール・モモコ、藤原紀香、片岡愛之助、天童よしみ、山村紅葉ら豪華な追加キャストも発表され、盛り上がる『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』。試写会で一足先に同作を見た人からは「サプライズゲストもたくさん」「前回1作目よりスケールアップ」「埼玉・滋賀・大阪の人は絶対に見たほうがいい」「めちゃくちゃ笑った」など、大絶賛の口コミが広がっている。
今月13日発表の映画ランキングでは、同3日に公開された『ゴジラ-1.0』が“V2”を獲得していたが、果たして“最強ゴジラ”を倒せるだろうか。