下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
ついに東京地検特捜部が自民党の派閥のパー券問題で、安倍派と二階派の事務所に強制捜査に入った。捜査が本丸までたどり着けるのか、それとも、いつものようなトカゲの尻尾切りに終わるのか。安倍政権下で押さえつけられてきた検察の、そして地検特捜部の“巨悪に挑む”はずの威信がかかっている。
第679回(12/14〜12/19発売号より)
1位「有村架純 6歳下高橋海人と離れたくない『ひとつ屋根の下』3年熱愛」(「女性セブン」1月4・11日号)
2位「タッキー率いるTOBEが脅かす旧ジャニーズの未来」(「週刊女性」1月1日号)
3位「旧ジャニーズ『5派閥に分裂!』新勢力図」(「女性自身」1月2・9合併号)
2023年も年の瀬、女性週刊誌2誌が今年最後の発売号で、本欄も今年最後のランキングだ。そんな年末感が増す中、「女性セブン」で大スクープが。人気、実力ともに折紙つきの売れっ子女優・有村架純とこれまた売れっ子アイドル・King&Prince(キンプリ)・高橋海人が3年間にわたり交際していたことをすっぱ抜いたのだ。
記事によると、交際のきっかけは3年前のドラマ『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系)での共演だ。撮影終了直後から交際をスタートさせ、お互いの家を行き来する“おうちデート”で愛を深めたが、多忙な2人ゆえすれ違いも。
そこで交際から2年たった2022年、有村が住むマンションに空き部屋が出たことで、高橋も別のフロアーにお引越し。“ひとつ屋根の下”のマンションのお部屋で愛を育んだという。だが、有名スター同士の交際だ。会うのは部屋だけ。外食も外デートも一度もしなかったらしい。
そんなビッグカップル誕生に、多くのメディアもお祝いムードで後追いしているが、しかし疑問は残る。これまで外デートもしない警戒ぶりだった2人なのに、なぜこのタイミングでの熱愛がバレて報じられたのか。一部では故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を発端にした“ジャニーズ解体”で、旧ジャニーズ事務所時代のような報道統制が緩んだとの指摘もある。
でも本当にそうか? なにしろこの熱愛報道、旧ジャニーズ御用達媒体の「セブン」のスクープだ。ジャニー氏の性加害が大きな問題となって以降も、旧ジャニーズの擁護・忖度を激しく行ってきた“御用中の御用媒体”のひとつだ。そう考えて誌面を見ると、不自然な点がある。
「ジャニーズ」という言葉を一切使わない不自然さ
まず記事の中に、“ジャニーズ”“ジャニーズ事務所”といった言葉が出てこない。もちろん、これらは“消滅”したとの扱いかもしれないが、しかし同様にSMILE-UP.、STARTO ENTERTAINMENTといった新事務所関連の記載も一切ないのだ。
たとえば、有村の過去の恋人としてHey!Say!JUMP・岡本圭人の名が記されるが、通常紹介されるはずの“同じ旧ジャニーズ事務所所属”といった記載はない。またキンプリの元メンバーである岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太に関しても「事務所の退所」と、“ジャニーズ”という言葉はなし。
さらに熱愛について有村、高橋双方の事務所に問い合わせているのだが、それも“旧ジャニーズ”や“STARTO ENTERTAINMENT”という社名はなく、単に「高橋の事務所」との記載だ。なんだかとっても不自然。さらに不自然なのは、有村の事務所だけでなく、“高橋の事務所”も交際を否定しないばかりか「ドラマで共演して以来、仲よくさせていただいている先輩だと聞いています」などというコメントまでしていること。これまでにはあり得ないコメントだ。
そもそも「セブン」は2人のツーショットどころか、マンションからバラバラに出てくる写真さえも撮っていないようだが、交際については断定的かつ詳細だ。
もう結婚が決まってるんじゃないの? もしやおめでたも? そのための観測&地ならし的記事なのか? そんな下世話な想像を掻き立てられた、今年最後の「セブン」スクープだった。
滝沢秀明率いるTOBE勢力の躍進
そんな「女性セブン」の旧ジャニーズスクープだが、「週刊女性」ではジャニー氏性被害問題のその後、そして所属タレントの苦境と、その陰で進む辞めジャニたちの躍進を伝えている。
記事によると、性加害の被害者の一部におよそ1,000万円、少ない人でも500万円の補償金が提示されている、しかし申請後も何の連絡もこない被害者もいるなど、補償問題はまだ前途多難らしい。そんななか、テレビ局やスポンサー企業は旧ジャニーズのタレント起用には消極的で様子見状態。厳しい状況が続くが、対照的なのが辞めジャニたち。続々と主演ドラマが予定され、滝沢秀明率いるTOBE勢力も大躍進——。
そんな内容だが、改めて思うのが滝沢のすごさとラッキーぶりだ。
そもそも性加害のジャニー喜多川氏の寵愛を最も受けたひとりがタッキーだった。SMAP解散の時は、「事務所に感謝するのは当たり前。それをわからなかったらアホでしょう」と事務所と一体化したコメントを出し、その後もジャニー氏の忠実な後継者“小さなジャニーさん”として名を馳せてきた。そして性加害問題が起こる前に事務所を離れたタッキー。
性加害問題がクローズアップされた後、ジャニーズ御用メディアから、その責任の一端を指摘されていたタッキーだが、それも現在では沈静化している。「週女」記事にはこうある。
「(旧ジャニタレントの苦境の中)『TOBE』のタレントがテレビや音楽チャートを席巻するといったことが起こりうるかもしれませんね」(テレビ局関係者のコメント)
新たなタブーとならないことを祈りたい。
そして3位も旧ジャニーズ。この事務所とタレントたちが、女性週刊誌をこれだけにぎわす存在だということを改めて認識させられる。ということで「女性自身」が、旧ジャニーズが5つの派閥に分裂するとぶち上げた。しかし中身は分裂ではなく、混乱するジャニタレたちのSTARTO以外の受け皿はどこ? というものだった。
1. 完全独立を目指しているという株式会社TOKIO
2. TOBE
3. 新しい地図
4. のんびりなかい
5. 岡田准一や生田斗真の一人独立派
旧ジャニーズの激震は来年に引き継がれるようで――。