12月26日配信のニュースサイト「文春オンライン」、また翌日発売の「週刊文春」(文藝春秋)により“性加害疑惑”をスクープされたダウンタウン・松本人志。ほかの有名人に同様のスキャンダルが勃発した時と違い、他メディアの動きは鈍い。それでも少しずつ後追い報道が出始めている中、一部業界内では「テレビ朝日がいち早く報じた」(芸能プロ関係者)ことに注目が集まっているようだ。
記事には、2015年に松本から性行為を強要されたと告発する女性が登場。一方、記者の直撃を受けた松本は完全否定しており、「文春」発売日には松本の所属事務所・吉本興業が「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するもの」(原文ママ)といったコメントを発表。法的措置も検討していると明かした。
「26日の時点でネット上は騒然となりましたが、他メディアによる後追い報道はほぼ皆無の状態で、松本や吉本に対する“忖度”を疑う書き込みも散見されました。そんな中、吉本がコメントを出したのをきっかけに、徐々に同ニュースを取り上げるメディアが出てきたんです」(同)
ダウンタウンはテレ朝に“出禁状態”――松本人志本人が明かした詳細
ネットユーザーの間では、NHKのニュースで伝えられたことが話題になっているものの、実はそれより前にテレ朝が報じていたという。いずれも、松本から過去に性被害を受けたという女性の証言が「文春」に掲載されたが、吉本は強く否定している……といった内容だった。
「今年、旧ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(19年に死去)の長きにわたる性加害が社会的な問題となる中、メディアが同社に忖度し、長年、この問題に沈黙していたことも、世間から強く批判されました。しかし、それでもなお、業界内には『あの松本人志の立場を揺るがす週刊誌報道を、後追いしてもいいのか』『吉本から敵視されるのでは』という空気があった。そんな中、テレ朝が早い段階で動き出したのは意外でした」(テレビ局関係者)
とはいえ、テレ朝の報道姿勢に旧ジャニーズ問題への反省が影響している――とは言い切れないようだ。
「実はダウンタウンはテレ朝に“出禁状態”なんて話があるんです。松本自身が19年3月の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で『テレ朝出禁なので』とネタにしており、本人いわく、吉本の上層部がテレ朝サイドと揉めた際、『ダウンタウン出せへんぞ』と強気に出たところ、『いらへんわ』と言われてしまったとのこと。このように、テレ朝はある時期から松本と仕事をしていないとあって、性加害疑惑報道を取り上げやすかったのではないか……とみられているんです」(同)
なお松本は、テレ朝系で放送されている『M-1グランプリ』の決勝戦で長年審査員を務めているが、「あれは制作が朝日放送テレビ(ABCテレビ)なので、テレ朝発の番組とはいえない。ABCテレビとは良好な関係を築いているのでしょう」(同)という。
吉本上層部とテレ朝の確執話がどこまで本当なのかはわからないが、少なくとも今回、テレ朝としては松本に“忖度の必要なし”と判断したのは間違いない。そろそろマスコミ関係者も正月休みに入るが、年明けに放たれるかもしれない「文春」の二の矢も気になるところ。この性加害疑惑は各メディアでどのように扱われるのだろうか。