私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。
<今回の有名人>
「プライベートなことなので、お話できません」鳥羽周作
「週刊文春」2024年1月4日・11日号(文藝春秋)
俳優・広末涼子とダブル不倫関係にあった鳥羽周作シェフ。広末は昨年7月に離婚したが、24年1月4日・11日号の「週刊文春」(文藝春秋)によると、昨年11月に鳥羽氏の離婚も成立したそうだ。同誌の取材に対し、鳥羽氏は「プライベートなことなので、お話しできません」と答えたという。
独身となった広末と鳥羽氏。「スポニチアネックス」によると、2人は親しい人たちに「一緒になりたいと思っている。お互いのタイミングが合うときに、2024年の間に結婚したい」と明かしているそうだ。
結婚するかどうかは2人が決めることで、外野には口を挟む権利がないのは百も承知だが、広末の「芸能人として」のイメージを考えると、2つの理由で結婚しないほうがいいように思えてならない。
1つ目の理由は、「広末が結婚というものに向いていないと思えるから」だ。
広末の元夫であるキャンドル・ジュン氏は自ら記者会見を開き、広末は仕事のことなどでストレスが溜まると、男性と関係を持ってしまう、それが表に出ないように示談にしたことがあったと暴露した。
もしこれが真実だとしたら、鳥羽氏と結婚した後も、広末が同じことを絶対にしないとは言い切れない。それが世間にバレれば「また不倫だ」「ヒトサマの家庭を壊してまで、一緒になったのに」とバッシングされることは目に見えている。結婚をすると、配偶者以外とはセックスをしないという守操(貞操)義務が生じるだけに、守れる自信がないというのなら、結婚しないほうがよい。
不倫関係を暗に認めるかのような発言をしていた鳥羽シェフ
2つ目の理由は、「鳥羽氏が『女性有名人の夫』に不可欠な資質を持っていないように思うから」だ。
「文春」が広末、鳥羽氏にそれぞれ直撃し、不倫の有無を率直に尋ねた際、広末は「絶対にありません!」と否定したが、鳥羽氏は「どうっすかねぇ、仲は良いですけど、そういう感じでは、今はないですね」「逆にそういうことが正式に発表できることがあれば、連絡するんで、ちゃんと撮ってもらったら嬉しいですけどね」と、不倫関係を暗に認めるかのような発言をしていた。
こういう時は、たとえ不倫が事実であったとしても「単なる仲の良い友人です」とシラを切るか、「プライベートなことなので、お話できません」と質問そのものを受け付けないという態度を取るのが無難ではないだろうか。これまで、たくさんの芸能人の不倫が報じられてきたが、鳥羽氏のように自分から不倫を認めるような発言をする人は、かなり珍しいといえる。
鳥羽氏の舌禍はこれだけにとどまらない。昨年7月1日配信の「東スポWEB」の記事によると、鳥羽氏がメニュー監修を務める長野県のレストランに同紙記者が足を運んだ際、「記者だと思ったよ」と話しかけてきて、キャンドル氏について「マジでああいうやつは抹殺された方がいいですよ、ホント。俺の方がまだ純愛でまともじゃないすか」と不満をぶちまけたという。
鳥羽氏にとって、キャンドル氏は憎き恋敵なので、必要以上に悪く解釈してしまうのは仕方がないことなのだろう。しかし、記者にこんなことを話したら記事になると予想できないのか。感情の起伏が激しいというか、コントロールできないというか、思ったことを口に出さずにはいられないタイプなのかもしれない。
また、同12月31日、同サイトは、鳥羽氏が記者に対して「(広末と交際していることについて)正直うらやましいでしょ?」と自慢するかのような発言をしていたと報道。確かに一世を風靡した国民的俳優と交際できたら、自慢の一つや二つ、したくもなるだろうが、また余計なことを言っているという印象が拭えない。
それに、世間にうらやましがられる人物と結婚したから、生活はバラ色かというと決してそうとは限らないとも思う。
おぎやはぎの矢作兼が22年7月28日放送のラジオ番組『おぎやはぎの眼鏡びいき』(TBSラジオ)において、タレント・小倉優子が歯科医の男性と離婚したことについて「タレントと結婚するって、忍耐がないと無理だからね」などと発言していた。確かに人気タレントの夫というのは、人から「うらやましい」と思われはするが、言うに言われぬ苦労もあり、それを表に出さない我慢強さが求められるのだろう。
私から見て、鳥羽氏にそれができるとは思えない。その時の気分で後先考えずに何でもしゃべってしまい、広末のイメージを失墜させかねないという意味で、女性有名人の夫に向いていると思えないのだ。
離婚して再婚すること自体が、有名人のイメージダウンにつながる時代ではないけれど、2人にはそれぞれお子さんがおり、そこを基準にすると世間の目はやはり厳しくなる。人としてもタレントとしても、よく考えて決断をしてもらいたいものだ。