• 日. 12月 22nd, 2024

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ママ友を家に上げたくない! 掃除&片付け嫌いのママ、「散らかっていても気にしない」の言葉で憂鬱に

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

 寒さが厳しくなるこの季節、「子どもを連れて公園に行くのがつらい」と感じるママも少なくないだろう。気心の知れたママ同士は、お互いの家で子どもを遊ばせることも増えていると思うが、家の中に人を招き入れる習慣がない家庭もある。今回は、家に来たがるママ友にモヤモヤしてしまうというお母さんの声を取り上げる。

児童館で知り合ったママ友。いつも家にお邪魔していたら……

 恭子さん(仮名・34歳)は、首都圏で2歳になる男児を育児中。数年前までは小学生向けの教材を販売する企業に勤めていたが、妊娠を機に退職した。

「育児をしながら働くこともできたのですが、毎日1~2時間ほど残業がある職場だったので退職しました。子どもが小学校に上がったらまたパートで働きたいと思ってはいるものの、今は子どもと一緒の時間を大事にしたいのです」

 恭子さんは息子が生後半年くらいから、近所の児童館に出かけるように。同じ月齢の男児を育児中の麻衣さん(仮名・36歳)とは、そこで知り合ったという。

「私は人見知りをする性格なので、なかなか自分からママたちに話しかけられませんでした。でも麻衣さんは、『そのスタイ可愛いですね』と、自然な感じで話しかけてくれて……。その後、児童館の乳幼児が利用できる時間帯が終わり、自然と一緒に帰ることになったんですが、家がかなり近いことがわかりました。それ以来、連絡先を交換して一緒に子連れで会うようになりました」

 恭子さんとその夫は、どちらも地方出身。育児中も近所に知り合いがいなかったため、不安だった。

「私が仕事を辞めたタイミングで、マンションを購入しました。それまでは私が通っていた会社の近くに住んでいたのですが、今の家は子育てがしやすそうな地域かつ夫の通勤圏内という条件で決めたんです。都心からは離れているものの、近くに公園が多くて気に入っています。ただ引っ越してから妊娠が発覚したため、周りに知り合いがいない状況は、当初かなり不安でしたね。だから麻衣さんの存在は本当にありがたく思えた。彼女はここが地元で、実家近くに建てた戸建ての一軒家に暮らしています。『クリーニング店ならここがいいよ』とか、街の情報を教えてくれるのですごく頼りになるんです」

 社交的な麻衣さんは、よく家に恭子さんを招いてくれるそうだ。

「麻衣さん宅は、普段からほかのママ友も遊びに来るようです。児童館で会っても、子どもたちが遊び足りない様子だと、『この後、うちに来る?』と誘ってくれます。遊ぶ場所も提供してくれるのに加え、手土産などを持って行かなくても、『全然大丈夫』『気にしないで』と言ってくれるので、本当にありがたいのですが、最近、『恭子さんの家にも遊びに行きたい』と言われるようになり……ちょっと困っているんです」

 麻衣さんの家にばかりお邪魔している状況を申し訳なく思った恭子さんは、一度だけ麻衣さん親子を自宅に招いたことがあるそうだ。

「自宅で麻衣さんと気兼ねなく話せたのは楽しかった。でも事前準備が大変だったんです……。うちはマンションなので、一軒家の麻衣さん宅よりもかなり狭い。もともと私は掃除や片付けが嫌いなのもあり、リビングには物があふれていて、とても誰かを呼べるような家ではないんです。麻衣さんが来る日の前日、リビングだけは徹底的に片付けなければと、部屋に置いてあった荷物を別の部屋にすべて移動させました」

 恭子さんいわく、麻衣さんの家はいつもすっきり整理整頓されているという。それを思うと、余計「汚いわが家は見せられない」と家の掃除に励んだ。

「トイレや洗面所も使うだろうから、掃除を頑張り、余計な物をどけてすっきりさせました。ただうちは中古マンションなので、リノベーション済みといっても、水回りなどはどうやってもピカピカにはならないんです……。『キッチンなどは見せられないな』ってソワソワしました。麻衣さんには悪いけど、うちに呼ぶのはこれっきりにしようと思いましたね」

 しかし、家に招いたことがきっかけで、麻衣さんは以前よりも恭子さんの家に行きたがるようになったという。

「以前は『本当に申し訳ないけど、掃除してないから無理』と伝えると、『わかった』って言ってくれたのですが、『この前遊びに行った時、きれいだったよ』と粘ってくるのです。あれは、前日に大掃除していたからなのですが……。麻衣さんは『散らかっていても気にしないから』と言うものの、掃除がしてあるかどうかよりも、単純に、“家の中を見せたくない”という思いもあって憂鬱になってしまいます……。それを麻衣さんはわかってくれないんですよね」

 恭子さんは「最近は、麻衣さんから毎回のように『家に行きたい』と言われ、断り方に困ってしまう」と肩を落とす。

「麻衣さん親子と遊ばないようにすればいいと思われるかもしれませんが、彼女と児童館の帰りに子連れで遊ぶのはもう定番で、最近は『一緒にプレ幼稚園の申し込みをしよう』という話まで出ているんです。今後も付き合いは続くとなると、ずっとは断れない。ママ友って、『この前は○○ちゃんの家に行ったから、次はうちに来てもらう』みたいな、お互いを家に招き合うという暗黙のルールがある気がするんです。私がわがままを言っているだけかもしれませんが、なんとかならないものかとモヤモヤしています」

 ママ友付き合いでは、昔からお互いの家に遊びに行くのが当たり前のようになっているが、「家に家族以外の人を入れたくない人」にとっては確かに厄介な慣習だろう。

 子どもが介在しない友達や仲が良い同僚の場合、相手の家に遊びに行く、もしくは自分の家に招くのは、相当、親しい間柄に限られる。しかしママ友同士は、子どもを連れて行ける場所が限られることもあり、そこまで仲が良くないママでも、自分の家に上げなければならない機会が多いのだ。

 恭子さんは児童館の帰り、毎回のように麻衣さん宅に寄っているようだが、その場合、麻衣さんからの「遊びに行きたい」というリクエストはかなり断りづらいだろう。一方の麻衣さんも、一度遊びに行ったのだし、また機会があれば伺えると考えているはずだ。このままでは、お互いにずっとモヤモヤしてしまいそうなので、恭子さんはやはり「うちには人を呼べない」とはっきりと伝えるべきだと思う。

 その時にポイントとなるのが、麻衣さん以外のママはもちろんのこと、今後知り合う人にも「呼べない」と伝えること。恭子さんに「自分だけ家に上げてもらえない」と勘違いをさせないためにも、これは重要だと思う。それに、ほかのママ友にも周知されると、「行きたい」というママ友もいなくなるはず。今回のように、中途半端に一度でも家に招き入れてしまったのが良くなかったといえる。

 さらに穏便に断るのなら、自分以外のせいにするのが最も波風を立てずに済む。例えば、「マンション内の人が子どもの声に敏感で、一度注意されたことがある」などと伝えれば、それでも遊びに来ようとはしないはずだ。

 とはいえ、麻衣さん宅にばかり遊びに行くことで、「負担をかけていないか」と恭子さんは不安だろう。そんな時は、「公園やファミレスで会おう」と提案してみてもいいと思う。それでも、「家に遊びに来てほしい」と言われたなら、これまで通りでいいし、もし提案に乗ってきたなら、それを2人なりの付き合い方として定着させ、良好な関係を築いていくのがベストかもしれない。

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