1月26日、アニメ映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開された。約20年ぶりの完全新作となっただけに、公開前から期待値は高かったが、実際に劇場に足を運んだ人の反応は上々。特にシリーズファンからは絶賛の声が続出しているようだ。
同映画は、2002年10月にテレビアニメの放送がスタートし、04年10月には続編が製作されたロボットアニメ『機動戦士ガンダム』の作品群の一つである『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの劇場版。
身体能力や頭脳を持つ人類(コーディネイター)と、自然のままに生まれた人類(ナチュラル)が存在する時代「C.E.(コズミック・イラ)」を舞台に、コーディネイターとナチュラルの間の戦いを描いた作品で、中立の工業コロニー「ヘリオポリス」に住むコーディネイターの少年キラ・ヤマトが戦いに巻き込まれる――というストーリーだ。
06年に制作が発表されたものの、長らく続報は出ておらず、21年にアニメ放送20周年を記念した新プロジェクト「GUNDAM SEED PROJECT ignited」の中心企画として制作中であることが明らかに。
そんなファン待望の新作となった今映画について、ネット上では「情報量が多すぎて、イマイチわからないところも多い」「恋愛要素が多くて受け付けない」とネガティブな感想も寄せられているが、「BGM、作画、演出、全部最高」「往年のファンも納得する完結作にふさわしい素晴らしい内容だった」「見たかった『ガンダムSEED』が全て詰まった神映画でした」「18年待った甲斐があった」と絶賛する声もあり、概ね好評のようだ。
29日発表の全国週末興行成績に基づく映画ランキング(興行通信社調べ)によると、初日から3日間で63万4000人、興収10億6600万円をあげ、初登場1位を獲得。『機動戦士ガンダム』シリーズ最高のスタートを切ったそうだ。実際に映画を鑑賞した人の口コミが広がりつつあり、2月2日からは週替わり入場者プレゼント第2弾として、「ミニ設定冊子」の配布がスタートしており、客足はさらに伸びると予想される。
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は「ハイレベルな作品」!
なお、今作は、主人公のキラ・ヤマト役の保志総一朗やラクス・クライン役の田中理恵、アスラン・ザラ役の石田彰、シン・アスカ役の鈴村健一をはじめ、ルナマリア・ホーク役の坂本真綾、メイリン・ホーク役の折笠富美子、マリュー・ラミアス役の三石琴乃、ムウ・ラ・フラガ役の子安武人、イザーク・ジュール役の関智一ら、おなじみのキャストが続投しているほか、カガリ・ユラ・アスハ役として新たに森なな子が参加。
また、新キャラクターの声優としてトーヤ・マシマ役の佐倉綾音、アレクセイ・コノエ役の大塚芳忠、アルバート・ハインライン役の福山潤、アウラ・マハ・ハイバル役の田村ゆかり、オルフェ・ラム・タオ役の下野紘、シュラ・サーペンタイン役の中村悠一らも出演している。
豪華な顔ぶれがそろっていることも、この映画の魅力の一つといえるだろう。制作会社関係者は「実力派ばかりのハイレベルな作品。主要キャラを演じる保志や田中はもちろん、子安、関、三石ら脇を固めるキャストを含め、全員が主役級の声優ばかりを集めた貴重な現場です」と評す。
「シリーズファンを大事にしているからこそ、アニメ版のキャストをほぼ変更せず、それが成功につながったのでは。当時よりも円熟し、良い芝居ができる人ばかりですし、確かにこれだけ脂がのったキャストを変更するのはもったいない。現役声優にとっては、収録を見学したいくらい実力派ぞろいですから、新たに参加した若手はものすごく勉強になったと思います」(制作会社関係者)
実力派揃いの『機動戦士ガンダムSEED』、一番演技がウマい声優は?
では、そんな出演陣の中で、一番演技がウマい声優はいったい誰なのか。
「アスラン役の石田。彼は“万能”ですね。どんなキャラクターでも自分のものにして、『石田彰』としてのカラーもしっかり出せる器用な人。悪役から善人まで、幅広く演じることができます。また、キラ役の保志は、石田とは真逆のタイプですが、演技はウマい。ヘタレキャラを演じさせると、ピカイチの存在です。キラは彼にとって“当たり役”でしたね。ただ、声の個性が強すぎるため、芝居の幅は狭いんです」(同)
一方で、演技がヘタな声優は、シュラ役の中村悠一だという。彼には「人気にあぐらをかいている」という辛口な評価が寄せられた。
「レベルの高い声優が集められている中で、彼の芝居はどうしても浮いてしまいます。声質に頼った芝居をしていて、特に長台詞の時には“芝居をしている”というよりも“音読をしている”ような印象です」(同)
ファンが公開を待ちわびる中、ついに封切られた映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』。キャスト陣の演技に注目してみると、より一層楽しめるかもしれない。