3月18日発表の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、3月15~17日)で、ミステリー映画『変な家』(3月15日公開)が初登場1位に。人気アニメーション作品『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』(3月1日公開)、『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(2月16日公開)を制した格好だ。
目次
・『変な家』初登場1位
・『ゴジラ-1.0』が返り咲き
・『恋わずらいのエリー』苦戦スタート
・全国映画動員ランキングトップ10(2024年3月15~17日、興行通信社調べ)
『変な家』初登場1位、原作ファンはホラー要素に不満?
第1位の『変な家』は、ホラー作家でYouTuberの雨穴氏のベストセラー小説『変な家』(飛鳥新社)を原作とする実写映画。同小説は、雨穴氏がウェブメディア「オモコロ」に公開した「【不動産ミステリー】変な家」という記事、並びにそのYouTube版が元になっており、後者の動画は2024年3月19日時点で、1778万回再生されている。
同映画の主人公は、オカルト専門の動画クリエイター・“雨男”こと雨宮(間宮祥太朗)。マネージャーから、購入予定の一軒家の間取りについて、不可解な点があると相談され、ミステリー愛好家の設計士・栗原(佐藤二朗)に連絡。栗原は、間取り図の違和感を次々に指摘し、ある恐ろしい仮説を立てる――。
そんな同映画は、初日から3日間で観客動員34万4000人、興行収入4億7400万円をあげ、堂々の初登場1位を獲得。この3日間、SNSでは「劇場がほぼ満員」という投稿が多数見られ、各地で盛り上がりを見せていたようだ。
しかし肝心の評価は、賛否両論。「面白かった」という声がある一方、原作ファンからは、中盤以降、原作にはないホラー要素が取り入れられ、しかもそのクオリティが低かった点に不満の声が上がっていた。
『ゴジラ-1.0』アカデミー効果で4位返り咲きの一方で、『マイホームヒーロー』が圏外へ
続く2位は『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』、3位は『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』。
『ハイキュー』は先週の首位からランクを2つ落としたものの、累計興収は70億円を早くも突破。100億円超えは間違いないだろう。3月16日には、入場者プレゼントを第7弾まで行うことが発表され、その日程は5月18日~とのこと。つまり、すでに約2カ月後まで映画館で上映することは決定事項なのだ。
また4位にランクインしたのは『ゴジラ-1.0』(23年11月3日公開)。トップ10圏外から返り咲いたのは、『第96回アカデミー賞』で「視覚効果賞」を受賞した影響からだろう。なお、同賞で「長編アニメーション賞」を獲得したジブリ映画『君たちはどう生きるか』(23年7月14日公開)も8位に再浮上している。
一方で、先週のランキングで3位に初登場した佐々木蔵之介主演の『映画 マイホームヒーロー』(3月8日公開)は、あっという間に圏外落ち。昨年10月期の深夜ドラマの完結編だったが、このまま大コケとなってしまうのか。
『恋わずらいのエリー』初登場6位で出だしは「イマイチ」
第6位に初登場したのは、宮世琉弥と原菜乃華のダブル主演作『恋わずらいのエリー』。『第42回講談社漫画賞少女部門』にノミネートされた藤もも氏の同題作品を実写化した作品だ。
地味な女子高生・エリー(原)は、学校イチのさわやか王子・オミくんとのロマンチックな妄想を、「恋わずらいのエリー」という名前でSNSにつぶやいていた。そんなある日、彼女はひょんなことから、オミくんの“裏の顔”を知る。さらに自分の妄想が本人にバレてしまうという絶体絶命のピンチに陥る――。
主人公のエリーが、自分の“推し”であるオミくんと恋愛関係になるというのは、特にティーンの女子に“刺さる”内容と思われるが、初登場6位という結果は、300館超えの大規模上映の割に「イマイチ」と言わざるを得ない。
同作の内容が歌詞に反映された主題歌、NiziUの「SWEET NONFICTION」は3月14日に配信が開始され、やはり若い女性の間で人気を博しているだけに、映画のほうの集客につながってほしいものだ。
全国映画動員ランキングトップ10(2024年3月15~17日、興行通信社調べ)
1位:『変な家』
2位:『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』
3位:『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』
4位:『ゴジラ-1.0』
5位:『デューン 砂の惑星 PART2』
6位:『恋わずらいのエリー』
7位:『FLY! フライ!』
8位:『君たちはどう生きるか』
9位:『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
10位:『マッチング』