最盛期には全国に約200店舗を展開していたものの、現在では関東圏を中心に7店舗まで激減し、“絶滅危惧チェーン”となったステーキと焙煎カレーの「ふらんす亭」。以前は至る所にあったのに、いつの間にか見かけなくなった……と思っている人も少なからずいるのではないでしょうか。
同店を運営する株式会社ふらんす亭は、閉店した一部店舗を「ステーキマックス」にリニューアルして営業し、再起を図ろうとしているのですが、果たして勝機はあるのか――今回は、その一つであるステーキマックス中野北口店を実際に訪れ、看板メニューの「がっつりステーキ」を食べてきました!
※価格はすべて税込
※メニューや価格は2024年4月4日時点の情報です
※一部店舗で取り扱いメニューが異なる場合があります
※最新情報は公式サイトをご確認ください
目次
・ステーキマックスのランチメニューは?
・ステーキマックスの鉄板には火がついている
・がっつりステーキの味は?
ふらんす亭のリニューアル店「ステーキマックス」のランチメニューは?
中野サンモール商店街にあるふらんす亭中野北口店は、2019年末にステーキマックスにリニューアル。すでに4年ほど営業しています。
1階に長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」が入るビルの2階に店舗があり、入口の階段を見落としてしまいそうになりましたが、「がっつり系ステーキ」というコピーが躍る看板はインパクト大。
今回は、ランチタイムにお邪魔しました。
看板メニューのがっつりステーキは、カットした状態で提供される150gがなんと1,080円。平日ランチはライスとスープがつくので、お手頃価格といえるでしょう。なお、一番人気の300gは1,480円です。筆者は150gを選びました。
ステーキマックスの特徴は、ステーキソースの種類が豊富なところ。「ゆず胡椒おろし」「わさび醤油」「黒カレー」「ガーリック」「ハバネロソルト」、そして本日の期間限定ソース「焼肉のたれ」から1種類を選ぶことができます(450g以上を注文した場合、2種類選択可能)。
ほかのステーキ店では見たことがない黒カレーがラインナップされているのは、同店がかつて焙煎カレーをメインの一つとしていたふらんす亭が母体だからなのでしょうか。筆者は黒カレーに興味を引かれつつも、それがソースとなるとあまりにも未知の組み合わせだったので、今回はわさび醤油をセレクト。
また、付け合わせとして、「唐揚げ」「ブロッコリー」「牛すじ」がら1種類を注文できます。
筆者は唐揚げを選びました。
「ステーキマックス」の鉄板には火がついている! 最後まであつあつで食べられて◎
注文からほどなくして、がっつりステーキが運ばれてきました!
ここでびっくりしたのが、なんと鉄板の下に固形燃料がセッティングされており、火がついていたこと。
店員さんからは「表面は焼いてあるものの、中はレアのため、お好みの焼き加減に調整してからお召し上がりください」と説明されました。
ファストステーキの先駆け「いきなり!ステーキ」や新勢力「やっぱりステーキ」でもあつあつの鉄板で提供されますが、ステーキマックスでは火までついてくるとは驚き。好きな焼き加減で食べられるのはもちろんですが、食べ終わるまであつあつの牛肉が食べられるのはうれしいですよね。
それに、150gでのみ適用されるサービスですが、カットした状態での提供はありがたい限り。筆者はファストステーキ店によく行くのですが、毎回、肉のカットが煩わしいと思っていたので、ここは高ポイントです。
「ステーキマックス」のがっつりステーキは牛肉の旨味がほとんどしない!?
では、一口大の牛肉にわさび醤油をかけていただきます! わさびのツンとした香りと醬油の味わいはいつ何時も美味……とうっとりしていたのですが、牛肉の旨味がほとんどない……!!??
肉に振られたペッパーの味とわさび醤油の味はしっかり感じられるものの、牛肉本来の味があまりしないことに衝撃を受けました。
「何かの間違いでは?」と思い、別のカットも食べてみたのですが、やはり同じ。肉自体はかみ切れないなんてこともなく、程よくやわらかいのですが、いかんせん肉の味があまりしないんです。
メニュー表を見ると、がっつりステーキは「旨味★★★/柔らかさ★★★★/コスパ★★★★★」と紹介されており、旨味は★3つと評価ポイントの中の最低値ですが、それでもよく見積もりすぎでは? というのが正直な感想。
唯一、脂身が多めのカットだけは牛肉の旨味を感じられ、おいしくいただけました。
一方、付け合わせの唐揚げは、衣はカリカリながら、味は可もなく不可もなくという印象。
特別「おいしい」と絶賛できるものとは言い難かったです。
というわけで、ごはんがもりもり進むとは言い難かったステーキマックスのがっつりステーキ。調べてみたところ、以前はがっつりステーキ300gが1,100円で提供されていたこともあったそう。物価高の影響により、価格が上がるのは致し方ないことにしても、この味でしかも値上がりとなると、舌の肥えた今どきの消費者にはなかなか受け入れられないかもしれません。
ふらんす亭が風前の灯火である中、ステーキマックスには奮起してほしいものの、現状ではなかなか厳しいものがありそうです。
とはいえ、昼12時過ぎのランチタイムはガラガラというわけではなく、7割ほど客が入っていました。ほかのファストステーキ店を凌駕する人気メニューの誕生に期待しています!