覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
受刑者に一発芸を強要していた刑務官
「刑務官が受刑者にモノマネをさせてたそうですが、ご存じですか?」
編集者さんから聞かれました。ニュータイプのイジメちゅうことでしょうが、意味わからないですよね。
ネットニュースには、京都刑務所で刑務官が「マスクがずれていたことを理由に、受刑者に“一発芸”をするように強要していた」とあります。「受刑者2人に女優や怪獣の真似をさせていた」そうで、「怪獣」はゴジラらしいですが、この「女優」って誰? なんでそんなことを思いつくんですかね。
被害者の元・受刑者氏は、出所されてから被害を告発したようで、取材に「刑務官が楽しがっているのか何のためにやっているのか僕にも理解ができないですけど」と答えていました。ほんま謎しかないですよね。
この件で、京都刑務所はすでに被害者に謝罪して刑務官に注意しているそうですが、「公表事案ではないので取材はお断り」とか。いや公表しましょうよ。こういうイジメは聞いたことないですが、だいたいの刑務官はいばってて、イヤキチ(意地悪、主に関西圏の言葉)もしてきます。特に男子刑務所のイジメはごっついようです。
刑務所で反省・更生はムリ、ちゅうのは何度も書いてますが、刑務官がムダにいばってるのも理由のひとつです。もちろん刑務官は「なめられないように」あえて厳しくしてるんでしょうが、そんなんで反省なんかできません。まあそれでも、たいていの恨みは出所すると忘れます。忙しいから。
おかげさまで瑠美は帰る家も家族もありましたが、懲役に行くような人は家族から縁を切られていることも多いので、出所したら、まず住むところや仕事を探すだけで精いっぱいです。ムショ帰りでもできる仕事なんか、限られてますしね。
せやから刑務官からのイジメを出所後もずっと覚えてて、お礼まいり(仕返し)までするのは余裕がある人ともいえます。
前に書きましたが、瑠美の知り合いの知り合いは、出所後に刑務官の自宅を突き止めて郵便受けに生きたマムシを入れたそうですし、刑務官の子どもをさらって、子どもの背中に刺青で「鬼の子」と彫った不良もいてましたね。
でも、仕返しでパクられ(逮捕され)て、またムショに戻ったら意味ないですし、どうしてもしたいなら弁護士さんに相談するしかないですね。たまに裁判で勝った人がニュースに出てますが、「編集者さん調べ」でいちばんウケたのは、福島刑務所で懲役にフェ〇チオを強制して特別公務員暴行陵虐罪で起訴された刑務官ですね。懲役3年の判決を受けて懲戒免職処分になっていました。今頃どこで何をされてるんでしょうか?
福島刑務所の不祥事はほかにもあって、刑務官による刑務官へのいじめで、うつ病になった例もあるそうです。
オッサンの上司が部下の女性刑務官に「受刑者がお前の裸を想像してオ〇ニーしている」とか言ったり、体に触ってきたそうで、そりゃうつ病にもなりますよね。法務省はセクハラの事実を5年もかかって認めてますが、謝罪もなく、補償ももらえてないそうです。そんな刑務官のいる刑務所で「更生しろ」とかいわれましても、ムリですから。