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イオンすら苦戦の中……業績好調の総合スーパー【アピタ】、行ってわかった魅力

 イオン、イトーヨーカドーという総合スーパーの覇者が軒並み苦戦しているなか、業績好調のアピタ。独り勝ちといえるその強さを探りに行ってきました。

目次

・【アピタ】とは?
・【アピタ】売り場をチェック!
・【アピタ】3つの魅力

※2024年5月28日時点の情報です
※価格はすべて税込み
※最新情報は公式サイトやSNSをご確認ください

【アピタ】とは?

 総合スーパーが軒並み敗北しているとされる現在、あのイオンですら2021年2月期から2期連続の営業赤字を報じられています。そんな中にあって、営業利益を記録している異例の存在が「アピタ」「ピアゴ」。

 ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、2019年に買収した総合スーパーの「ユニー」が運営する総合スーパーで、「集英社オンライン」2月21日付の記事によると、ユニーの「2023年7-12月の総合スーパー事業の売上高は2362億円、営業利益は192億円だった」とのこと。

 「ITメディアビジネス」によると、「2023年世界の小売業ランキング」で、ユニーを擁するPPIHは78位にランクイン。国内の総合小売業ではセブン&アイホールディングス(15位)、イオン(17位)、に続いて、3本の指に入っています。成長の背景には、ユニーを完全子会社化したことが指摘され、いかにユニーの総合スーパーが強いのか伝わってきます。

総合スーパーとは?

 総合スーパーとは、衣料品や日用雑貨、家具、家電、食料品などの商品を扱い、「そのいずれも小売販売額の10%以上70%未満の範囲内にある事業所」(さいたま市業態分類表)。特徴としては、プライベートブランドを展開することが多いそう。

 一方で、ショッピングセンターは「ショッピングだけではなく、食事や娯楽も楽しめる場」「専門店・レジャー施設・映画館・旅行代理店といったサービス業の店舗もテナント出店しているのが大きな特徴」(「リテールガイド」)とのこと。イオンモール、ららぽーとが該当します。

【アピタ】売り場をチェック!

 今回は、大型総合スーパーと専門店を備えた「アピタテラス」に業績好調の理由を探しにきました! 

 建物は2階建てでややコンパクトな印象です。イトーヨーカドーや西友といった総合スーパーは地下から地上4〜5階まである印象が強く、2階建ては意外に思いました。

 店内は「アピタフードマーケット」というスーパーエリアと、各種テナントで埋まっています。飲食からファッション、書店、クリニックまで一通りありますね。

 平日の午後2時半過ぎに行ったところ、2階のクリニックゾーンや西松屋ゾーンは子連れで賑わっていました。書店にも子どもが遊び回れるスペースが設置され、2階は全体的にファミリー層に寄せている印象です。

 2階のフードコートは座席エリアが店の数に対して多めに取られていたのも配慮を感じます。実際の数は5店舗ですが、肌感として7〜8店舗分のスペースを設けているような感覚。これは、すごくありがたい!

 ファミリー層に寄せているとはいえ、フードコートやベンチにはPCで作業しているスーツの方もちらほらいたり、単身で利用している方もいました。

 ぐるっと回ってみた所感としは、必要な店がちょうどいい面積で当てはめられていて、日常使いにかなり良さそう。たまに、携帯ショップ各社がフロアの半分を占拠しているようなケースもあってガッカリするだけに、これはうれしい!

アピタフードマーケットをチェック

 スーパーの価格はディスカウントスーパーと相場感は変わりません。ナス171円(税込、以下同)、にんじん106円。

 「全国ご当地油揚げフェア」が展開されていて、思わず見入ってしまいました。栃尾揚げをはじめ各種の油揚げがズラッと並び、隣のおばちゃんと「すごい厚いね!」「ホントですね〜」「こんなの、見たことないわ」なんて思わず会話が発生するほど、エンタメ性があるコーナーでした。

  厚み3センチの「ミニ三角揚げ(2枚入)」495円。アピタのおすすめレシピのとおり、煮物にしたらおいしかったです。

 感激したのは、鮮魚コーナー! 「竜田揚げ用」として、ごまさばがちょうどよいサイズにカットされてパック詰めされているんです! これはとってもありがたい! 「当店の売れ筋です!」の言葉にも納得。全スーパーで導入してほしいサービスです。この商品をはじめ、この日はごまさばの展開に気合が入っていました。魚の種類は絞られていますが、鮮度はよさそうです。

 お肉も、国産黒毛和牛や美然牛などブランドが並んでいました。

プライベートブランドやコラボ品

 プライベートブランドは「StyleOne」というシリーズがあり、納豆は40g×3個で95円。ドンキ傘下のためPBもドンキの「情熱価格」が並ぶと思っていましたが、見かけることはありませんでした。

 こちらは人気の缶詰のようで、残り1つとなっていたPBの「ツナフレーク大きめ」。価格は106円。

 パスコとユニーがコラボしたパンも数種類発見。ほかのスーパーで、このようにコラボした商品は見たことがないので驚きました。

 ちなみに、ユニーとドン・キホーテのコラボ店「MEGAドンキホーテUNY」でも取り扱っていませんでした。

  総菜やお弁当はユニー系列のカネ美食品が手掛けていました。ここにも、さばの竜田揚げが総菜でズラリと並んでいて、さば推しムードを感じた次第です。

  スーパーをぐるりと回って感じたのは、売り場のメリハリが利いていること。各コーナーにちゃんとした目的と意思が感じられて、ボーっとしている商品がないんです。

 精肉コーナーでは、豚肉を眺めながら「悠健豚ってなんだろ?」と思ったところで、ちょうど説明ボードや映像が流れているという適切さ! とても消費者目線だなあと感じ入りました。

【アピタ】3つの魅力! 

 今回、筆者が感じたアピタの魅力は、主に次の3つです。

(1)食品売り場がなんだか楽しい
(2)消費者目線をわかってそう
(3)パスコとのオリジナル商品が魅力的

 前述と重複しますが、食品売り場のポップやボードの言葉がちょうど良い訴求力で、なんとなく店内のムードも陽気。ちょっとロピアの雰囲気もあるような?

 ユニーの公式キャラクター、アピタンもそこここで活躍していてかわいらしく、そんな姿もロピアのキャラクター、ロピタに重なりました。

 もしイオン、ヨーカドー、西友、アピタが全部近所にあったら、どこで買い物をしたいか? と考えると、それぞれ魅力が浮かぶものの、いまの気分だと西友かアピタだな、と思いました。

 今後、アピタのさらなる成長に期待しています!

By Admin