最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、6月21~23日)で、大泉洋主演の実写映画『ディア・ファミリー』(6月14日公開)が前週に続いて1位を獲得した。
目次
・『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』、ジブリ『崖の上のポニョ』超えなるか
・昨年大ヒットで黒字回復の松竹、『九十歳。何がめでたい』
・全国映画動員ランキングトップ10(2024年6月21~23日、興行通信社調べ)
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』、ジブリ『崖の上のポニョ』超えなるか
6月24日発表の全国週末興行成績ランキングでV2を飾った『ディア・ファミリー』は、ノンフィクション作家・清武英利氏の『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』(文春文庫)を実写化。主人公・坪井宣政(大泉)が次女・佳美(福本莉子)のために人工心臓を作ろうと奔走する物語で、累計興収は6億3900万円を記録している。
一方、公開11週目の週末を迎えた『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は4位にランクイン。漫画家・青山剛昌氏が「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中の『名探偵コナン』のアニメ劇場版シリーズ最新作で、シリーズ歴代トップの興収を叩き出している。国内で今年上映された映画の中でも現時点で最高のヒットを記録中だ。
さらに、国内で上映された歴代映画の興収ランキングでも、新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』(2022年11月公開)の最終興収149.4億円を上回って15位に浮上。次は、現在14位のスタジオジブリ作品『崖の上のポニョ』(08年7月公開)の最終興収155億円超えが目標となる。
昨年大ヒットで黒字回復の松竹、『九十歳。何がめでたい』
そのほか、今回のランキングでは6月21日公開の新作映画が5作トップ10入り。
草笛光子主演の『九十歳。何がめでたい』(2位)、ウィル・スミスとマーティン・ローレンスがダブル主演を務める『バッドボーイズ RIDE OR DIE』(3位)、吉田鋼太郎が主演する『映画 おいハンサム!!』(5位)、ダコタ・ファニング主演の『ザ・ウォッチャーズ』(8位)、杉咲花主演の『朽ちないサクラ』(10位)と、いずれも実写作品。
作家・佐藤愛子氏の同題エッセイ(小学館)を実写化した『九十歳。何がめでたい』は、鬱々とした日々を過ごしていた愛子(草笛)が編集者・吉川真也(唐沢寿明)からの依頼で執筆したエッセイが大反響を呼び、90歳にして人生が変化していく……という内容。
全国354スクリーンで上映を開始し、初日から3日間の興収は1億4800万円。ネットユーザーの間では、「草笛さんの演技に魅了され、楽しく見れた」「客席から笑いが起きるほど面白かった」「元気をもらえた」などと評価されている。
なお、同作の配給元である松竹は、24年2月期(23年3月~24年2月)の連結決算で黒字回復を発表した。同社は昨年、福原遥と水上恒司のダブル主演映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』や『滝沢歌舞伎ZERO FINAL 映画館生中継!!』などが大ヒットして興収を伸ばしたが、『九十歳。何がめでたい』の今後の成績にも期待したいところ。
また、全国197スクリーンと小規模での公開ながら10位に入った『朽ちないサクラ』は、作家・柚月裕子氏の同題警察小説(徳間書店)の実写版。
原作では“米崎県”という架空の県が舞台となっていたが、映画では愛知県に変更され、県警広報広聴課に勤める森口泉(杉咲)が親友の新聞記者・津村千佳(森田想)の変死事件の真相に迫っていくというサスペンスミステリーを展開。
キャストはほかに萩原利久、坂東巳之助、駿河太郎、遠藤雄弥、和田聰宏、藤田朋子、豊原功補、安田顕などが出演。鑑賞済みのネットユーザーからは、「主演が杉咲さんなので安心して見れたし、期待通りだった」「いい役者がそろっていて見応え抜群」といった声が寄せられる一方、「ストーリーというかオチがいまいち」「画や雰囲気はいいが、盛り上がりに欠ける」という指摘もみられた。
全国映画動員ランキングトップ10(2024年6月21~23日、興行通信社調べ)
1位:『ディア・ファミリー』
2位:『九十歳。何がめでたい』
3位:『バッドボーイズ RIDE OR DIE』
4位:『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
5位:『映画 おいハンサム!!』
6位:『帰ってきた あぶない刑事』
7位:『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』
8位:『ザ・ウォッチャーズ』
9位:『劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」』
10位:『朽ちないサクラ』