家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。
目次
・今回のお悩み
・プウ美ねえさんの回答
・今月のエプロンメモ
<今回のお悩み>
「若く見える、と言われたときの切り返しに困っています」
プウ美姉さん、こんにちは。
わたしは実年齢より若く見えると言っていただくことが多い(相談に見せかけた自慢ではありません)のですが、若いことが良いとも若く見られたいとも思っていないので心中複雑です。
実年齢より「老けて見える」と伝えたら失礼にあたるのに、「若く見える」と言ったらほめ言葉のように思われていることにも納得できません。
が、本意ではないながらも「そんなことありませんよ~」「ありがとうございます」または恥ずかしそうにうつむいて話題が変わるのを待つくらいしかできません。
何かユーモアのある素敵な切り返しはないものでしょうか。
どうやらわたしは他人から「若く見られたい」欲求はありませんが、「若く見られたがっていると思われたくない」「若く見えるとお世辞を言われて喜んでいる痛い人だと思われたくない」気持ちが強いようです。
「〇歳に見えない」と喜んだら、まるで「〇歳が悪いこと」のようで、自分の生きてきた年月に失礼です。
家族には「ただ言ってるだけ」「いい加減慣れたら」と言われています。年齢を言わないようにしていますが、厳重に隠しているわけではないので、知られたときに余計に大騒ぎされます。
いろんなリアクションを試しましたが、まだ良い返しが見つかりません。
しら~っと無視するという手もありますが、感じ悪くしたいわけではないのです。うれしくもないのにお礼を言ったり、笑ったりする以外の対応ができたらうれしいです。
本心で「若く見えますね。健康のために気を付けてることはありますか?」と聞かれたら「毎日青汁を飲んでいます」と答えますが、わたしが戸惑うのは「〇歳に見えない」「(子どもの母親じゃなく)お姉さんだと思った」をなんか気を遣った感じでお世辞っぽく言われる場です。喜ばないといけないようで……。どうぞよろしくお願いします。
(いいかげん慣れたらさん、51歳)
プウ美ねえさんの回答
あなたの気づきと主張はとても正しいです。おっしゃるように積み重ねた年月を否定されるのはさびしいことですし、かってに若さ信奉者だと決めつけられるのも居心地悪いですね。
古く狭い社会ではびこった「じつは相手を喜ばせてないホメ言葉」はたくさんあります。体格がいい、グラマーだね、落ち着いてる、どれもだいたい年長者が発しがちで、言う側がきぶんよくなるだけです。文化として根付いていたとしても、気づいた私たちはひとつづつ潰していかなくてはいけません!
薄い付き合いの人や目上に使える対処法からいきましょう。まず絶対にへらへら笑わないこと。ほんの数ミリ秒ほど眉根を寄せ ”あなたの非常識な発言に驚いた” という演技でショックを与えてから、「職場でも身内でも軽く扱われてイヤなんです……」などと被害者ヅラで言います。鏡の前で練習しましょう。
ぎゃくに、仲良くなれそう、すでに仲がいい、しぜんに接したい相手には、笑顔のまま「それ全っ然うれしくない」と強めに言うとよいです。笑ったままネガティブなことを言われると大概の人は混乱して、以後ふれないようにしようという意識が植え付けられます。これも、練習しましょう。
本人が変えられない肉体的特性にはふれず、服や持ち物を積極的にホメる風潮をひろめたいものです。具体的な美点が見つからなければフンワリした雰囲気だけで十分です。今日も爽やかですね、素敵ですね、ゴージャスですね(嫌味にとられることがあるので対ドラァグクイーン限定で)などがよろしい。
今月のエプロンメモ
少しのあいだ関西にすんだことがありますが、大阪弁の「しゅっとしてますね」などはとても有能です。まったく具体性がないのに敬意と好意はダイレクトに伝わります。言われた側も謙遜せず「ありがとう」がいいやすいです。ホメは、皆が気持ちよくなるように、が鉄則です。
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