7月3日から放送を開始したテレビアニメ『推しの子』第2期(TOKYO MX)ほか。今期から登場した新キャラクターの1人を演じている声優・小野大輔について、業界関係者からは絶賛の声が上がった一方、今後の活動については“懸念点”もあるようだ。
目次
・『推しの子』、元乃木坂46・齋藤飛鳥で実写ドラマ&映画化
・テレビアニメ『推しの子』2期、原作者と脚本家の“軋轢”を描き反響
・脚本家役・小野大輔の“懸念点”とは?
『推しの子』、元乃木坂46・齋藤飛鳥出演の実写ドラマ&映画が今冬公開へ
『推しの子』は、「週刊ヤングジャンプ」、「少年ジャンプ+」(集英社)で連載中の同名漫画(原作:赤坂アカ氏、作画:横槍メンゴ氏)が原作。
物語はアイドルグループ「B小町」のメンバー・アイ(高橋李依)のストーカーによって殺された産婦人科医・雨宮吾郎が、アイが産んだ双子の兄・アクア(大塚剛央)に転生するところからスタート。同じく前世の記憶がある双子の妹・ルビー(伊駒ゆりえ)とともに、“推し”の元で成長していく中、アイが何者かによって殺され、2人は犯人を探るべく芸能界に足を踏み入れる――というファンタジーかつサスペンス要素のある作品となっている。
昨年4月期にテレビアニメ化し、YOASOBIが歌うオープニング主題歌「アイドル」も世界的ヒットを飛ばした『推しの子』は、今年11月にAmazon Prime Videにて実写ドラマ化が決定。元乃木坂46・齋藤飛鳥がアイ役を務め、12月にはその続きを描く映画も劇場公開される。
テレビアニメ『推しの子』2期、原作者と脚本家の“軋轢”を描き反響
実写化でファンの期待が高まる中、放送を開始したテレビアニメ第2期では、2.5次元舞台『東京ブレイド』へ出演することになったアクアたちのその後が描かれ、ネット上の視聴者の間では、漫画作品の舞台化にあたり原作者のアビ子(佐倉綾音)と脚本家・GOA(小野大輔)の間に軋轢が生じるストーリーが反響を呼んでいるようだ。
「現実でも、昨年10月期放送のドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)制作側と原作者である漫画家・芦原妃名子さんとの間にトラブルが発生。今年1月に芦原さんが亡くなるという事件が起きているだけに、『描写がリアルすぎてつらくなる』『それぞれの立場や事情があって、 考えさせられる』などの声が上がっています」(芸能ライター)
特に、10日放送の最新話「伝言ゲーム」では、担当編集やプロデューサーなど複数の人が間に入ることから言葉のニュアンスが変わり、アビ子からGOAへの脚本の修正意図が正確に伝わらず、指示が反映されなかったことでアビ子は激怒。自分で脚本を書き直すと言い出すという展開で、創作者としてのセンスを否定されたGOAには「アビ子先生の気持ちもわかるがGOAさんが本当につらい」「全力で取り組んだ結果が、原作者からこんな評価になっていて気の毒」などと同情の声も寄せられている。
『推しの子』脚本家役・小野大輔、業界評は上々も……ある“懸念点”とは?
なお、GOA役を演じているベテラン声優・小野大輔について、業界関係者は以下のように語る。
「声のキーが高い同世代声優が多い中、小野は落ち着いた声の持ち主であるため、競合が少ない。丁寧な演技をしますし、とてもストイックなタイプで、現場でも物腰が柔らかく、評判が良いです。小野と同じくらいの40~50代声優は自分の芝居に凝り固まるところがあり、知名度がある人は監督の指示を受け入れなかったりなど、扱いにくい者も多いんですが、小野は非常に柔軟で、現場のあらゆる意見も受け止め、自分のものにして演技で返すことができる。長く生き残れる声優だと思いますよ」(制作会社関係者)
業界内での評判は上々の一方で、個人事務所に所属する小野には懸念点もあるようだ。
「今は彼自身の知名度と実力でオファーが来ていますが、声優は人気商売でもあるので、一般的に年齢を重ねるとともに仕事量は減っていきます。彼はアーティスト活動も行っていますが、年齢と共にどうしても人気が陰り集客力は減るため、今後『どうやって売っていくか』を具体的に考え、行動できる存在が必要。大手声優事務所であれば、業界との強いコネがありますし、所属声優の売り方を考えられる優秀なマネジャーが何人もいますが、小野の事務所の場合、マネジメント力が弱いため、舞い込んでくる仕事を受けることしかできず、仕事が広がりにくいんです」(同)
とはいえ、2010年4月から高知県の観光特使を務め、17年9月からは佐川町初の佐川町観光大使にも任命され、地元のプロモーションに一役買っている小野。
実力、人柄ともに業界内評価は高いだけに、今後もさまざまな分野で活躍していってほしいものだ。