整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、片付けに悩む読者の自宅を使いやすく生まれ変わらせる連載シリーズ【「煩悩部屋」ビフォーアフター】。
連載企画『ビフォーアフター』新シーズンです。第9回目の片付けモニターは、港区・3LDKのマンションで暮らす4人家族のGさん(40歳)。今回は、汚部屋の片付けではなく、収納グッズを買わないで「賃貸暮らし」のキッチンを使いやすく手直しする特別編です。
目次
・【お悩み】「シンク下の収納棚」が使いにくい
・【お悩み①】観音開き&排水管が邪魔になって使いにくい
・【コの字ラック①】既製品より安く、撤去も簡単!
・【解決】お悩み①ビフォーアフター
・【お悩み②】コーナー部分の「デッドスペース」が使いにくい
・【コの字ラック②】カラーボックスの棚板を再利用して作成
・【解決】お悩み②ビフォーアフター
【お悩み】「シンク下の収納棚」が使いにくい
クライアントプロフィール
・Gさん(40歳)
・4人家族
・3LDK
・賃貸マンション
・東京都港区在住
「シンク下収納」に関するお悩み
①排水管が邪魔になって使いにくい
②デッドスペースが使いにくい
前回は安価で扱いやすい「パーチクルボード」を活用し、吊り戸棚に3枚の棚板を追加しました。今回は余った材料などから「コの字ラック」を作成し、写真①②「シンク下の棚」の収納を使いやすく手直ししていきます。
【お悩み①】観音開き&排水管が邪魔になって使いにくい
写真は全体のビフォー。左側の扉が観音開きで、右側には排水管が。鍋やフライパンが重ね置きされているので、必要なモノが「1回で取り出せない」状態に。奥に入っている道具も埋もれてしまい、使いにくくなっています。
シンク下は「左右を分割」する収納が正解!
収納スペースを無駄なく使い切りたいので、排水管と観音扉を中心にA側(約70cm)とB側(約40cm)で、空間を「左右分割」することにしました。A側のスペースに「コの字ラック」を作成していきます。
【コの字ラック①】既製品より安く、撤去も簡単!
前回余ったパーチクルボード(H27cm)2枚と合板(W68cm)1枚を組み合わせて、A側のスペースに「コの字ラック」を設置しました。今回の場合、外側で組み立てるとシンク下に入らないので、扉の内側で作業を行っています。
なお薄い木材を使用したり、より大きなサイズの棚を作成する場合は、写真の「※印」部分に棚受けなどの支えを用意すると良いでしょう。
【ポイント】集成材や合板なら、ネジ止めがやりやすい
集成材や合板は材質がやわらかいため、ネジの取り付けが簡単なのもうれしいポイント。「電動ドリル」を使えば、5分程度で組み立てることができます。
【A側(左)のビフォーアフター】道具がひと目で把握できる
A側のスペースに「コの字ラック」を設置するだけで、ひと目で道具が把握できるようになりました。既製品のシンク下ラックもありますが、低予算でちょうど良いサイズを求めるなら「作る」が正解です。
【B側(右)のビフォーアフター】腰を落とす空間は「大きな道具」を収納すると使いやすい
B側のスペースには、キッチンの作業台に出しっぱなしだった電気鍋を収納しました。腰を落とす空間には、小物よりも「重いモノ」を入れるのがおすすめです。どうしても小物を置きたい場合は、上から見渡せる「引き出しケース」を使うと良いでしょう。
【解決】道具がスッキリ収まって使いやすくなった
【お悩み②】コーナー部分の「デッドスペース」が使いにくい
写真はL型キッチンのコーナー部分。左奥に約40cm角の空間がありますが、モノが取り出しにくいので「デッドスペース」になりがちです。また今回の場合は片面扉がひとつなので、回転トレーやキャビネットを付けることもできません。
そこでこちらのスペースにも「コの字ラック」を設置して、収納を手直ししていきます。
【コの字ラック②】カラーボックスの棚板を再利用して作成
不要になったカラーボックスの棚板と化粧板の端材を再利用して、材料費0円で「コの字ラック」を作成しました。赤い点線部分を木工用ボンドで接着して、穴の部分でネジ止めをしています。
カラーボックスはジモティなら0円、リサイクル店なら500円程度で購入可能なので、材料費の負担を抑えたいという場合はおすすめです。
【解決】空間を2分割して収納力アップ!
奥のデッドスペースに「コの字ラック」を設置。空間を二分割することで収納力がアップしました。扉はひとつなので、ファイルボックスをズラしながら中の道具を取り出します。
「コの字ラック」ではなく既製品を使うなら、ダイソーの「ジョイントラック」やIKEA「ヴァリエラシェルフインサート」でも良いでしょう。予算感としては、約600〜800円ほどになります。