2001年の開業以来、急拡大している「丸源ラーメン」。看板メニューは、熟成醤油ラーメンの上に豚肉がどさっとのった「肉そば」です。実際に「肉そば」を食べて、同店が好調な理由を探っていきます。
※2024年3月11日公開の記事を再編集しています。
※価格はすべて税込。
※価格や商品は2024年3月6日時点の情報です。
※最新の情報は公式サイトや公式SNSをご確認ください。
※店舗によって取り扱い商品が異なります。
目次
・【丸源ラーメン】とは?
・肉そば759円を注文
・肉そば実食レポ
・肉そばの味変に感動
・丸源ラーメン、2つの惜しい点
【丸源ラーメン】とは?
「世の中にないラーメンを」というキャッチコピーとともに、北海道から沖縄まで全国展開するラーメンチェーン「丸源ラーメン」。運営会社は、食べ放題焼肉チェーン「焼肉きんぐ」で有名な物語コーポレーションです。
2001年の開業以来、急拡大しており、昨年には全国200店舗を達成。24年7月25日現在で213店舗にまで増加しています。
売上高・客数ともに「好調」と伝える経済メディアが目立ち、評判ではラーメン・餃子チェーン店舗数でトップの“餃子の王将”や2位の“リンガーハット”を猛追中です。
看板メニューは、熟成醤油ラーメンの上に豚肉がどさっとのった「肉そば」。04年に期間限定の「たっぷり背脂の肉そば」として登場、翌年にグランドメニュー入り。09年頃に看板商品に成長したという叩き上げのメニューです。
【丸源ラーメン】759円の「肉そば」を注文……提供スピードに驚き!
今回、筆者が足を運んだ丸源ラーメンの営業時間は10時30分~深夜1時まで。
店先では「1秒でも早く ご案内いたします」と書かれた看板がお出迎え。この「1秒」という文字に漂う店側の気迫に圧倒されつつ、店内へ……。
たまたまかもしれませんが、店員さんは全員女性。元気で感じがよく、接客時の笑顔が印象的でした。
カウンター席に座ると、目の前の中央にボックスティッシュがドーンと置かれ、その向こう側に注文用のタブレット、さらにその横には味変用の調味料やコップなどがキレイに設置されています。
ほかのカウンター席もまったく同じ配置だったので、店舗のマニュアルにそう記されているのでしょう。
また、席ごとにセルフサービスの冷たい緑茶が設置されており、「ラーメン屋といえば水」というイメージがあったのでこれには不意を突かれました。無料の飲み物が緑茶なのはポイント高し!
早速、タブレットから「肉そば」(759円)を注文します。
公式サイトに「注文ごとに1杯1杯手鍋調理で炊き込む」と書かれていたので、「結構、待たされるのかな?」と覚悟していたのですが、なんと注文ボタンを押してからわずか2分ほどで「肉そば」が登場。“富士そば”並みのスピード感に驚きです。
なお、「肉そば」の麺は+110円で「糖質50%オフ麺」に変更することも可能だとか。
【丸源ラーメン】「肉そば」759円を実食、「柚子こしょうおろし」が最高
まず、スープを口に運ぶと、いろいろなタイプの旨味が波のように押し寄せてきます。これまで食べたどの醤油ラーメンとも異なる、かなり複雑な味です。
公式サイトによると、“かえし”は数種類の醤油に加えて「鶏・豚・宗田鰹節、香味野菜など20種類以上の食材」を使っているそう。これに合わせるスープは「豚と鶏中心に香味野菜や昆布でうま味を加え(中略)うるめ干し、さば節、香味野菜、鶏がらを乳化させるベースとして、豚背脂、鶏脂、豚腹脂を使い、うま味と香りがあるスープに仕上げています」とのこと。どおりで複雑なわけだわ……。
口に入れた瞬間は背脂の旨味でパンチがありつつも、後味やのど越しはかなりすっきり。こってりラーメン好きにもさっぱり派の人にも、双方に受け入れられそうなオールマイティーな味です。
麺は細いながらもコシが強く、見た目以上に食べ応えがあります。
一方、大量に乗っている薄切りの豚肉は、脂だらけの豚バラかと思いきや、脂は少なめでこちらも噛み応え十分。中央にトッピングされている「柚子こしょうおろし」や「オニオンスライス」と一緒に食べると、さっぱりといただけて最高です。
大根おろしがのったラーメンは初体験でしたが、豚肉だけでなく麺に絡めてもおいしいですね。これは大発見!
【丸源ラーメン】名物“4回味変”を体験! スープが激変
丸源ラーメンの「肉そば」は、ラー油や酢などで“味変”が可能。ベーシックな味を含めて「4つの味」が楽しめるそうです。
ということで、まずは壺に入った「どろだれラー油」を入れてみます。すると、濃厚な辛みが後を引く一杯に変化。これは何杯か多めに入れて、「辛ラーメン」的な感覚で食べるのもおいしそうです。
ちなみに、この「どろだれラー油」は瓶入りのものが410円で店内販売されているほか、ネットショップでも購入できます。
続いて、揚げにんにくを投入。カリカリとした食感が楽しく、結局、追加で3杯入れてしまいました。
気に入ってしまったので、家で「サッポロ一番」を食べる際も揚げニンニク入をれたい……。
ラストの味変アイテムは、丸源ラーメンオリジナルの酢。
酢のボトルには「肉そばの〆にレンゲ半分の酢を入れると飲み干したくなる美味しさに」との説明があり、「そんなに入れて大丈夫?」と思いつつ、表示どおりの量を入れてみます。
すると、さっぱりとしたまったく別のスープに激変。そして、なぜか酸っぱくない!
「なんで?」と不思議に思い、試しに酢だけをレンゲに入れて飲んでみると、やはり酸味は少なく、ストレートでゴクっといけるほどマイルド。スープとの相性がすこぶる良く、まんまと最後の一滴まで飲み干してしまいました。
【丸源ラーメン】少し遠くても「行きたい!」と思う理由
今回食べた「肉そば」は、ほかの店では食べられないオリジナリティがぎっしり詰まっていながら、誰もが「好き」と感じられるような“器用”な味。
これまで家族でラーメン・餃子チェーンに行く際は、近所の「餃子の王将」を利用していましたが、これからは少し遠くても「丸源ラーメンに行きたい!」と思うほどファンになってしまいました。
また、丸源ラーメンはラーメン以外のメニューやお子さまメニューも充実。107円のソフトクリームといったお手頃価格のデザートまであるので、ファミリー層にウケているのは当然かもしれません。
そんな一見非の打ち所がない丸源ラーメンですが、味もサービスも最高だけに、店の外観がいかにも“国道沿いのラーメン屋”といった印象なのが「ちょっと惜しいなあ」と感じてしまいました。
というのも、丸源ラーメンの店内はとても清潔で、タブレットでの注文から自動精算機での支払いもシステマチック。女性1人でも入りやすいお店であるのですが、ゆえに看板の印象とのギャップを感じずにはいられませんでした。
もちろん外観デザインは店舗によって多少異なるでしょうし、あくまでも個人的な意見にすぎませんが、女性やファミリーが入りやすい店であることが、もっと伝わるといいな……と思った次第です。
また、カウンター席でおいしいラーメンを食べながら、ずっと気になっていたことがあるんです。それは目の前に置かれたボックスティッシュ。
すぐに取り出しやすい位置にあるのはありがたいのですが、過去にはねたラーメンスープと思しきシミがたくさんついていて、「汚いなあ」と感じてしまいました。
それでなくても、ティッシュの位置のせいでタブレットが押しにくかったので、「なぜティッシュはここなのだろうか……」とむず痒さを感じずにはいられなかったんです。
テーブル席なら目の前にボックスティッシュが鎮座することはないので、他人のスープジミが気になる人はテーブル席をおすすめします!
以上、惜しいところが2点だけあったものの、「肉そば」の味や、徹底したサービスには大満足! 次回行った際には、「肉そば」に「どろだれラー油」をドバっと入れて食べたいと思います。
追記:ティシュの位置が変わってタブレットが押しやすくなった!
すっかり「丸源ラーメン」のファンになった筆者。3月に記事を公開後、再び店を利用したところ、カウンター席の様子が変化していてびっくり!
上述していた「ボックスティッシュの位置」問題がすっかり解決されていました。ティッシュはソフトパックのものに変わり、タブレットの後ろに置かれています。テーブルが広く使えるようになってスッキリ!
全店がこうしたスタイルに変わったかは不明ですが、ますます「丸源ラーメン」のファンになりました。