7月28日に放送された成田凌主演ドラマ『降り積もれ孤独な死よ』(日本テレビ系/日曜午後10時30分)の第4話。原作漫画で描かれていない重大な設定が明らかとなり、ネット上で物議を醸している。
目次
・ドラマオリジナル設定が登場
・大幅改変が物議醸す
・原作者の“太鼓判”を強調
『降り積もれ孤独な死よ』ドラマオリジナル設定が登場
読売テレビ制作による『降り積もれ孤独な死よ』は、アプリ「マガジンポケット」で連載中の井龍一氏と伊藤翔太氏による同名漫画を原作としたノワールサスペンス。
成田凌演じる主人公の刑事が凶悪事件の真相を追っていくストーリーで、ほかに小日向文世、吉川愛、萩原利久らが出演する。
「第1話の冒頭から血だらけの少年が登場したり、白骨化した13体の子どもの遺体が登場するなど、プライム帯ドラマとしてはかなり攻めた印象。それで視聴者層が限定されてしまったのか、平均世帯視聴率は第3話、第4話ともに3.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人も2%程度と苦戦しており、ヒットとは程遠い状況です」(テレビ誌記者)
※以下、『降り積もれ孤独な死よ』第4話のネタバレを含みます。
第4話では、原作でまだ描かれていない「リッカのマーク」の意味が判明。
灰川十三(小日向)と同居していた子どもたちが共有している「リッカのマーク」だが、灰川の唯一の理解者であった犬山修二(吉村界人)がその意味について「ハチの巣、亀の甲羅、トンボの羽、それに雪の結晶。これは、この世界でいちばん強い形だ。創(灰川の本名)、おまえはダメじゃない」と説明するシーンが登場したのだ。
大幅改変が物議「安っぽくなってきた」
このほかにも、「灰の雪」が大気汚染によるものであったり、灰川の死に方など、原作からの改変が随所に見られるドラマ版。
ネット上では「原作と随分違うけど、これはこれで面白い」と好意的な声が上がる一方で、「ドラマ版はオリジナル要素がどんどん増えて、安っぽくなってきた印象」「大幅に改変してるけど、本当に原作者は了承してるの?」と疑問の声が散見される。
一部視聴者からネガティブに捉えられてしまう一因には、やはり原作者の漫画家が亡くなった『セクシー田中さん』の騒動で、多くの視聴者が日テレに不信感を募らせていることが挙げられるだろう。
「日テレは『セクシー田中さん』騒動後にも、4月期の『ACMA:GAME アクマゲーム』など漫画原作モノを放送。『ACMA:GAME アクマゲーム』の放送中は、原作者のメーブ氏がX上でドラマ版の詰めの甘さをいくつも指摘していたため、ネット上では日テレに対し『これ以上、原作の改悪をするな』などと批判が飛び交っていました」(同)
日テレ、原作者の“太鼓判”を強調
日テレもそんな状況に焦っているようで、これまでに『降り積もれ孤独な死よ』の原作者・井龍氏の“太鼓判コメント”を複数回にわたり公開。
放送前には、井龍氏による「原作が未完結という事もあり思う存分にオリジナルの展開にして下さいとこちらの方からもお願い致しました」「企画から脚本までを拝見した限りとても原作にリスペクトを持って、より面白いものを作るぞという意気込み&熱量が感じられる内容になっていると思います」といったコメントを公開。
第1話放送後も、同様に井龍氏による「めちゃくちゃ良かったです!」「いや~感動しました! 原作者としても本当に満足の第1話でした!」といった絶賛コメントを公開し、原作者のお墨付きであることを強調していた。
とはいえ、視聴者が「改悪」と判断すればドラマ版の評判は下がってしまうため、未完の原作をドラマ版がどう完結させるのか注目される。
今後、オリジナル要素がますます物議を醸しそうな『降り積もれ孤独な死よ』。そもそもオリジナル脚本を制作すれば、原作ファンから野次が飛び交うこともないと思うのだが……。