まるで海の家に来たかかのような気分で、新鮮な魚介類を目の前に置かれた卓上コンロで焼いて食べられることでおなじみの海鮮居酒屋「磯丸水産」が、近年、店舗数を減らしていることをご存じでしょうか?
一方で、SNS上を見ると、ランチメニューが「コスパ最強」「値段もボリュームも満足」などと評判のようです。早速実態を確かめるため、店舗に行ってみました!
※価格やメニューは2024年8月13日時点の情報です。
※価格はすべて税込。
※店舗によって価格やメニューが異なる場合があります。
※最新の情報は公式サイトをご確認ください。
目次
・【磯丸水産】98店舗まで減少の今
・【磯丸水産】ご飯もののメニューは40種類!
・【磯丸水産】1,209円刺身定食、逆に量を減らしてもいい!?
・競合の「さくら水産」超えでコスパ抜群
【磯丸水産】「浜焼き」スタイルの話題性も尽きた? 155店舗から98店舗まで減少の今
「磯丸水産」は、1984年に東京・吉祥寺で創業した手羽先唐揚専門店「鳥良」から始まり、現在は「鳥良商店」「きづなずし」など15のブランドを持つSFPホールディングスが、関東・近畿地方を中心に運営しています。
2009年2月、東京・吉祥寺に1号店がオープンすると、魚貝類を卓上コンロを使用して自分で焼き上げる「浜焼き」スタイルを都市部で安く楽しめることが人気を呼び、13年8月には近畿地方に進出。その後もどんどん店舗を拡大していき、15年9月期に100店舗を突破。SFPホールディングス全体の売上高は285億円、営業利益は30億円だった中、「磯丸水産」が155店舗まで増えた17年2月期には売上高359億円、営業利益は33億円にのぼりました。
こうして、SFPホールディングスの主要事業となった「磯丸水産」ですが、開店当初は物珍しさで注目を集めたものの、次第に話題性も尽き、競合の海鮮系居酒屋と同様に客足が伸び悩むように。
SFPホールディングス公式サイトで公開されている「2025年2月期 第1四半期決算補足資料」によると、24年5月期時点では98店舗まで減少しています。
【磯丸水産】ご飯もののメニューが驚異の40種類!
そんな「磯丸水産」のランチ営業は、午前11時~午後5時まで。24時間営業の店だからこそできるであろう、長めの時間設定です。
ランチ時の提供メニューは、以下のセットメニューが中心となっています。
・「お刺身盛り合わせ定食」1,209円
・「まぐろ2種盛り定食」1,209円
・「ホッケ焼き定食」1,055円
・「サバの塩焼き定食」1,055円
・「厚切り甘塩鮭定食」1,055円
・「海鮮ミックスフライ定食」1,055円
・「大判アジフライ定食」1,055円
・「うなぎ蒲焼定食」2,188円
・「磯丸ちょい寿司セット」967円
・「選べる海鮮小丼ぶりとそばセット」1,209円
・「選べる海鮮小丼ぶりとうどんセット」1,209円
そのほか、まぐろやねぎトロ、漬け丼、釜揚げしらす丼、海鮮丼、サーモン丼、鯛丼、うな丼などの種類豊富な丼ぶりもあり、ご飯ものは驚異の全40種類! さらに、小鉢やミニうどんなどのサイドメニューがあります。
これまで、居酒屋としてしか利用したことがなかった私は、メニューの充実っぷりに驚きました。
【磯丸水産】「お刺身盛り合わせ定食」1,209円、逆に量を減らしてもいいと思った一品とは?
今回、私が選んだの、メニュー表の一番最初のページに出てくる、1,209円の「お刺身盛り合わせ定食」。まぐろ赤身、ぶり、サーモン、鯛のお刺身4種類に、週替りの1品、ポテトサラダ、とろろ昆布うどんor海苔汁、漬物、プチデザートがセットになっています。
まずはお刺身から。どれも鮮度抜群で、お皿の上で光り輝いています。まぐろ赤身はねっとりとした食感がおいしく、サーモンは臭みもなし。鯛は適度な歯ごたえがあり、どれもおいしかったのですが、中でもぶりは脂と旨味のバランスが良く、絶品でした。
週替りメニューは、白身魚のフライで、これがなかなかボリューミー。衣はサクサク、中の身はプリップリでふっくらしています。贅沢を言えば、くし切りのレモンがあるとうれしかったかも……。
ご飯はやや固めで、一粒一粒がしっかりしています。今回、あえてお昼どきを外し、ランチタイムが終わるギリギリの夕方4時頃にお店に行ったんですが、お米が黄ばんでいたりベチャベチャしていることもなく、炊きあがりのおいしさが保たれているように感じました。
なお、汁物は、とろろ昆布うどんと海苔汁の2種類の中から選べたので、私は海苔汁をチョイスしたんですが、メニューの写真のうどんと同じ、やや大きめのお椀で提供されたので、思わず心の中で「デカっ」とつぶやいてしまいました。
磯の香りが漂うお味噌汁の味自体はおいしかったのですが、量が多いせいですべて飲み切る頃にはおなかがちゃぽんちゃぽんに。最後までおいしく飲み切るためにも、逆に少し量を減らしてもいいのではないかと思った次第です。そして、海苔汁を選ぶ場合は10円とか20円とか若干値引きしてくれるとうれしいなとも思いました。
【磯丸水産】刺身定食が「さくら水産」超え! コスパ抜群で“定食屋”としての利用も◎
物価高の今、ランチメニューが1,000円を超えるお店は少なくありません。ちなみに、ライバル店「さくら水産」には、お刺身5種類、小鉢の冷奴がついてくる1,350円の「魚河岸お刺身5点盛り定食」というランチメニューがあります。
お刺身の種類は少ないですが、週替りの1品料理とデザートがついて1,209円ですから、断然「磯丸水産」のほうがコスパがいいといえるでしょう。
なお、前項で紹介した「お刺身盛り合わせ定食」などのランチメニューは、一部を除いて午後5時以降も食べられるそう。
筆者の中での「磯丸水産」は、24時間営業でわりとどこにでもあることから、海鮮系の居酒屋に行きたいけど、良さそうな店が見つからずに、困ったときに行く“最後の砦”的な立ち位置だったんですが、これからは、ガッツリ魚定食を食べたくなったときに行きたいお店に加わりました。
「ランチは手軽に済ませたいから、1,200円出すのはちょっと……」という人も、夕食なら多少は敷居が下がるのでは? 居酒屋利用以外にも、定食屋として利用してみてはいかがでしょうか。