ヘンリー王子とメーガン夫人の4日間にわたるコロンビア訪問にかかった警備費用が莫大だったことで、同国内で副大統領に対する批判が高まっている。英メディアは王子夫妻を強く批判し、大きな波紋が広がっている。
目次
・コロンビア議員「金持ちの白人に我々の税金が使われた」と批判
・ヘンリー王子夫妻のコロンビア訪問は「どれほどの意味があるのか?」
コロンビア議員「金持ちの白人に我々の税金が使われた」と批判
現地時間8月15日から4日間の日程でコロンビアを訪問したヘンリー王子とメーガン夫人。Netflixの『ハリー&メーガン』に感銘を受けたフランシア・マルケス副大統領の招待により実現したもので、コロンビアは万全の警備体制を取り夫妻を迎えた。
英大手タブロイド紙「デイリー・メール」によると、コロンビアの地元紙は夫妻の警備にかかった費用が150万ポンド(約2億8700万円)だったと伝えたという。
1日あたり37万5000ポンド(約7100万円)のこの警備費用には、3,000人の警官と兵士、ヘリコプター、探知犬、爆弾処理部隊に、狙撃兵の攻撃に備えて防弾ブリーフケースや防弾シールドを持った常駐の警備員などが含まれていたとのこと。副大統領自身、2度危険な目に遭っていることから、念には念を入れた警備体制をひいたものと見られている。
王子夫妻は危険な目に遭うことはなく全日程を終了しアメリカに帰ったが、国民の3分の1が貧困に喘いでいるコロンビア国民の多くはこの警備費用について「あまりにも高すぎる」「無駄遣い」だと憤りを感じているとのこと。
保守派の議員、アンドレス・エスコバルは「デイリー・メール」に取材に対して、「副大統領は自分の虚栄心を満たすために公金を浪費した」「写真撮影やソーシャルメディアのために金持ちの白人に我々の税金が使われた」と強く批判。「飢えを抱え、生きていくための必要最低限なものすらないコロンビア人が多くいるのに」と怒りをあらわにした。
マルケス副大統領は過去に「ヘリコプターをタクシーのように使う」と批判を浴びたことがあり、その時には「自分自身の安全のため」だと主張し炎上。グスタボ・ペトロ大統領の側近による相次ぐスキャンダル、大統領の長男と元妻が資金洗浄容疑で逮捕されるなど「ペトロ政権は腐敗している」という国民から批判を浴びまくっているため、これらの問題から目をそらすために王子夫妻を利用したのではないかと感じている人が多いようだ。
ヘンリー王子夫妻のコロンビア訪問には「どれほどの意味があるのか?」
この副大統領の期待に応えたのがメーガン夫人で、ジュエリーを含めると4日間で9万ポンド(約1700万円)のファッションを披露したという。
ベロニカ・ビアードのベスト&トラウザー、コロンビアブランドのジョハンナ・オーディズのドレス、ヴィクトリア・ベッカムのシャツ、ジャミーラのジャケット、オスカー・デ・ラ・レンタのドレスなどなど、高級な衣服や煌びやかなジュエリー、ダイアナ元妃も身に着けていた腕時計やイヤリングは大きな話題になった。
この衣装についてネット上では、「慈善活動目的で訪問しているはずなのに、こんなに派手に衣装替えばかりするのは異常」「私を見て! と言わんばかりだね」「貧しい人が多い国を訪問しているという配慮なんてないね」と炎上。「貸衣装なんじゃないの。私が着たら宣伝になるからってブランドに声をかけて提供させたんでしょ」「いやどのデザイナーも彼女に貸したがらないでしょ。イメージ悪くなるし」などという声も上がっている。
英紙「ザ・サン」は、「昨年12月に(エドワード王子の妻)ソフィー妃がコロンビアを訪問したが、シニアロイヤルは国を代表してるため、大使館などからその国や地域に関する十分な情報や知識を得た上で訪問している」「ヘンリー王子とメーガン夫人が、コロンビアについてどれだけ学び知識を得て訪問したのか」「どれほどの意味があるツアーなのか」と疑問を投げかけ、「もし北朝鮮に招待されたら、2人は喜んで行くのではないか」と皮肉った。
また、どこに行ってもヘンリー王子はイギリス国王の息子、ダイアナ元妃の息子として見られるため、「プライベートな訪問だ」と主張しても、「王族」として見られ、「王族」扱いされることも指摘。王室を離脱していても、ヘンリー王子とメーガン夫人の発言は王族の発言として見られ、時として王室にネガティブな影響を与えることになるとも懸念した。
ナイジェリア訪問も炎上したが、コロンビア訪問も炎上に終わったヘンリー王子とメーガン夫人。危険な国ばかり訪問しているが、2人は海外ツアーを気に入っている様子。次はどの国を訪問するのかに、注目が集まっている。