大ヒット公開中のディズニー&ピクサーアニメ映画『インサイド・ヘッド2』。業界関係者は、日本語吹き替え版声優たちの演技を高く評価しているようだ。
目次
・『インサイド・ヘッド2』、興収43億円突破で前作超え
・故・竹内結子さんの後任、小清水亜美の演技がと高評価
・声優・小清水亜美、「安定した演技」でも今後が心配?
・シンパイ役・多部未華子は「成功例」!
アニメ映画『インサイド・ヘッド2』、興収43億円突破! 前作の記録上回る
2015年7月に公開され、16年2月にアメリカ・カリフォルニア州で授賞式が行われた『第88回アカデミー賞』で「長編アニメーション賞」を受賞した『インサイド・ヘッド』の続編になる『インサイド・ヘッド2』。
擬人化された“感情たち”を通して、主人公の少女・ライリーの心の成長や家族との絆を描いた物語で、今作は、ティーンエージャーに成長したライリーの中に、大人になるための新しい感情たちが出現。頭の中で巻き起こる“感情の嵐”の中で自分らしさを失っていく――というストーリーが展開される。
「8月1日に封切られると、週末3日間で動員39万8800人、興行収入5億3600万円を記録し、『全国週末興行成績ランキング』でアニメ映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』(同2日公開)に次いで2位となりました。2・3週目は首位を奪取したものの、4・5週目は満島ひかり主演の『ラストマイル』に1位を譲り再び2位に。とはいえ、今年公開の洋画で最速となる公開28日間で興収40億円超えを達成。また、前作の興収40.4億円も上回るなど、好成績を収めています」(アニメ誌ライター)
ネット上では、映画を鑑賞した人から、「感情の変化と、周囲との関係性に悩む思春期の心が前作同様丁寧に描かれていた」「わかりやすく、キャラの個性も立ってるし親子で楽しめた」「大人も泣ける映画だった」などと好意的な感想が上がっている。
故・竹内結子さんの後任、小清水亜美の演技が「リスペクトを感じる」「そっくり」と高評価
なお、今作では、前作でライリーの吹き替えを担当した元子役の伊集院茉衣に代わり、女優・モデルの横溝菜帆が出演。また、故・竹内結子さんが演じたヨロコビ役には、声優の小清水亜美が起用された。
新たな4つの感情の吹き替えは、女優の多部未華子(シンパイ役)、お笑い芸人のマヂカルラブリー・村上(ハズカシ役)、声優の花澤香菜(イイナー役)や坂本真綾(ダリイ役)らが担当している。
SNSを見ると、特に竹内さんから役を引く継いだ小清水の演技について「リスペクトを感じるヨロコビの声で良かった」「そっくりに演じてた」「竹内結子さんのいいところを引き継いだ感じだった」「あらためて声優さんのすごさを感じた」と高く評価する声が相次いでいるようだ。
声優・小清水亜美、「安定した演技」でも今後が心配なワケ
小清水は、2003年2月にアニメ『明日のナージャ』(テレビ朝日系)の主人公・ナージャ役で声優デビューを果たし、『交響詩篇エウレカセブン』(TBS系、05年4月~06年4月)のアネモネ役をはじめ、『スイートプリキュア♪』(テレビ朝日系、11年2月~12年1月)の北条響/キュアメロディ役など、人気作品のキャラクターを多く演じてきた。
そんな彼女について、業界関係者は以下のように評価する。
「彼女は現在38歳。その年齢でコンスタントに人気作に出演しているのは、結果を残せている証しです。同年代だと日笠陽子、沢城みゆきら実力派がいる一方、新田恵海、内田彩らアイドル声優も多いですが、小清水は前者のように声優仕事に重きを置いてきた人。女性声優が注目されるようになり、人口も増えた分、引退した人も多い世代ではありますが、彼女はふるいにかけられて生き残った実力者のひとりです」(制作会社関係者)
また、小清水は「安定した演技ができる人」(同)だそう。
「今回の『インサイド・ヘッド2』も、アニメ声の演技ではなく、自然な演技をしていました。おそらく竹内さんへのリスペクトもありつつ、大竹、多部ら女優陣の演技に合わせてキャラクター作りをしたのでは。必要とされている役に合わせられる能力の持ち主です。ただ、フリーを経て22年1月に声優事務所を立ち上げたようですが、所属タレントは自身を含め3名のみ。彼女が社長として3人をマネジメントしていくつもりなのか、本人もプレイヤーに徹するのかわかりませんが、 声優は年齢を重ねるとどうしても仕事が先細りになりますから、今後の活躍が心配ではあります」(同)
シンパイ役・多部未華子、「女優が声優の演技をした成功例」!
なお、小清水のほか、SNS上ではシンパイ役の多部の演技ついても、「違和感がないどころか声優さんだと勘違いするくらいうまかった!」「エンドクレジットを見て驚いた 全然気がつかなかった」と絶賛の声が続出している。
実際、プロの目から見ても、「キャラクターをうまく掴みながら、良い芝居をしている」(同)ようだ。
「多部はちょっと声質を変えて演技をしています。その役になりきろうとした結果、あの声が出たのでは。それがピッタリとはハマっており、女優が声優の演技をした成功例ともいえるでしょう。プロの声優以外の芸能人がアテレコをすると『これは声優にやらせたほうがいい』というのがほとんどですが、『この役は多部さんが演じたほうがいい』と思わせる演技で、全く違和感がありませんでした」(同)
業界関係者からもメインキャストの演技が高く評価されている『インサイド・ヘッド2』。興収はいったいどこまで伸びるのか、今後も注目したい。