下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
最悪だった。10月20日に放送されたNHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』。何が最悪かって、それは今週の女性週刊誌報道と大いに関係がある。今回は、そんな最悪の『Nスペ』を念頭にランキング!
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・Snow Manは紅白に出場するのか
・NHKの無責任ぶりが露呈したNHKスペシャル
・「MY FIRST STORY」・Hiroの母、森昌子に注目のワケ
・追悼・西田敏行
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第720回(10/17〜10/22発売号より)
1位「独占詳報Snow Man、B’z筆頭候補!『紅白出演者』大乱戦!」(「女性セブン」11月5日号)
同「Snow Man紅白辞退で『大晦日にファンの傍に』」(「女性自身」11月5日)
2位「森昌子 結婚発表三男へ『孫の面倒は絶対に見ない』鬼母宣言」(「女性自身」11月5日号)
同「子どもを“番号呼び”、いたずら…三男結婚で懸念される森昌子の姑力」(「週刊女性」11月5日号)
3位 女性週刊誌3誌ともに報じた西田敏行追悼特集
Snow Manは紅白に出場するのか
旧ジャニ起用への動きは本当だった。10月16日、NHKの稲葉延雄会長が定例会見で「被害者への補償と再発防止の取り組みに加え、(スマイル社とスタート社の)両社の経営の分離も着実に進んでいることが確認できた」として、旧ジャニタレントの出演依頼を制作現場の判断で可能にすると正式に発表した。“紅白に向けた判断ではない“とする一方、『NHK紅白歌合戦』のキャスティングも例外でないらしい。
これを受け、「女性セブン」と「女性自身」が特集を組んでいる。まずは「セブン」。昨年、旧ジャニタレント出場がなかった紅白の視聴率が過去最低だったことで、話題作りに躍起のNHKが切望するのはSnow Manの出場だという。
しかし問題がある。昨年の大みそか、紅白出場を拒否された旧ジャニたちは、グループごとに動画配信を行い、Snow Manも同時視聴者数133万人という驚異的な数字を記録した。よってファンを大切にするSnow Manのこと、紅白に出場するか昨年同様に配信を行うか「簡単に結論は出せない」という状況らしい。
一方の「女性自身」も同様の理由から「国民的音楽番組である紅白も“何よりも優先すべきではない”という認識で、オファーがあっても辞退する可能性が高いといいます」として、タイトルにも“紅白辞退”と断定。
しかし、記事を読むと雲行きは怪しい。メンバーの意思は“辞退”と決まっているが、STARTO社を代表するグループゆえ、一役買う可能性もある。その場合は中継での出場も、だって。辞退なんだか、出場なんだかさっぱりわからない。まだ“何も決まっていない”というところだろう。
それにしても問題はNHKである。「セブン」も「自身」も、今回の旧ジャニ再起用と紅白の関係について言及している。
「このタイミングで起用再開を発表したのは、旧ジャニーズの面々に紅白に出場してもらいたいという思いがあるからでしょう」(セブン)
「“紅白の制作に向け判断したわけではない”と説明していましたが、通例では11月中旬に紅白の出場者が発表されており、STATO ENTERTAINMENT社と交渉が始まることは間違いありません」(自身)
そう、今回の再起用発表は、すべて紅白に旧ジャニを出場させるため、ということだ。
NHKの無責任ぶりが露呈したNHKスペシャル
そして冒頭の『Nスペ』も同様だ。16日の旧ジャニ起用再開の会長会見の直後というタイミングで放送された『Nスペ』のジャニーズ特集。紅白に向けたみそぎのつもりだったのだろう。でも内容は、あまりにひどかった。
すでにネットなどでも炎上しているが、ひとつは被害者家族に対するSMILE-UP.社の対応のひどさだ。
番組では3年前に亡くなった初代「ジャニーズ」のメンバー・中谷良氏(享年74)の姉がSMILE-UP.社の補償本部本部長と電話で交渉するシーンがあったが、本部長は「誰が何に謝るんだ」などと暴言ともとれる発言を何度も行い、また中谷氏の著書『ジャニーズの逆襲』でジャニー喜多川氏の性癖を暴露したとして「弊社が痛めつけられた」「つらい目にあった」などと被害者ヅラまでする始末。
まったく反省などしていない、その体質はまったく変わっていないことが明らかになった瞬間だったが、それ以上にひどかったのは、NHK自身のあまりの無責任ぶりだった。番組では旧ジャニタレント起用を増やし続け、大河ドラマにも抜擢するなど旧ジャニとNHKの関係が説明された。続いて「こうした背景に何があったのか」とその分析や考察が始まるのかと思いきや、驚きの展開が待ち構えていた。
「職員やOB40人を取材、問題意識の低さやタレントの起用についての証言はあったものの背景を明確に語れる人はいなかった」
以上、である。あぜんぼうぜんだ。続いて、その背景を語れる可能性のある人物として、元NHKの理事でSTARTO ENTERTAINMENTの顧問を務めているという若泉久朗氏に直撃するも、しかし若泉氏は逃げるように証言を拒否。
要するに、身内40人に話を聞いたが、なんら肝心なことは聞けず、仕方ないから一人のOBをスケープゴートにしようとしたが、それも失敗、というより最初からきちんと取材、検証する気などさらさらなかったとしか思えない無責任ぶりだ。身内に対して大甘ともいえる。
本欄でもすでに指摘したが、渋谷のNHK放送センターの西館には“魔の7階”と呼ばれるリハーサル室があり、元ジャニーズJr.の二本樹顕理氏が「この部屋でジャニー氏が、小学生のメンバーを膝の上に乗せていた」と証言、またこの階の男性トイレで性加害が行われたとの報道もあった。
しかし番組では、それもスルー。さらに、前述のようにSMILE-UP.社のあまりにひどい対応を放送しておきながら、会長会見では「被害者への補償と再発防止の取り組み」を評価して旧ジャニの起用再開を公表する。厚顔無恥にもほどがあるとは、こういうことだろう。
NHKは決して反省などしない――。
「MY FIRST STORY」Hiroの母、森昌子に注目のワケ
改めて森昌子が面白い。昌子の三男でロックバンド「MY FIRST STORY」ボーカル・Hiroが女優の山本舞香との結婚を発表した。それでもって女性週刊誌が注目したのは、Hiro本人ではなく母親の昌子。そこで語られる昌子はぶっ飛んでいる。
3人の男児を産み育てた昌子だが、そのスパルタぶり、3兄弟を1番2番3番と呼ぶ破天荒さ、しかしそれらエピソードは“かなり盛られている”と息子自身に暴露されたこと、さらに今回結婚した三男のHiroだが、昌子の住所を知らず6年も会っていないこと、また次男の結婚式に「勝手に日程を決めた」「父親(森進一)が出ると聞いたから、どっちかが出ればいいと思った」と欠席したことなどなど、改めて読むと面白すぎるエピソードが満載だ。
昌子は自身もスターだったが、同じくスター歌手の森進一と結婚、そして長男はロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカル・Takaで三男はHiro。これだけでもすごい。そして2019年に引退した昌子だが、朋友の山口百恵同様、いまだに語られることもすごい。
追悼・西田敏行
名優・西田敏行が逝去した。特にここ数年、体調不良などが伝えられていたが、自宅での突然の死。当然、女性誌3誌ともが、その追悼特集を組んでいる。
その軌跡、活躍を改めて読みながら西田のあるエピソードを思い出した。サイゾーウーマン編集長から聞いた、あるスキャンダル。怖くて書けない――。封印しよう。合掌。