パンと具材の多様な組み合わせが楽しめる「サブウェイ」。野菜たっぷりでヘルシーなイメージがありますが、ダイエット中に食べるのはどうなのでしょうか。今回は管理栄養士の猪坂みなみ先生に、太らない選び方&おすすめベスト5を教えてもらいました。
目次
・【サブウェイ】ワタミ傘下に! 出店ペースに注目
・サンドイッチの栄養素的な特徴
・【サブウェイ】ラインアップの特徴
・【サブウェイ】おすすめの具材第5位:ツナ
・【サブウェイ】おすすめの具材第4位:ローストビーフ
・【サブウェイ】おすすめの具材第3位:てり焼きチキン~焦がし醬油仕立て~
・【サブウェイ】おすすめの具材第2位:サラダチキン
・【サブウェイ】おすすめの具材第1位:チリチキン
【サブウェイ】ワタミ傘下に! 出店ペースに注目
10月25日、外食大手のワタミが日本サブウェイを子会社化したと発表。Subway Internationalとの10年間のマスターフランチャイズ契約も結んだとのこと。
ワタミは自社で有機野菜農場「ワタミファーム」を持つことから、そこで収穫した野菜を使用した商品の提供や開発、そしてワタミが培ってきた和風の味の導入も考えているといい、メニューに変化がありあそうです。
同社の渡辺美樹会長兼社長CEOは、今後の展望について「“居酒屋のワタミ”という代名詞から“サブウェイのワタミ”に変えたい」と意気込んでおり、25年2月~3月あたりに「東京の超一等地にフラッグシップ店を出して、その時までにはオリジナルメニューを作って皆様にご提示したい」と語っています。また、フラッグシップ出店時には「ウルトラCのような人が集まる仕組みを発表する予定」とのこと。
サブウェイは現在、日本国内で178店舗ですが、10年以内に国内200店舗、20年で3,000店舗の展開を目指すといい、今後の出店ペースに注目が集まります。
サンドイッチの栄養素的な特徴
――サンドイッチの栄養素的な特徴を教えてください。
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) サンドイッチは、中身にもよりますが、パンでエネルギー源となる糖質を、具のハムやえび、たまご、ツナなどからたんぱく質を、野菜から食物繊維などをバランスよく摂ることができます。
ただし、サンドイッチに挟むことができる具の量には限界があるため、サンドイッチひとつだけで栄養バランスを完璧に整えるのは難しいでしょう。具が少ないタイプのサンドイッチの場合は、ゆで卵入りのサラダやシーフード入りのスープなどを追加して栄養を補給できると、よりバランスが整います。
――ダイエット中に食べる場合、気をつけるべきポイントがあれば教えてください。
猪坂 ダイエット中に気をつけたい点としては、マヨネーズやバター、濃厚なソースがたくさん使われていたり、具としてベーコンやとんかつ、フライなどが入っていたりすると脂質の摂りすぎにつながりやすいというところですね。
またサンドイッチには、野菜が特に不足しやすいという特徴もあります。そんなときは、サラダやスープなどもプラスすると、余分な脂質や糖質の吸収を防止してくれる食物繊維を補給できるのでおすすめです。
【サブウェイ】ラインアップの特徴
――サブウェイのラインアップに特徴はありますか?
猪坂 サブウェイのラインアップは、ヘルシーな具材が多いと思います。例えば、コンビニなどですとハムカツやとんかつなどの揚げ物が挟んであるサンドイッチも多いと思いますが、サブウェイではサラダチキンやえび、ローストビーフなどのように低脂質な食材がしっかり揃っています。
また、季節ごとに新しいメニューが登場するので、1年中、飽きることなく楽しめるのも特徴であり魅力のひとつですね。
【サブウェイ】パンの特徴
――パンが4種類ありますが、違いがあまりわからず迷ってしまいます。それぞれの特徴を教えてください。
猪坂 サブウェイで選べるパンには、ウィート、ホワイト、セサミ、ハニーオーツの4種類があります。
ホワイトは最もプレーンなパンで、最も低カロリー(179kcal/レギュラーサイズ、以下同)ですが、その分たんぱく質も一番少なめ(6.3g)です。ウィートには、小麦胚芽やハチミツが入っています。栄養成分はホワイトに近く、1つあたりエネルギーは180kcal、たんぱく質は6.4g含まれます。
セサミは、ホワイトに香ばしいゴマをトッピングしたパンです。ゴマは脂質が多いため、パン4種類の中では最も高カロリー(196kcal)ですが、その分ゴマに含まれるセサミンやビタミンEなどの抗酸化成分を摂取できますし、たんぱく質も7.1gと最も多く含まれます。
ハニーオーツは、ウィートにハチミツ、オーツ、大豆のオーツミックスをトッピングしたパンです。オーツは食物繊維やビタミン類が豊富な穀類ですので、ウィートよりも多くの栄養を摂取することができるでしょう。その分、エネルギーは190kcalと少しだけ高くなります。
【サブウェイ】ドレッシングの選び方
――ドレッシングも種類が豊富で迷ってしまいます。選び方のポイントと栄養素的なおすすめを教えてください。
猪坂 ドレッシングを選ぶ際には、まずはメインの具と相性の良いものを選ぶと美味しく召し上がれるでしょう。オーダー時に店員さんがおすすめのドレッシングを教えてくれると思いますので、参考にしてみてください。
ダイエット中などでできるだけ低カロリーに済ませたい場合におすすめのドレッシングは、「チリソース」(3kcal)、「わさび醤油ソース」(6kcal)、「まろやかレモンドレッシング」(11kcal)などです。「できるだけ余分なカロリー摂取を防止したい」という場合は、これらの中から選んでみてください。
反対に、最も高カロリーなのは「チポトレソース」(53kcal)ですので、これを選ぶときはかける量を少なめにしてもらうなどして調整すると良いでしょう。
また、外食が続いている、むくみがち、などで塩分の摂取量を抑えたい場合は、自分の"好み"よりも塩分が少ないドレッシングを選ぶことを重視しましょう。例えば「バジルソース」は食塩相当量が0.1gとかなり少なめです。
反対に塩分を最も多く含むドレッシングは「青しそノンオイルドレッシング」(0.9g)です。味の濃いものを食べると食欲増進につながる恐れもありますので、ダイエット中は避けるようにすると良いでしょう。
【サブウェイ】おすすめの具材第5位:ツナ
オメガ3脂肪酸が摂れる
――ダイエット中でもOKな「おすすめの具材」を教えてください。第5位は?
猪坂 日頃不足しがちなお魚の栄養がとれるツナです。ツナなどのお魚には、脂肪燃焼を助ける効果が期待されている、オメガ3脂肪酸が含まれています。栄養価のほうは、1つあたり350kcalで、たんぱく質は14.6g摂ることができます。
ただしこれだけではたんぱく質がやや少なめですので、飲み物はカフェオレにするなどの工夫で補ってみてください。
【サブウェイ】おすすめの具材第4位:ローストビーフ
低脂質&たんぱく質が豊富
――おすすめ第4位は?
猪坂 低脂質ですがたんぱく質をしっかりとることができるローストビーフのサンドイッチです。1つあたり309kcalと低カロリーですが、たんぱく質は16.2g摂ることができます。ローストビーフの原料である牛肉には、体内で脂肪をエネルギーに変換するのに役立つカルニチンというアミノ酸が豊富に含まれます。
ミネストローネやコーンクリームチャウダーなどのスープもプラスすると、さらにたんぱく質をしっかり補うことができます。
【サブウェイ】おすすめの具材第3位:てり焼きチキン~焦がし醬油仕立て~
カロリーは少し高め
――おすすめ第3位は?
猪坂 てり焼きチキンです。こってりとした甘辛い味付けであるため、他のおすすめサンドイッチに比べると少しカロリーは高くなります(346kcal)が、 筋肉の材料となるたんぱく質は19.7gと、十分な量を摂取できます。
カロリーが気になる場合は、チキンの皮の部分を残すと、余分な脂質の摂取を防止することができるでしょう。
【サブウェイ】おすすめの具材第2位:サラダチキン
脂質が少なく低カロリー
――おすすめ第2位は?
猪坂 サラダチキンです。もともと脂質の少ない鶏胸肉を蒸して仕上げているため、1つあたり278kcalととても低カロリー。鶏胸肉は高たんぱく食品なので、たんぱく質も21.0gとしっかり補給できます。
このサラダチキンにチーズをトッピングした「チーズサラダチキン」は、チーズをトッピングする分少しカロリーが高くなります(331kcal)が、その分たんぱく質の摂取量も増える(22.7g)ので、栄養をしっかり摂りたい方にはおすすめです。
【サブウェイ】おすすめの具材第1位:チリチキン
栄養バランスがいちばん優秀
――おすすめ第1位は?
猪坂 エネルギーとたんぱく質のバランスが最も良いチリチキンです。1つあたり273kcalですが、たんぱく質は20.5gときちんと補えます。また、チリソースに含まれる唐辛子の辛味成分「カプサイシン」には、脂質代謝を促進する働きが期待されています。
ただしサラダチキンとそこまで栄養価の面で差がないので、辛いものが苦手という方はサラダチキンを、辛いものが好きという方はチリチキンを選ぶと良いでしょう。
サブウェイは私も個人的に大好きでよく行くお店のひとつです。野菜たっぷりのサンドイッチを楽しみたい! というときは、ぜひ行ってみてくださいね。