【サイゾーオンラインより】
最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、1月31日~2月2日)で、赤楚衛二主演の『366日』(1月10日公開)が上映開始から4週目にして初の1位を獲得した。
目次
・『366日』、公開4週目で初の首位に
・『劇場版 忍たま乱太郎』、興収20億円を突破
・『遺書、公開。』は見る人を選ぶ?
・全国映画動員ランキングトップ10(2025年1月31日~2月2日、興行通信社調べ)
赤楚衛二主演『366日』、公開4週目で初の首位に
2月3日発表の全国週末興行成績ランキングで首位に立った『366日』は、HYの同題曲をモチーフに主演・赤楚、ヒロイン役・上白石萌歌で“20年越しのラブストーリー”を描いた実写映画。
公開4週目を迎えた週末3日間の成績は観客動員18万1000人、興行収入2億2500万円を記録。封切りした週末は6位でスタートを切り、その後5位(2週目)、2位(3週目)と順位を上げ、ついに1位をマークするという好調ぶりで、累計成績は動員106万人、興収13億円を突破している。
鑑賞済みのネットユーザーは、「いろんな登場人物に感情移入してしまう」「ベタな恋愛モノといえばそうなんだけど、それでも泣きながら見てる人が大勢いた」「あまりにも良すぎて、すぐにリピート決定」などと大絶賛。
また、大ヒットソングから着想を得た物語ということで、「もともとHYファンだからなおさら感動」という声のほか、「恋愛映画は得意じゃなくてあまり観ないけど、曲が好きだからって軽い理由で観たら刺さった」といった層もいるようだ。
動員数が増えた背景について、映画・ドラマライターの北村有氏は以下のように分析する。
「口コミの力もあってか、徐々に伸びてきた印象です。本作に限った話ではないですが、最近はレビューサイトやSNSでの評判をチェックしてから映画館に向かう人が多い印象ですので、良い評判を聞きつけて劇場に足を運んだ赤楚さんファンもいるのではないでしょうか。また、映画公開後の1月25日から赤楚さん主演ドラマ『相続探偵』(日本テレビ系)の放送がスタートしたことも、波を後押ししているのかもしれません」
また、北村氏は、今作をめぐる、ある“意外性”も指摘する。
「すでに若手俳優のなかでは一定の知名度と実績がある赤楚さんが、あえてオーソドックスなラブストーリーの主演を担当している点に意外性があると感じます。同名BL漫画(スクウェア・エニックス)を実写化したドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系、20年10月期)でブレークした彼は、直近でいうとドラマ『こっち向いてよ向井くん』(同、23年7月期放送)で少々屈折した恋愛弱者というキャラクターを演じました。こうした経緯があるだけに、このタイミングで『ガチガチのラブストーリーに出る赤楚衛二が見たい!』というファンの願望を叶えたともいえます」
大ヒット中の『劇場版 忍たま乱太郎』、興収20億円を突破
前述の『366日』と同じように、前週からランクアップしたのは、話題のアニメーション映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(2024年12月20日公開)。漫画家・尼子騒兵衛氏の代表作『落第忍者乱太郎』シリーズで人気のキャラクター・“土井先生”こと土井半助(声優・関俊彦)にスポットを当てた、『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』(阪口和久著/朝日新聞出版)を映像化した作品だ。
上映開始から7週目の週末を迎えても3日間で動員14万1000人、興収2億3500万円をあげ、累計成績は動員141万人、興収20億円を突破。『忍たま』映画シリーズ最高興収を更新している。
原作人気はもちろん、1993年からNHKで放送されているテレビアニメシリーズにも根強いファンがついていること、現時点で入場者プレゼント第八弾(2月7日~13日、数量限定)まで発表されていること、“声出し”しながら鑑賞できる応援上映が実施されていることも、映画の盛り上がりやヒットにつながっているとみられる。
THE RAMPAGE・吉野北人主演『遺書、公開。』は見る人を選ぶ?
なお、今回のランキングで初登場した新作は、いずれも25年1月31日公開の実写映画『遺書、公開。』(8位)とアニメ映画『ベルサイユのばら』(9位)。
前者は漫画家・陽東太郎氏の同題作品(スクウェア・エニックス)をTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE・吉野北人主演で実写化。共演には宮世琉弥、志田彩良、松井奏(IMP.)、高石あかり、堀未央奈(元乃木坂46)ら注目の若手が名を連ね、監督は『映画 おそ松さん』の英勉氏、脚本は鈴木おさむ氏が担当している。
ネット上では、「実写モノでは成功の部類じゃない?」「原作と違う部分も納得できて楽しめた」などと原作ファンからも好意的な声が上がっているものの、全国344スクリーンと大規模で封切られたにしてはやや厳しいスタートとなった。前出の北村氏は以下のように語る。
「初週で伸び悩んだ要因としては、クラスの“序列”トップとされた生徒の“謎の死”をきっかけにメンバーの本性があぶりだされていく……という少々センセーショナルで見る人を選ぶ題材という点、主演の吉野北人さんはじめ、10~20代女性に人気のキャストが揃っており、層が限られている点、『サンセット・サンライズ』や『敵』、『満ち足りた家族』など話題作の好調が続いている点が挙げられるかと思います。
鑑賞した人の口コミもそこまで“大好評”というわけではない点も関係しているかもしれません。映画を鑑賞した感想としては、良くも悪くもTikTokをはじめとする短尺動画に慣れた層向けに作られた、とにかく飽きさせない、アテンション続きの作品だと感じる面がありました。脚本はそこまで破綻しているわけではなく、最後の展開は一捻りあり満足も納得もできるので、『366日』のようにこれから良い口コミが増えてくる可能性も考えられます」
一方で『ベルサイユのばら』は、漫画家・池田理代子氏の名作漫画(集英社)を新たにアニメ映画化し、全国156スクリーンと小規模での上映開始ながら9位に初登場。同作の奮闘もあり、25年の全国週末興行成績ランキングにおいて、初めてトップ10内の半数をアニメ映画が占めることとなった。
全国映画動員ランキングトップ10(1月31日~2月2日、興行通信社調べ)
1位:『366日』
2位:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』
3位:『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』
4位:『はたらく細胞』
5位:『グランメゾン・パリ』
6位:『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』
7位:『アンダーニンジャ』
8位:『遺書、公開。』
9位:『ベルサイユのばら』
10位:『モアナと伝説の海2』