【サイゾーオンラインより】
最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、2月21~23日)で、Snow Man・目黒蓮が主演を務める『劇場版 トリリオンゲーム』(2月14日公開)がV2を獲得した。
目次
・『劇場版 トリリオンゲーム』興収12億円突破
・初登場8位『映画 ヒプノシスマイク』の魅力
・インタラクティブ映画『ヒプマイ』は「今後応用が利く」
・広瀬すず主演『ゆきてかへらぬ』、トップ10入りならず
・全国映画動員ランキングトップ10(2月14~16日、興行通信社調べ)
1位の『劇場版 トリリオンゲーム』、興収12億円突破!
2月25日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『劇場版 トリリオンゲーム』は、「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載されている『トリリオンゲーム』(原作・稲垣理一郎氏、作画・池上遼一氏)をもとにした実写映画で、2023年7月期にTBS系で放送された連続ドラマ版の続編。
目黒とM!LK・佐野勇斗が、主人公・天王寺陽(ハル)とその相棒・平学(ガク)役を続投しており、上映開始から2週目の週末3日間で観客動員20万4000人、興行収入2億9200万円を記録。振替休日(2月24日、以下同)までの累計は動員86万人、興収12億円を突破したと伝えられている。
そしてランキング2位につけたのは、前週からワンランクアップした『ファーストキス 1ST KISS』(2月7日公開)。主演は松たか子、共演にSixTONES・松村北斗らが名を連ね、上映3週目の週末を経て累計動員93万人、興収13億円超えとなった。
初登場8位『映画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」』とは?
また、今回トップ10入りを果たした新作は、8位のアニメーション作品『映画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」』(2月21日公開、以下『ヒプマイ』映画)のみ。男性声優による音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(通称『ヒプマイ』)の劇場版で、山田一郎(声優・木村昴)率いるイケブクロ・ディビジョン代表「Buster Bros!!!」など各ディビジョンの代表チームが熱いラップバトルを繰り広げる姿を描く。
全国85スクリーンと小規模で封切られた『ヒプマイ』映画だが、劇場用映画としては日本初となる観客参加型「インタラクティブ映画」で、観客がスマホアプリを操作し、ラップバトルの勝敗をリアルタイム投票で決定。同作では全48ルートのストーリー、7パターンのエンディングが用意されているという。それぞれのストーリーや結末を見るべくリピートを検討する者もいるだろうが、SNS上の書き込みからは、好きなチームを連勝させる目的で劇場に通う者も多いことがわかる。
同作の魅力について、映画ライターのヒナタカ氏は以下のように語る。
「Creepy Nuts、KREVAら豪華アーティストが参加した楽曲および、パフォーマンス映像のクオリティーもものすごく高いんですよ。だからこそリピーターの獲得につながるのはもちろん、『ヒプマイ』から一時的に離れていた人が戻ってきたり、予備知識がなくても楽しめる内容のため新規ファンもじわじわと増やしそうです」
日本初のインタラクティブ映画『ヒプマイ』は「今後応用が利く」
ちなみに、同様のシステムの作品としては、Netflixで配信中の『ブラックミラー バンダースナッチ』(18年)が挙げられ、「主人公の行動を視聴者が選択できる相互作用的なエンタメ性がある作品」だったとのこと。
「また、海外では『ロッキー・ホラー・ショー』(1975年)で観客がパーティーのように楽しむスタイルが定着しましたし、日本でも特定のファンを獲得した映画で声援を送ることができる“応援上映”が開催されています。今回の『ヒプマイ』映画では、『選択式で結果が変わるテレビゲーム』のような面白さと、『不特定多数の他のお客さんと一緒に応援する』参加型の体験が組み合わさっているわけです。トーナメントでの勝ち負けを決める以外でも、今後、いろいろと応用が利きそうですよね。今では“推し活”という言葉が広く認知されるなど、作品やキャラクターへの能動的な“応援”はとても需要のあるエンタメだと思いますので、これから先の新しい展開も期待したいです」
なお、今回の『ヒプマイ』映画は、例えば「Buster Bros!!!」の聖地でもある東京・池袋の劇場には、チームを応援するファンが集まりやすい傾向もあり、「ヒプマイ、実在する映画館でファン同士の陣取り合戦みたいになってておもしろい」「オオサカファンが都内だと日本橋の劇場に集結してるのアツイ」などという声も。
さらに、渋谷HUMAXシネマは26日午前8時台に公式Xで「シブヤディビジョン『Fling Posse』がついに無傷の20連続優勝達成です」(原文ママ)と報告するなど、関連ディビジョンを応援する空気感、ファンとの一体感を作り出している劇場も。こうした盛り上がりが、今後の成績にどれだけつながっていくのかにも注視したい。
広瀬すず主演『ゆきてかへらぬ』、トップ10入りならず
そんな『ヒプノシスマイク』と同日公開の実写映画『ゆきてかへらぬ』(広瀬すず主演)はトップ10圏外に。同作は実在した女優・長谷川泰子(広瀬)と詩人・中原中也(木戸大聖)、文芸評論家・小林秀雄(岡田将生)の愛と青春を描いた映画だ。
モントリオール世界映画祭の最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』(09年)でも有名な根岸吉太郎氏が16年ぶりに長編映画のメガホンを取り、同作や『最後の忠臣蔵』(10年)などの田中陽造氏が脚本を担当。鑑賞済みのネットユーザーからは「ノスタルジックで素敵な作品」「役者も映像も良かった」との声が寄せられている一方、「期待外れ」「キャストは悪くないし映像美も評価できるけど、よくわからなかった」という意見もみられる。
この結果を受け、前出のヒナタカ氏はこう分析する。
「公開館数は160館と中規模で、ほかのメジャーな邦画大作と単純比較はできませんが、やはりキャストの豪華さを考えると少し寂しい成績ですね。エンタメというよりもアート寄りの作風ですし、キャストのファンや若年層には、なんとなくの印象から敬遠されてしまったのかもしれません。また、この映画を訴求するはずのシニア層が、コロナ禍以降に映画館に戻り切っていない現状も、この苦戦に少なからず影響しているのでしょう。とはいえ、作品自体には気合が入っています。根岸監督の16年ぶりの長編映画で、大正時代を美しく魅せた美術や撮影が素晴らしく、劇場で堪能してほしいと心から願えるものでした。『映画館で映画を見る』価値を知るきっかけになる1本だと思いますし、これからの伸びを期待したいですね」
そのほか、前回7位だったアニメ映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(1月17日公開)が今回は4位に浮上。累計興収は28億円を超え、日本テレビ系でのテレビシリーズは4月8日から放送を開始することも発表された。
また、昨年12月20日から上映中のアニメーション映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は10週目の週末を迎えても5位をキープし、累計興収27億円を突破。2月24日には、同作でゲスト声優を務めたなにわ男子の大西流星と藤原丈一郎、監督の藤森雅也氏が登壇する“大ヒット舞台挨拶”(丸の内ピカデリー)も行われ、藤原の「(映画だけではなく)アニメのほうにも出てみたい」というコメントも、『忍たま』となにわ双方のファンを喜ばせたようだ。
全国映画動員ランキングトップ10(2月21~23日、興行通信社調べ)
1位:『劇場版 トリリオンゲーム』
2位:『ファーストキス 1ST KISS』
3位:『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』
4位:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』
5位:『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』
6位:『366日』
7位:『野生の島のロズ』
8位:『映画「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」』
9位:『アンダーニンジャ』
10位:『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』