【サイゾーオンラインより】
最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、3月14~16日)で、アニメーション作品『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)がV2を獲得した。
目次
・『ウィキッド』2位キープも……“ライバル映画”の公開続く
・『お嬢と番犬くん』、原作ファンからも高評価
・初登場6位『劇場版モノノ怪』と『ウィキッド』の共通点
・全国映画動員ランキングトップ10(3月14~16日、興行通信社調べ)
『ウィキッド ふたりの魔女』2位キープも……“ライバル映画”の公開続く
3月17日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』は、「映画ドラえもん」シリーズ45周年の記念作品。絵の中の世界を舞台にしたストーリーで、上映開始から2週目の週末3日間も観客動員46万7,000人、興行収入5億7,600万円をあげて前週に続き1位を記録。累計成績は動員114万人、興収14億円超えと伝えられている。
2位も、前週と同じく米のミュージカル・ファンタジー映画『ウィキッド ふたりの魔女』(3月7日公開、以下『ウィキッド』)が続いた。人気ブロードウェイ・ミュージカル『ウィキッド』を映画化した2部作の前編で、エルファバ・スロップ役のシンシア・エリヴォとグリンダ・アップランド役の アリアナ・グランデがダブル主演。封切りから2週目の週末3日間で動員23万9,000人、興収3億9,700万円をあげ、累計成績は動員76万人、興収12億円を突破した。
一方で、映画ライターのヒナタカ氏によれば、次週はライバル作品の台頭も気になるという。
「3月20日公開の実写版『白雪姫』は、ターゲット層や作品の雰囲気、ミュージカル作品であることが共通しており、強力なライバルになりそうです。とはいえ、『ウィキッド』は昨今の洋画の成績不振を払拭するような幸先の良さを見せましたし、いち映画ファンとしてはうれしいところ。今後も4月25日公開の『マインクラフト/ザ・ムービー』や5月23日公開の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』など、大作洋画の公開が続くので、そちらのヒットも期待できそうですね」
なお、『ウィキッド』の第2部は、全米では2025年11月21日の公開が予定されているものの、日本での公開日は未定となっている。
「第1部の公開が日本では3カ月半も遅れていたこともありますし、日本でも『早く後編を見せて!』と待ちきれない様子の声も多いので、日本でもアメリカと同日か、または近い公開日を期待しています」(同)
福本莉子&SixTONES・ジェシー主演『お嬢と番犬くん』、原作ファンからも高評価
そんな『ウィキッド』に続いて3位に初登場したのは、福本莉子とジェシー(SixTONES)がダブル主演を務める『お嬢と番犬くん』(3月14日公開)。漫画家・はつはる氏の同題作品の実写版で、ヤクザの組長の孫とその世話係で過保護な若頭の恋愛模様を描き、2023年9月期にテレビアニメ化(TOKYO MXほか)もされた人気作。福本がヒロインとなるヤクザの孫・瀬名垣一咲を、ジェシーが若頭の宇藤啓弥役を演じており、主題歌「バリア」はSixTONESが担当している。
全国305スクリーンで上映を開始し、初日から3日間で動員13万3,000人、興収1億8,200万円をあげて3位スタートを切った『お嬢と番犬くん』。SNS上ではジェシーやSixTONESファンを中心に、「啓弥かっこよすぎ」「ジェシーをキャスティングしてくれた人に感謝」との声が寄せられ、原作やアニメファンからも「主演のお二人とも、少女漫画からそのまま出てきたみたいで最高だった」「実写版で成功した作品に入るのでは」といった評価が散見される。
初登場6位『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』と『ウィキッド ふたりの魔女』の共通点とは?
同じく3月14日に上映スタートしたアニメ映画『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』は、6位発進。テレビアニメ『モノノ怪』(フジテレビ系)の劇場版3部作の第2作で、謀略渦巻く大奥を舞台に、葛藤する女たちの情念から生まれたモノノ怪・火鼠に立ち向かう薬売りの姿を描く。
メインキャラクター・薬売りの声優はもともと櫻井孝宏が担当していたが、不祥事により降板し、昨年7月公開の第1作目『劇場版モノノ怪 唐傘』からは神谷浩史が起用された。前出のヒナタカ氏は、そんな前作と今作の成績について以下のように語る。
「今作は公開3日間で動員約6万5,700人、興収9,800万円と、前作が記録した動員数約7万2,500人、興収1億1,100万円からわずかに減少したものの、3部作の第2部かつ中規模の上映館数から考えればかなりの好成績で、ファン層の厚さを証明したといえそうです。また、前作はアニメ表現が絶賛された一方で、物語がやや難解なため賛否がありましたが、今回は『わかりやすい』という感想が多く、『Filmarks』で4.2点、『映画.com』で4.1点(19日正午時点)と大好評なため、リピーターや新規ファンの獲得も期待できるでしょう」
なお、同シリーズは、今週2位の『ウィキッド』と共通点があるとか。
「『モノノ怪』はテレビアニメ版から女性人気がとても高い作品でしたし、差別と偏見の強い環境の中で女性たちの関係を描く『ウィキッド』にも通じる、“シスターフッド”ものになっているため、さらに女性を中心に新規動員が期待できそうです。直近では、累計興行収入30億円間近の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』もそうですが、特定のファンおよび女性に訴求する内容がアニメ映画の興行のカギになっているので、今後もその傾向はありそうです」(同)
そのほか、前回のランキングではトップ10圏外となっていたアニメ映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(1月17日公開)が今回は7位に浮上。4月9日から日本テレビ系「火曜プラチナイトアニメ」枠にて放送を開始する『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の一部エピソードを再構築した劇場先行版で、累計成績は動員193万人、興収31億円を突破したと伝えられている。
なお、3月14日に都内で行われた「第48回 日本アカデミー賞 授賞式」にて、山口馬木也主演の『侍タイムスリッパー』(24年8月17日公開)が最優秀作品賞を受賞。老舗のミニ・シアター「池袋シネマ・ロサ」単館での上映開始から口コミが広まり、公開規模を拡大した同作は、優秀作品賞に選ばれた時点で再上映を発表していた劇場もあり、まだまだ話題が続きそうだ。
全国映画動員ランキングトップ10(3月14~16日、興行通信社調べ)
1位:『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
2位:『ウィキッド ふたりの魔女』
3位:『お嬢と番犬くん』(初)
4位:『35年目のラブレター』
5位:『ファーストキス 1ST KISS』
6位:『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』(初)
7位:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』
8位:『劇場版 トリリオンゲーム』
9位:『アンダーニンジャ』
10位:『知らないカノジョ』