【サイゾーオンラインより】
最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、5月2~4日)で、アニメーション作品『名探偵コナン 隻眼の残像』(4月18日公開)がV3を達成した。
目次
・『名探偵コナン 隻眼の残像』興収100億円突破!
・『サンダーボルツ*』は初登場3位! MCU作品“復調”のきざしか
・『たべっ子どうぶつ』、「大人も存分に楽しめる内容」に
・WEST.主演『裏社員。』、ファン以外にウケるか「微妙」の声
・全国映画動員ランキングトップ10(5月2~4日、興行通信社調べ)
『名探偵コナン 隻眼の残像』興収100億円突破! シリーズ歴代ベスト3に
5月7日発表の全国週末興行成績ランキングで首位をキープした『名探偵コナン 隻眼の残像』は、「劇場版名探偵コナン」シリーズの第28作目。上映開始から3週目の週末3日間も、ゴールデンウィーク期間とあってか観客動員96万9000人、興行収入14億2200万円をあげ、振替休日だった5月6日までの累計成績は動員726万人、興収104億円を突破した。
国内で上映された歴代映画の興収ランキングにおいては、すでにトップ100に入っている過去作『名探偵コナン 緋色の弾丸』(2021年公開/最終興収76.5億円)、『名探偵コナン ゼロの執行人』(18年公開/最終興収91.8億円)、『名探偵コナン 紺青の拳』(19年公開/最終興収93.7億円)、『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(22年公開/最終興収97.8億円)を追い抜き、『隻眼の残像』は43位にランクイン。
現時点で、シリーズ最高興収は『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24年公開)の158億円となっており、次点が『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23年公開)の138.8億円。『隻眼の残像』は早くもシリーズベスト3の数字をあげており、記録を塗り替えられるのかにも注目が集まる。
『サンダーボルツ*』は初登場3位! MCU作品に“復調”のきざし?
今回の全国週末興行成績ランキングでは、3位に米のアクションエンタテインメント『サンダーボルツ*』(5月2日公開)、5位に3DCGアニメ『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』(5月1日公開)、6位にSTARTO ENTERTAINMENTのアイドルグループ・WEST.のメンバー7人全員で主演を務める『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』(5月2日公開)が初登場。
『サンダーボルツ*』は、マーベル・コミックのヒーローたちが活躍するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)各作品のヴィランがチームとして結束し、自分自身の過去と向き合いながら世界の危機に立ち向かう姿を描いた作品。
フローレンス・ピューや セバスチャン・スタン、デビッド・ハーバーらが出演し、初日から3日間の動員は27万1000人、興収は4億5900万円、公開5日間の累計は動員40万人、興収6億6500万円をマーク。鑑賞済みのネットユーザーからは「コミカルで笑えて最高」「シリーズを追ってない勢でも楽しめた」という声もあるが、「原作を知っているだけに気になる点もあった」「キャラクターの扱い方に納得できない部分もあって残念」との指摘も。
映画ライターのヒナタカ氏は、今回の成績について以下のように分析する。
「『サンダーボルツ*』の海外成績は、3日間で全米で7600万ドル、世界で1億6210万ドルで、これまで歴史的な記録を何度も打ち立てたMCUの中では控えめといえるスタートです。しかし、登場するのが広く知られたキャラクターではないこと、事前の興行予想が低く見積もられていたこと、直近のMCUに興行・批評ともに伸び悩む作品があった中では、“復調”のきざしは見えているともいえます。MCUはシェアードユニバース(同じ世界線)で描かれ、ヒーローの数、作品数が膨大のため「途中参加がしにくい」イメージを持たれるかもしれませんが、今回は一見さんも比較的わかりやすい内容なので、新しいファンが増えることも期待したいです」
そんな『サンダーボルツ*』だが、「2週目の落ち込み」が懸念されるそう。
「2月公開の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は、全米では4日間で1億ドル超えのスタートだったものの、2週目で前週比68.3%もダウンしたことが報じられていました。同作は評価が今ひとつだったことも大幅な落ち込みにつながったのでしょうが、今回の『サンダーボルツ*』は、日本では賛否を呼んでいるものの、海外ではかなり好評寄りですし、持ち堪えてほしいところです」
初登場5位『たべっ子どうぶつ』、「大人も存分に楽しめる内容」に
続いて、ギンビス社の動物型ビスケット「たべっ子どうぶつ」を映画化した『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』は、おかしと人間が仲良く暮らすスイーツランドを舞台に、かわいいだけが取り柄で戦闘力ゼロのスーパーアイドル「たべっ子どうぶつ」たちが凶悪な「わたあめ軍団」と戦う――という内容。
らいおんくん役で松田元太(Travis Japan)、ぞうくん役で水上恒司、映画オリジナルキャラクター・ぺがさすちゃん役で髙石あかり、人間の女の子・ペロ役で大野りりあな、マッカロン教授役で大塚明夫、わたあめのゴッチャン役で関智一、キングゴットン役で大塚芳忠ら、他にも豪華キャストが声優起用されている。
全国339スクリーンと大規模で封切られたことを踏まえると、5位発進はまずまずといったところかもしれないが、ネット上には「おふざけ感もありつつ真面目な部分もあって面白い」「いろんなメーカーのお菓子のキャラクターがゲスト出演しててびっくり!」との声が寄せられている。
「テレビシリーズが展開していない日本のアニメ映画で、公開5日間で観客動員数24万1964人、興行収入3億1389万5710円を記録したのは、なかなかの好スタートでは。 “お菓子”を元にしたオリジナル作で、公式サイトのキャッチコピーにある通り『まさかの映画化!』に驚いた方も多いでしょうが、『たべっ子どうぶつ』はこれまでパズルゲーム化やコラボ企画が実施されるほどの人気コンテンツなので、ファンの動員も十分に見込めていたのでしょう」(前出・同)
なお、今作はレビューサイト「Filmarks」で3.8点、「映画.com」では4.0点と好評で、「王道のアクションアドベンチャーであるものの、子ども向け映画にしてはなかなかダークな“負の感情”も描いており、大人も存分に楽しめる内容になっていた」(同)とのこと。
「海外作品にも引けを取らない、『どうぶつたちのモフモフ感』を重視した3DCGのクオリティーや、松田を筆頭とする豪華なキャスト陣が、劇中に“アイドル”として登場するたべっ子どうぶつのキャラクターたちにハマっていることも称賛されています」(同)
WEST.主演『裏社員。』、ファン以外にウケるか「微妙」の声
一方、全国206スクリーンと中規模上映ながら6位スタートを切ったアクションコメディ『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』は、話題を呼んだ映画『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(19年公開)などで知られる瑠東東一郎監督がメガホンをとった痛快アクションコメディ。
表向きには解決できない問題を秘密裏に処理する会社員「裏社員」たちの奮闘を描いたストーリーで、WEST.の桐山照史、神山智洋、濵田崇裕が阿川建設の裏社員、中間淳太、藤井流星が川端建設の裏社員、重岡大毅と小瀧望は商店街の住人を演じている。そのほかヒロイン役の恒松祐里をはじめ、森香澄、剛力彩芽、藤原紀香、竹中直人、赤井英和、田中美央、プロレスラー・永田裕志、有野晋哉(よゐこ)、モモコ(ハイヒール)らも出演。
ネット上の感想を見ると、鑑賞者はやはりWEST.ファンが多いようで「メンバーみんな自然体でよかった!」「思ったよりもアクションがんばっててかっこいい」といったポジティブな書き込みも散見されるが、「メンバーによって出番に差があるのが不満」「ファンはなんでも楽しめるとして、それ以外の層にウケるかは微妙」という意見もみられた。
また、今回のランキングでは『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(3月7日公開)と『ウィキッド ふたりの魔女』(同)がともに上映開始から9週目を迎えて9、10位まで順位を下げたが、7週目の『教皇選挙』(3月20日公開)は前週9位から8位に上昇している。
全国映画動員ランキングトップ10(5月2~4日、興行通信社調べ)
1位:『名探偵コナン 隻眼の残像』
2位:『マインクラフト/ザ・ムービー』
3位:『サンダーボルツ*』(初)
4位:『#真相をお話しします』
5位:『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』(初)
6位:『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』(初)
7位:『花まんま』
8位:『教皇選挙』
9位:『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
10位:『ウィキッド ふたりの魔女』