• 日. 12月 22nd, 2024

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明日あなたが被害にあうかもしれない

死刑は犯罪抑止にはならない? 元極妻が考える「極刑」の重み

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

死刑になりたくて無差別殺人

 最近、電車の中や駅構内での無差別襲撃が目立ちますね。被害者や関係者の皆様にお見舞い申し上げます。

 10月31日には、青年が電車の中でライターのオイルをまいて火をつけ、17人に切りつけるという事件がありました。現行犯逮捕された青年は、取り調べで「死刑になりたかった」と答えているそうです。

 死刑や無期懲役の刑を受けたくて無差別殺人を起こすというのは、昔はあまり聞きませんでしたね。たとえば2001年に8人の小学生を殺した宅間守(2004年に死刑執行)は、精神鑑定で「事件の前に自殺に失敗して、誰かを殺そうと思ったら元気が出た」と話したそうで、「死刑になりたくて」起こした事件ではないことがわかります。「早くオレを死刑にしろ」とかは言っていたようですが、なんだか強がりにしか聞こえませんでしたしね。

 「人生がツラいけど自殺できないから誰かを殺す」というのは、元極妻はサッパリ共感できませんが、思えばヤクザになるのも、たいていは人生がツラいからですけどね。まあ人を殺す時は、ヤクザは常に損得ずくですし、いわゆる過激派やカルト教団は自分なりの「正義」を掲げています。最近は、SNSなどから、こうした無差別殺人犯に共感する人たちが結構いる印象を受けます。

 死刑は、「悪いことをしたら死刑になる」という抑止力の意味もありますが、「死刑になりたい」という人には意味がないですね。また同じような事件は起こるのでしょうか?

 死刑については、もっといろんな議論があっていいと思います。特に直接証拠のない死刑は、問題が多いですしね? なんて考えていたら、ちょっとかっこいい記事を見つけました。

 産経新聞の東京社会部長・酒井孝太郎さんが五代目工藤會・野村悟総裁の死刑判決について「暴力団の水面下でのマフィア化」を懸念されていたのです。

 記事には、死刑を含む厳罰化で「暴力団」の存在が見えにくくなる懸念とともに、「警察庁によると、平成27年から令和元年にかけて、支援を 受けて暴力団を離脱したのは3090人で、このうち各都道府県の『社会復帰対策協議会』を通じて就職できたのは149人。わずか5%弱だ。残りはどうしているのか。定職に就いたとしても順調に仕事を続けているのか。残念ながらデータはない」という指摘がありました。

 ほんとそれです。排除されて路頭に迷ったヤクザたちが、さらに悪いことをするのは想像がつきますよ。

 「暴力団の動向だけを追っていればよかった時代はとうに過ぎ去り、われわれは不穏の中にいる」というシメのお言葉にはしびれました。半グレは「暴力団」と違って明確な親分子分関係はなく、少年や女の子もいるけど常に決まったメンバーがいるわけではないので、実態が把握しにくいのです。

 これに対して、ヤクザは悪いですが、堂々とカミングアウトしていましたし、地元の警察とは、まあまあいい関係でしたからね。そのほうが便利だったと思いますよ。

 それにしても産経新聞は保守のイメージしかないですが、実際はそうでもないのですね。少し前には、同じグループの夕刊フジが1面トップに「マスク2枚 ふざけるな!! 今こそ減税」と大きく出して安倍政権を批判していて驚きました。ツイッターでは「日刊ゲンダイと区別がつかない」ってなっていました。

 話がそれてしまいましたが、ワルモノを排除したところで、いい方向には行かないと思いますよ――という、いつもながらの結論です。

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