中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。11月6日放送の第4話では、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」に通う男子生徒の母親が、非協力的な夫にブチ切れ。「課金ゲーム上等!!!」をはじめとする母親の台詞は、Twitter上でも「名言」「これが母親の狂気か」と話題沸騰だった。
あらすじ
11月13日放送の第5話では、「中学受験の天王山」と呼ばれる夏期講習がスタート。夏休み中6年生の生徒たちはほぼ毎日塾に通い、午後1時から8時まで授業。自習室も朝9時から開いており、1日中塾にこもって勉強する子も少なくない。
ちなみに、桜花ゼミナールは成績上位順にΩ・A・Rの3クラスに分かれており、クラス分けはテストの点数によって決定される。中学受験では、本人の努力は評価されず、入試の「点数評価」によって合否が判断されるため、「ここでは目に見えないもので評価することは本人のためにもならない」と黒木は言う。
自習室では、Ωクラス成績トップの島津順(羽村仁成)とAクラスの上杉海斗(伊藤駿太)が取っ組み合いのケンカに。発端は、順が海斗に対して「偏差値60以下の学校なんて学校じゃない」「そんなところ目指しているなんてまじゴミだし」と暴言を吐いたこと。黒木は、 「悪いのがどちらかを裁くのは塾の仕事ではありません」「塾では道徳という科目は教えていません」と口にし、翌日からΩクラス専用の自習室を用意するという、一見ドライな対応を取った。
順の家庭では、父親・弘(金子貴俊)が桜花の勉強方法や宿題を否定し、自己流の勉強方法を息子に強要。順と母親・優子(遠藤久美子)は怯えて暮らしていた。父親が用意した偏差値54の学校の過去問題を順は半分もこなせなかったが、夏の段階で、過去問の合格ラインを超えるのはそもそも難しい。しかし父親は激高し、壁に問題集を投げつけ、母親にも怒りを向ける。翌日、順は塾をサボり、桜花は大騒ぎに。
順を見つけたのは、居所に心当たりのあった海斗だった。海斗は桜花に来る前は大手名門塾「ルトワック」に在籍しており、双子の弟は今もルトワックの最上位Sクラスにいる。自分は親に期待されていないのだと諦観気味の海斗と、そんな海斗を目の敵のようにしていた順は、それぞれの本音を打ち明けることで、心を通わせる。
第5話放送中からTwitterでは、「教育虐待」「DVだろこれ」「モラハラ親父」「通報案件」など、順の父親の振る舞いに恐怖や憤りを訴える書き込みが続出。「島津くん、こんなのストレスフルすぎるよ〜」「こんな父親、受験勉強の邪魔でしかないわ」と、順の置かれた状況を慮るコメントも散見された。
一方、「最高」「いい関係」との声が相次いだのが、順と海斗がお堂で互いの気持ちを明かし、友情を育む場面だ。最初はケンカをしていた2人だけあって、「この2人の関係最高じゃん!」「めちゃくちゃ良いライバルになりそう」「2人とも頑張れ!」と、多くの視聴者が胸を熱くしたようだ。
しかし、父親は順が見つかっても、相変わらず息子や母親を罵倒。順が友達と話していたと言えば「ただでさえ時間がないっていうのに、バカの相手をしている場合じゃないだろ」と吐き捨てる。そんな父親に順は「僕の友達をバカって言うな」と反発し、海斗には「待っているからな、Ωで」とエール。夏期講習中に行われるΩクラス選抜テストをクリアすれば、海斗はΩクラスに上がれる。
順は海斗に、4年生になる時に受けたルトワックの入塾テストでSクラス落ちしたことが悔しく「桜花で一番になってやる」と思ったことを明かしていた。行方不明事件を受け、嫌なら塾も受験もやめてもいいという母親に、順は「やめない」「やめたらママがパパにいじめられる」と言ってもいたが、母親のためだけに勉強を続けているわけではないのだろう。
黒木は今回も、要所要所で新人の佐倉麻衣(井上真央)をはじめとする塾講師たちに的確な指示を出していた。夏の段階で過去問をやらせることは、無茶な勉強法であり、 「かえって自信を失わせ動揺させるだけ」と順の母親を指導する場面もあった。
第1話~第4話までと違い、今回の第5話は生徒を取り巻く問題は解決せず、父親が改心しないままだった。つまり、島津家の状況が変わったわけではない。「どうすればいいんでしょう」と尋ねる麻衣に、黒木は「これ以上のことは何もできません」「我々たかが塾講師に他人の家庭の中にまで踏み込む権限はありません」と返答。黒木は某学園ドラマのように、生徒の家庭の問題に首を突っ込み、親に説教したりはしない。少なくとも現段階では。
島津家の行く末が気がかりだが、11月20日放送の第6話では、Ωクラス選抜テストの結果が発表される。タイプの異なる女子生徒2人の友情による化学反応の模様が描かれる予定だ。