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「食本書評」白央篤司

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スパッと痛快な料理本! 盛り付けは「センスではなく知識と理屈」、好奇心をくすぐる新しいヒント集

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター・白央篤司が選んでご紹介! 今月の1冊:『ぼくのおいしいは3でつくる』樋口直哉  樋口直哉さんの本を読むと私はいつも、頭の中の血のめぐりが良くなったような、するするとした心地よさを覚える。脳の中のサビついていた古い料理知識や思い込みが流れて消えてスカッとするというか、自分がちょっとアップデートされたように思えて、気持ちいいのだ。  レシピを考える料理家は多いが、樋口さんはレシピの進化も同時に考える。時代...

山本ゆりさん「イライラしているときでも作れる」料理ほか、16人の料理家による役に立つ“食”エッセイ

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『生き抜くためのごはんの作り方 悩みに効く16人のレシピ』   “レシピ”とタイトルにあるが、実際にはエッセイ集である。  「人生において、料理ってこんなふうに役立つこともあるよ」「私は料理のこんなところに助けられてきたよ」ということをテーマに、16人の料理家が文章を寄せている。「ひとり暮らしを始めるので、料理を覚えていきたい」「食生活を...

「普通」の結婚はわからないけど……アラサー女子ふたりの共同生活、『今夜すきやきだよ』の多幸感

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター・白央篤司が選んでご紹介! 今月の1冊:『今夜すきやきだよ』谷口菜津子著  心がモヤモヤしてならないとき、妙に料理したくなることがある。  食べ切るのに数日かかりそうなほどの豚汁を仕込んだり、あるいは手間ひまかけてじっくり肉豆腐に挑みたくなったり。それで何かが解決するわけじゃないけど、無心に具材の皮むきをする時間が、またはアク取りをしつつ煮えていく鍋中をぼんやり見つめている時間が、ほんのちょっと自分の気...

ブロッコリーも豆苗にように再び収穫できる!? キッチンでできる「日本一カンタンな家庭菜園」がすごすぎ

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『キッチンからはじめる! 日本一カンタンな家庭菜園の入門本 おうち野菜づくり』宮崎大輔著  リボベジという言葉をこの本で知った。  リボーンベジタブル、野菜の再生栽培のことだそうな。「スーパーで買った野菜の切れ端から、その野菜が再生」できる、と前書きにある。  なるほど、つまり私もリボベジは何度も体験していたのだ。豆苗である。豆苗は発芽した...

2021年、心に残る「食の本」をフードライター・白央篤司が選出! レシピ集やエッセイなど4冊

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター・白央篤司が選んでご紹介! 2021年、「心に残る食の本」4冊  さて師走に入り、2021年もじきにおしまい。今年も食関係の本が数多く出版された。コロナの影響でレシピ本を求めた人は昨年に続いて多かったよう。レシピ以外のものも含めて、心に残る食の本を今回は4冊ご紹介したい。 絵本:『えきべんとふうけい』マメイケダ著  絵本っていいなあ。そんな気持ちを久しぶりに思い出した。  おいしそうな表紙に惹かれて本を...

男性社会で「主人」として生きる女の姿に引き込まれる! 『女将さん酒場』が伝える13人の悩みと決断

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『女将さん酒場』山田真由美著   よくある本だろうと思った。  日本各地の名物女将さんを紹介する、食べある記かグルメレポート。軽い気持ちで書店の棚から手に取り、数ページ読んでグイグイと引き込まれた。即買い。いわゆる酒場の女将さんたちも紹介されるが、中には食堂やラーメン店の店主、オーガニック料理店やイタリアンのオーナーシェフも含まれる。  こ...

「551HORAI」「ぎょうざの満洲」は、なぜローカルチェーンのまま? 地元で愛され続ける“生き残り戦略”がすごい!

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『強くてうまい! ローカル飲食チェーン』辰井裕紀著   「その土地ならではの食べもの」というと、郷土料理をイメージされる方が多いだろう。しかし実際に各地を旅してみると、郷土料理は祭りや正月などの特別な日のものであるか、観光用のことが多くなっている。地元の人に「この地域ならではの食べものといえば?」なんて聞き込みをすると、ローカル飲食チェーン...

カレーの存在意義は「辛さ」にあらず? 目玉焼きは卵2つがデフォルト!? 食べ物を説明する『国語辞典を食べ歩く』が面白い

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『国語辞典を食べ歩く』サンキュータツオ著 「無人島に1冊持っていくとしたら、何を選ぶ?」  よくある話だが、私ならまよわず辞書と答える。辞書を読むのが小さい頃から好きだった。「こんな言葉があるのか」「この言葉には、私が知っているのと別の意味もあるのか」と、ただ読むのが好きだったのだ。知らない言葉でも、漢字の組み合わせで大体の意味が分かるもの...

料理研究家だって、料理はつらかった!? 賢人が明かす「飽きずにラクに」続けていくための台所術がすごい

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『料理がしんどいあなたへ ラクしておいしい台所術』  今回紹介する本は、7人の料理研究家の考えをまとめたもの。まずメンバーを紹介したい。 瀬尾幸子 小田真規子 武蔵裕子 脇雅世 石原洋子 渡辺麻紀 前田量子  の各氏である(登場順)。多くの料理編集者から長年信頼を集める、そうそうたる面々だ。彼女たちによる「日々の料理を効率よく省力していくに...

38歳、いろんな不安で冷えた心が息を吹き返す『しあわせは食べて寝て待て』――ショウガ紅茶のように体が温まる一冊

時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『しあわせは食べて寝て待て』水凪トリ 著   こういう本が読みたかった。  一気に読んでなんだか……おなかが温かくなったような気がした。ショウガ紅茶を飲んだ後のような、おいしいお粥をいただいた後のような。もう一度じっくり味わって読んで、肩の力が抜けて、自分が少し楽になっているのを感じた。  主人公の麦巻さとこは38歳、「一生つきあう病気」を...